元気を作ると余計に疲れる？

漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のり子です。

咲美堂の近くの花隈公園に行くと、桜が満開でした！！

この地に店舗を構えて今年で8年。毎年楽しめて幸せです♡

朝起きたときにすでにやる気がない

最近、咲美堂漢方薬房に来店された50代の女性（掲載許可をいただきました）の主訴は、「とにかくしんどい」でした。

2年前に大きな病気で手術をしたり、うつ病での治療経験もある方です。

「はじめまして！」と言った瞬間に、お辛いことがよく分かるほど元気がない…。

ゆっくりとお話を伺うことにしました。

木工の作品を作られているのですが、根を詰めてもの作りをするとしんどくなってしまうそうです。

つい、家でダラダラしてしまうのが自分でもイヤで、「もっと毎日きちんと生活をして、もの作りをしたいんです…」と。

集中力が足りなくて、気持ちも落ちてしまう…。

ここまで聞いて、「そうですね…。ちょっとゆっくり過ごしてもいいのかも…」と言いかけたところに衝撃のひとことが…

「4月13日が作品展で、それまでに作品を出さないといけないんです」

なんですってーーーー？！
今日は3月12日ですよ！！あと1ヶ月！！！！

「分かりました。なんとかします！作品展で笑えるようにしましょう！！」とは言ったものの、創作意欲がまったく沸かない…というお客様。

困ったぁ…。

いつ気持ちが落ちるか分からない…

お話を伺うと、突然気持ちが落ちて動けなくなるということが分かりました。

それに対して、「このままでいいんだろうか…」という不安と、「作品展に間に合わない…」という焦りでとても辛いと。

何か共通点や前兆があるわけでもなく、原因も分からなくて、「がんばりすぎ？季節のせい？過去の病気のせい？」と頭がグルグルしていたそうです。

病院の向精神薬でなんとか復活するのですが、「先生…。私一生薬がないとダメなんでしょうか？」としょんぼり…。

「このままでは自分がダメになってしまうんじゃないか…って怖いんです」

この言葉を聞いて、私はこの質問をしました。

「もしかして、突然苦しくなったり、内臓が動いていない感じってありませんか？」

胃が動かない…

「そうなんです。気分が落ちてくると食欲がなくなって、胃が止まる気がするんです。止まる感じですよ。病院で話しても相手にしてくれませんでした…」

そういうお客様に対して、私は「これは、いける！！」と思わずニヤッとしてしまったのです。

マスクをしていてよかった…。

「Ａさん、大丈夫ですよ。ちょっと漢方薬飲んでみましょうか。どうなりたいですか？元気になったＡさんは、どんな感じですか？」とお客様に聞いてみました。

もの作りをして作品展に出したい！

「体力をつけて心も元気になって、毎日晴れ晴れとした気分で過ごしたいです。ワクワクする気持ちで作品を作って、4月の作品展に出品したいです！毎年、秋に落ちるから、もっともっと元気になりたいです！」

にっこり笑いながらおっしゃった姿は、とても優しいオーラに満ちていました。

この方に心から笑顔になっていただきたい…その思いで診断をしました。

原因は、汚れた水

いろいろお話をしているうちに、原因が見えてきました。

「きっとこれだ！」というものがあったのですが、その確定診断をするために舌を見させてもらいました。

舌質淡白～紅、内風
舌苔黄膩、やや滑
舌辺紅、舌尖紅点刺
舌下静脈怒張、舌辺部瘀斑

なんのこっちゃ…という表記ですが、中医学をご存知の方でしたらお分かりですよね？

肝鬱脾虚からの生痰で、気血共にめぐっていない状況です。

水分代謝がうまくできずに、汚れた水が溜まってしまい、それが気血のめぐりを止めてしまっています。

排水管が詰まっているような感じ。

治療法則は「トル」

確かに気血も足りないのですが、補うことよりも「邪魔なものを取り除く」ことが先決です。

「実する者は、先に瀉する」
漢方薬のお師匠さまから叩き込まれたものです。

まずは2週間、汚れた水を取り除いて排泄するものと、気持ちを安定する漢方薬を1日3回服用していただきました。

お薬をお渡しするときに「おしっこがたくさん出たら拍手してくださいね！濁っていたら最高です！！」というと、キョトンとするお客様…。

汚れた水を出すときに起こる現象ですが、何も伝えていなければ不安になってしまうので、いつもお伝えしていることです。

すると「先生、出たわ～！！」と連絡があり、「おめでとうございます！！」という怪しい会話になります…（笑）

2週間で元気に！！

本日、服用15日で来店されたときに、「ん？Ａさん？？」というぐらい違うご様子。

「少し飲み辛いお薬でしたが、何か変わりましたか？」と伺うと、「先生～！もうね、ほんと元気なの～！やる気も出てね、
朝もしんどくなくてね。病院の薬を飲まなくても大丈夫だったの。
飲み始めて１週間ぐらいから、すっごい元気なの！！
作品が作れてね！！作品展に間に合いそう！！」ととっても嬉しそう。

「ほんとですか～！！めっちゃ嬉しいです～！！ありがとうございます！！」と私までテンション上がる上がる！！

「そうそう、止まっていた胃がね、動き出したの。食欲も完全ではないけど出てきてね。嬉しいわ」

これを聞いたあとに、今回のお薬の解説をしました。

「Ａさん。元気になってよかったですね。
でもね、実は今回のお薬には、元気になるものは含まれていないんですよ。
溜まっていた汚れた水を抜いて、通りをよくしただけです。
お掃除が終わったから、これから体力をつけていきましょうね。

もっともっと元気になれる気がする！

パイプのお掃除は終わったので、処方を替えて１ヶ月間様子を見ていただくことにしました。

「波はまだありますよ。
でも、そのときになんで？！とか思わずに、そんなこともあるよねぇ～と思ってくださいね。
少しずつその波が小さくなっていきますから。
まずは４月の作品展、がんばってください！！
楽しんできてくださいね！！」

そう言う私に「漢方すごいわ！ほんとすごいわ！！」と嬉しそう。

補法だと時間は掛かりますが、瀉法は早いんです。

これから安定させるまでは少し時間が掛かるかもしれませんが、Ａさんが笑顔になってくださったことが本当に嬉しいです。

今日最後の会話は…

Ａさん：「先生、私もっともっと元気になりたいねん！！」

私：「もぉ～！欲張りなんだからぁ～！！」

Ａさん、私、スタッフ：「あははははーーーー！！」

元気がないときに、元気を補うだけが正解ではないんです。

渋滞が起きているところがあれば、まずはそれを解消すること…。

これから湿度が上がってくると増える症例です。

気になる方は、ご相談くださいね。

漢方薬のカウンセリングは予約制です。
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電話でお問い合わせくださいね。

４月以降、薬膳を身近に感じていただけるイベントがたくさん！！

ぜひご参加くださいね。

◎4月26日（月）14：00～　ウェーブ産経様で講演会
ご来場（アットビジネスセンター大阪梅田/大阪市北区・西梅田）
またはZoomで参加いただけます！

◎4月29日（木祝）香川県三豊市「みとよ未来創造館」で講演会
時間：13：30～14：30　
場所：みとよ未来創造館・大ホール
演題：今日から始める暮らしの薬膳
主催：高瀬茶業組合薬膳部
参加費：無料
定員：100名様

◎気学・薬膳・食事＆ワインコラボイベント
神戸で大人気のお店「ビストロ・レクレ・神戸」様で開催
20名様満席のお申し込みをいただきました！

◎美と健康の薬膳セミナー＆ランチ
神戸ポートピアホテル様でのスペシャルランチ付きセミナー
初回6月1日（火）は、「胃腸ケアでむくみを改善する薬膳」

◎産経新聞連載「薬膳のススメ」
次回は、3月29日（月）掲載予定です。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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