13【日本2024 Day 4:11月15日(金)@浅草寺】
人を介してつながったご縁ここに極まれり
と何度も思うほどの時間を過ごしました。
ご子息のアメリカ留学先がUSC、そしてうちの息子が
USC卒と言うことで、始まったご縁。
去年は、お母様の優子さんにLAをご案内したり
お父様である浅草寺のご住職と食事したりと
リアルの交流の機会をいただきました。
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そして、「日本にいらしたら浅草寺をご案内
しますね!」の言葉が実現した今回。
代々続く浅草寺の住職の血筋の方にお寺を
ご案内していただけるのはなかなかないこと。
歴史やトリビア、最近の変更に未来の計画など
何を聞いてもワクワクと楽しく思い出深い浅草寺
訪問となりました。
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平日でも観光客や修学旅行客でごった返す中、
浅草寺に隣接する浅草神社や仲見世も含めて
そぞろ歩きながら、木の一本、像の一つ、
行事一つ、いろんな背景や現状を教えて
いただくのは格別でした。
一般的には観光客の注意を引かない
幼稚園や病院、福祉会館なども話を聞いていた
私には興味深いものでした。
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圧巻だったのは、五重塔の裏手に広がる
日本庭園をご住職自ら案内してくださったこと。
1624年から20年かけて小堀遠州により作庭された
3700坪の廻遊式庭園をまさにぐるっと回りました。
参道に溢れるほどの人がいる中、誰もいない
ひっそりとした晩秋の夕暮れの庭園。
袈裟姿で前を歩くご住職。
詩情溢れる厳かで安らかな時間でした。
3人が歩く足音がする以外は、絶え間なく響く
鳥の声しか聞こえない静寂さがありました。
石畳や薄く苔に覆われた岩や木肌、寒くなってきて
動きが鈍くなってきている鯉が到着を歓迎するように
いきなり跳ねるのも興がありました。
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実がなり出した柿の木。
無数の小さな固い蕾をつけ始めた椿。
細い竹林に柊や赤い実をつけた南天の木。
敷地の奥の奥の祠、貫首の住まい、茶室、
有史以前からの石棺・・と、古くからある
ものの説明に加え、二つの池の水をどう循環
させているかなど、新しい技術を入れた取り組み
なども伺いました。
「ここからだと五重塔の後ろにスカイツリーが
見える絶景ポイント」
を教えていただいたり、ご住職とも一緒に写真を
撮っていただいたりと貴重な機会でした。
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庭園の後は、天皇陛下と雅子様もご覧になった
浅草寺に奉納された巨大な絵馬や美術品が
集められた非公開の場所をご案内いただきました。
(お写真は載せません。)
天晴れなのはご住職のその知識量。
絵師や、絵の意味や謂れ、歴史について実によく
ご存じで、一点ずつ解説してくださるのは、
まるで日本の歴史を絵巻物のように紐解く
時間でもありました。
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なにしろ、飛鳥時代の628年に隅田川から
ご本尊(観音様)が姿を現されてから1400年の
歴史がある浅草寺。
(6月28日生まれなので「628」が嬉しい!)
源、足利、徳川家だけでなく宮家にも愛された
浅草寺の歴史は、日本の歴史と深く結びついて
いるのです。
美術館などと言うものがなかった江戸時代。
次々に時の有名な絵師たちが奉納した巨大な
絵馬などは、庶民にとっては、「美術」との
接点であり、参勤交代で江戸を訪れる各地の
大名たちにとって、どの絵師を召し抱えるか
新プロジェクトを任せるかを吟味する
アートギャラリーの側面もありました。
今、進んでいるプロジェクトの完成の暁には
一般公開されるものもあるので、その完成が
待たれます!
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一度、ご住職とはお別れし、優子さんと建物を
出た瞬間、目の前の人混みに思わず
「(お寺の敷地とは言え)俗世に戻りましたね!」
とすっかり忘れていたその賑やかさに顔を
見合わせました。
夕闇が迫りライトアップされてまた違う様相を
見始めた中、優子さんにご案内されるがままに、
また仲見世や隅田川を回った後で、浅草寺の裏手に
戻りました。
浅草寺病院との間の駐車場は、イベント会場
にもなり、歌舞伎などの興行が行われるとのこと。
歌舞伎と縁の深い浅草寺には、市川團十郎の像
まであるのに驚きました!
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その後、浅草寺福祉会館の前を通り、人気の
出て来ている奥浅草の方に移動。
「ここね・・。」
と教えてくださったのは、
「アニマル浜口トレーニングジム」。
「中でトレーニングしてる方が奥様」と
ガラス越しにトレーニングしている京子さんの
お母さんが見えました!
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夕食は、予約してくださっていたお寿司屋さん
「久いち」(ひさいち)でごちそうになりました。
自分で選べるアペタイザー以外は何がどのくらい
出てくるかがわからないまま、久兵衛から独立された
板さんのお料理とお寿司を奥の個室でゆっくりと
いただくのは、格別でした。
高い品質の素材を手間暇かけて技術とプライドを
駆使して一品ずつ作り上げられたものを箸を
動かすだけで座りながらいただけるこの贅沢さに
日本の食文化の奥深さを感じる夜。
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国内外の要人も訪れる、多くの意味で日本の最高峰の
お寺のご住職との話は、住職のスポーツマンの一面
にも飛び、
「カバディの日本代表だったんです。」
に、「インドの国技カバディ」がなんぞやから
始まり、日本では超マイナーなスポーツが
アニメ「灼熱カバディ」(裏サンデー)人気から競技人口が
増えている話、世界大会の話など伺いました。
「走るレスリング」「格闘鬼ごっこ」の印象を
持ったカバディを聖職者がするとは?と思ったら、
なんとお釈迦様もしてらしたんだとか。
3500年もの歴史を持つインドの国技カバディは
日本でもチーム数が増えていて、協会理事としても
後進の育成にも力を入れているご住職!
ぜひ、今度、練習など見せていただきたいです!
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住職ご夫妻に駅までお見送りいただき、来年の
一時帰国の日程が図らずも決まったこともあり
望んだとしてもなかなかできないありがたい
体験をさせていただいた私は体の周りの空気の
層が厚くなったような感覚のまま電車に乗り込み
ました。
いろんなものが守ってくれているような
安定感のある気持ちに自然になれたことに
得難い一日を用意してくださったことへの
感謝の気持ちでいっぱいでした。
優子さん、来年は少なくとも2回お会いで
きるのが今から楽しみです!