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乳がん記録 #10 全摘+同時再建へ


全摘について

2023年5月18日。夫とともに乳腺外科と形成外科の診察へ。

まずは乳腺外科へ。
乳腺外科の先生の話は、「やはり全摘しましょう」という内容だった。
2日前は「部分切除もできなくはないけど、どちらかというと全摘をおすすめする」というニュアンスだったが、あの後、同じ乳腺外科の医師数名と相談したところ、「これは全摘が良いだろう」という意見が多かったそうだ。
これについては、事前に自分でも「部分切除より全摘だな」と決めていたので、すんなり受け入れることができた。

そして、全摘する場合に1つ確認したかったのが、「乳頭温存できるか」について。
全摘と言っても、乳頭含め全てを切除する場合と、乳頭や乳輪を残して中身だけ摘出する場合の2通りがある。
もし乳頭が温存できなかった場合、同時再建を行なったとしても、乳頭を再建する手術はしばらく経ってから行うことになる。また、乳房に出来る傷の場所なども、残せる場合と随分変わってくる。
私の場合、「乳頭付近には広がってはなさそうなので、恐らく残せる」とのことだった。
乳頭は乳腺の一部なので、残さずに切除してしまう方が局所再発の可能性は一番低くはなる。(遠隔転移の可能性は変わらない)
ただ、手術中に乳頭付近に癌が広がっていないか検査をして、少しでも広がっていれば乳頭も含めて全摘、広がっていなければ乳頭を残すという判断になるそうなので、ひとまず乳頭温存全摘を希望した。

同時再建に向けて

次はいよいよ形成外科の診察。
乳腺外科は若い男性の先生だったが、今回は外科部長で、私より少し年上かな?というくらいの女医さんだった。
もう、会った瞬間から物凄い安定感。安心感。

再建方法を決めるにあたっては、

1. 私の場合、どのような再建方法が可能かを説明
2. 私の希望をヒアリング
3. 先生が思うお薦めの方法を提案
4. 双方の意見を踏まえて決定

という順番で相談していった。

M病院の再建方法は、手術の難易度が低い順に

  1. 人工物による再建(エキスパンダー・インプラント法)

  2. 自家組織による再建(広背筋皮弁法)

  3. 自家組織による再建(遊離腹部皮弁法)

の3つ。
診察の結果、私はどの方法も可能とのことだった。

自分としては3. のお腹のお肉を使うのが第一希望だったのだが(この期に及んで、お腹の肉を減らせるという下心)、私はお腹の血管が細いため、この方法はあまりお薦めできない、とのことで諦めた。
背中のお肉の場合は血管が繋がったまま持ってくるそうなのだが、お腹のお肉の場合はお腹から肉を切り離して乳房に持ってきて、それぞれの血管を縫合するそうで。血管が細いと縫合後に血栓ができやすく、血栓ができると移植したお肉が壊死する場合があるそうだ。

第二希望は2. だったのだが、2.の場合、背中のお肉では足りない場合がある、と言われた。
先生が私の乳房と背中の肉をモミモミして診察。CTの画像などとも合わせ見たところ、私の場合はちゃんとお肉は付いてるし、身長も高いので、背中のお肉でほぼ元の大きさに戻せるとのことだった。
これまで「要らない」と思っていた背中のお肉がこんなところで役に立つとは・・・。人生何があるか本当にわからない。

手術の方法は、乳頭を温存する場合、脇の下あたりを縦に切開し、そこから乳腺や脂肪をくり抜き、できた空間に背中の脂肪と筋肉を移動してくる、というものらしく、なかなかダイナミック。
ただ、内臓を切った貼ったするわけではないので、さほど難しい手術ではないらしい。
ちなみに、この再建方法では、広背筋を切除することになるので、アスリートにはおすすめできない、とのことだった。
あと、背中にも大きめの傷が残ることにはなる。
ただ、背中の傷は徐々に目立たなくなるし、健康づくりのための運動程度であれば制限はなく、日常生活にも大きな支障はない、ということで、2. の再建方法で行くことにした。

気付けば診察が始まってから1時間以上。
乳房のサイズを細かく測り、写真も撮って、形成外科の診察はこれで終了。
最後に先生が
「直前にやっぱり止めた!となっても大丈夫ですからね」
と言ってくれたことで、
「再建するならこの先生にしてもらいたい!」という気持ちが強くなった。

最終決定

この日の最後は乳腺外科の部長による診察。
これまで決めてきたことを、一通り確認していきながら、不明点や不安な点を聞いたりして、最終的な術式を決定した。
術式は、

右乳頭温存乳房切除+センチネルリンパ節生検+広背筋皮弁による乳房再建術

となった。
長い!
センチネルリンパ節生検についてはまた次回。


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