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問題×問題=新しい価値〜恩贈り記事Vol.76
困り事は新しい発想の種
前回紹介した「東根恩贈りロード」構想。なぜこういう企画が誕生したのか、その背景を深掘りしてみます。
東根市は子育てを支援しているので移住者がたくさん来てくれます。でも住み始めてからの人間関係づくりは誰にでも時間がかかります。働きながら子育てしていたら、移住者だって地元になじんでいくのに時間がかかるでしょう。
(この私も?!福島市から以前住んでいた宮城県に引っ越した時でさえ馴染むのに時間がかかりましたしね。)
東根の子育ての制度や遊び場などの環境は整っていたとしても、実感としての子育てのしやすさはどうだろう?と考えるとまだまだ改善の余地はありそうです。
OMO-SHINEが始めた東根みんな食堂も、地域食堂や子ども食堂という意味では東根で3カ所目です。人口に対して、こういう地域ぐるみの活動はまだまだ浸透しているとはいえません。
なぜなら山形県は三世代同居率が平成2年の国勢調査以来ずっと全国一位。子育てで困ったら家族に頼る、ということができるのです。
だからこれまでは、わざわざ地域食堂を立ち上げる必要性はなかったのかもしれません。でも移住者にとって、誰かに頼る、という人間関係づくりは死活問題なのです。
実際に、宮城県から東根市に移住してきた方からこんな声を聞きました。
自分が子供を産んだばかりの頃、東根には知り合いも少なく、唯一の居場所がクリエイト(タントクルの子育て施設、あそびあランド)だったのです!
その、すごいお世話になった恩を、今度は次の世代のママに送って行こうって思って始めたのが、活動のきっかけなのですー!
このことがきっかけでこの方は、東根子育てサークルビッグマミィを立ち上げて子育て支援活動をしています。(次回の記事はこの方のイベントに参加した時のことです♪)
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こんな風に、子育て世代が地域と繋がり、安心して子育てすることは大きな恩贈りの原点なんです!
東根にわざわざ移住してきてくださったのだから、心から「東根で子育てして良かった!」と思ってもらいたい。だって私が育ててもらった大好きな東根なんだから。
もっと東根での子育てを楽しんでもらうには?「お互いさまチケット」だよね!と丹野さんと想いを温めてきました。
感じて!山形名物「ひとのよさ」
私はこれまで、仙台方面から東根に遊びに来てもらう方に、もっと東根の市民との交流を持っていただきたいと思っていました。なんせ、私が山形出身だというと、きまって「山形の人って本当にいいひとばっかりだよね」と言っていただけるのです。
そんな山形名物「ひとのよさ」を体感していただき、食べ物や遊び場だけではなく「あの人に会いたくて東根に行きたい!」と思っていただけたら最高です。
これには防災の意味合いもあります。東日本大震災で宮城県の沿岸部が津波の被害を、福島県は津波と原子力発電所の事故による被害を受けたため、山形県にはたくさんの避難者がいらっしゃいました。
命からがら逃げてきた避難者の皆さんに、地元の人からの「いじめ」があり精神的につらい思いをさせてしまったケースもあったそうです。
だから、山形の人も他県からいらっしゃる方と仲良くしたり、他県からいらっしゃる方も山形の人たちと日頃から仲良くしてほしいんです。
日頃から県を超えてともだちをつくり、友情を育み友好的な関係を築くことが「困ったときはお互いさま」という精神に結びつくはずです。
ふたつの想いを一挙に叶えるお互いさまチケット
1️⃣東根市民に東根での子育てがしやすいと体感してもらい東根市民であることを誇りに思うこと
2️⃣観光客の皆さんに東根の楽しいコンテンツと人のよさを体感してもらい友情を育むこと、そして東根市民も観光客の方と助け合う氣持ちを持ってもらうこと
このふたつを同時に叶えるために、東根市民と観光客のみなさんにお互いさまチケットを通して心の交流をしてもらおう!
どうやったらそれが実現するかな?
丹野さんと未来会議をして誕生したのが「東根恩贈りロード」構想です。
楽しいことを実現させようとしているときのエネルギーって、ものすごく大きいですよね。
お互いさまチケットの可能性
2人で夢中になってお互いさまの街づくりについて話していたら、丹野さんがお互いさまチケットに可能性を感じた理由を語ってくれました。
ひとつは「誰かのために何かしたい」と思ってるひとの思いを手軽に実現できると思ったから。
誰かのために何かしたいと思ってる人は多いんだよね。でも、そのために意外とたくさんの手間があるんだよね。
例えば、団体を立ち上げたり、ボランティアに参加したこともない人がボランティア団体に連絡をとったり、日程を調整して会場に出向いたり。
その手間に阻まれて行動を起こせない人や何をしたらいいか分からないと感じている人が多いと思ったんだよね。
だから、その場ですぐ購入して誰かの力になれるお互いさまチケットは、そういう人が行動を起こすきっかけになると思ったんだ。
ふたつめは、地域の子育てをたくさんの地域の大人の手で支えたい、支えてるひとも支えられてるひともその実感を持てるようにしたかったからなの。
行政の補助や大手企業の寄付じゃなく、地域の個人の寄付で回る仕組みに惹かれたの。
個人の寄付で支える仕組みがあるっていうことは、地域のみんなで支えている実感につながると思ったんだよね。
なるほど。人のために何かしたい气持ちを现実化できるし、市民レベルで助け助けられの感覚が持てるのがポイントなんですね!
問題✖️問題の解決策は、恩贈りロードにあった!