私がポケカを始めたのは、、
今年も、生まれて初めてやったことがいくつもあった。
たとえば一人で切符を取り旅館を予約して観光地を旅したこと、スタンドオンリーのライブハウスに行ったこと、演劇を見に行ったこと etc..
去年も思ったことだが、還暦もとうに過ぎるほど長く生きているというのに「生まれて初めて」やったことの多さよ。
上の例は「この年で初めて」なのが不思議なくらいポピュラーなものだけど、ちょうど一年前、去年のクリスマスにやったことは一昔前にはなかったようなサービスだった。
まぁそれだけいろいろな商売やら娯楽やらが溢れているということだね。
ほんの10年、いや1,2年ばかりの間にどんどん、さまざまな新しいサービスが始まっているのだもの。
そんな私が今年生まれて初めてやったことの一つがポケモンのカードゲームだ。
なぜそんなものを始めたのか。
私の子どものうち2人はもう独立して家にはいない。
長女は就職を機に、長男は結婚を機に家を出て行った。
そして最後に残った次男も来春には一人暮らしをすることを検討している。
上二人の実家すなわちわが家との関わり方は正反対だ。
すなわち長男はわが家近くの大学に用があるときなど、ことあるごとにうちに寄ってくれるが、長女は皆無なのである。
以前はアルバイト先の病院(その時によってまちまち)に近いからとうちに泊まることがあったが、コロナを境に外出自粛をタテにうちには来なくなった。
かれこれもう5年以上だ。
それを思うにつけても長女と共通の話題をもっと持っておけばよかったと後悔していた。
彼女がうちに来て話していた内容や事柄(ハマっていたことなど)をもっと真剣に聞いておいてあげればと悔やんでいた。
些細なことでも一緒に面白がったり、怒ったり、笑ったり、悲しんだりすればよかったのにと思い悩んでいた。
そんな時。
次男に夕食ができたことを言いに部屋を覗いたら、ポケモンカードを並べて腕組みをしていた。
どうしたのと尋ねると、自分と対戦相手を一人二役で練習していると言う。
将棋じゃあるまいし。
けれど一人でうんうんやっている次男が何だかかわいそうになって(いや研究室に行けば相手はいくらでもいるという話ではあるのだが)、
「おかあさんもやるから、教えてくれる?」
と持ち掛けたのだ。
それに(「かわいそう」から始まってはいたのだが)もし共通の娯楽(この場合ポケカね)があれば、これから先、家を出たあとも話のタネになると思ったり。
そういうわけで、生まれて初めてポケモンカードゲームをし、勧められるままポケポケをやっているのだ。
そんなことより「子離れしろ」って?
いや、決して干渉するわけでも、依存しているわけでも、過度に期待しているわけでもないんだけど。
ただたまには顔を見せてほしいと思っているだけなんだけどね。
それも叶わない悲しさ辛さよ(命令や強制をする私ではなのでね)。