「お互い様の街ふくしま」が生まれたカフェ ペイフォワード記事Vol.3
幸せの0円ハンバーガー BLTカフェ
前回紹介した福島市にあるペイフォワードカフェのさきがけのもう一つはBLTカフェです。
ここではいつでも店内にペイフォワードチケットが貼り付けてあります。カフェオーナーのハグさんがアメリカのテキサスに住んでいた頃に食べていたビッグなハンバーガー。それをイメージして作られたボリューミーなハンバーガーを無料で食べることができるんです。
私もこのチケットを使ってハンバーガーを食べたことがあります。それにチケットを購入したこともあります。ハグさんは難しいことは考えず、まず体験してみて、「お互い様」なんだからと言っています。話を聞くと、目の前の高校の生徒が食べにくることもあるそう。私が自分の高校時代を思い返すと、学校の帰り道に友だちといかに安く食べながら長い時間おしゃべりするか、ということを考えていました。このBLTカフェで誰かとの見えないご縁につながることができる今の高校生がちょっと羨ましくもあります。
お互い様の街ふくしま
ハグさんのいう「お互い様の街ふくしま」にはこんな思いが込められています。「私には夢があります。この『お互い様の街ふくしま』の仕組みを導入する飲食店が、福島市近郊で100のお店を仲間にすることです。『お互い様の街ふくしま』がどんどん広がっていくことが、福島市内の幸せが拡がっていくことだと信じています。」
みんなの食糧庫
BLTカフェには「みんなの食糧庫」というものが設置されています。それは、いつでもだれでも他の人に分けてあげたい食料や品物を置いて行っていいし、いつでもだれでも持ち帰っていい、という冷蔵庫と棚です。私が行った時にはアイスやお菓子、乾麺や文房具が置いてあることもありました。
私も友人に誘われて、BLTカフェのすぐ隣にあるコンビニに行き商品を購入し、そのまま「みんなの冷蔵庫」に置かせていただいたことがあります。それまで、誰かのために物資を共有冷蔵庫に置いたことはありませんでしたので、この体験をすると自分がどう感じるか興味がありました。すると、誰かにこの食べ物を受け取ってほしいな、どんな表情でたべるのかな?と想像力が掻き立てられ、見知らぬ誰かと友だちになったような不思議な感覚になったことを覚えています。
突然の訃報と最大のペイフォワード
ところがハグさんは2021年、将来に向けてワクワクすることを語り仲間と別れた後急に倒れ、天に旅発ちました。
このニュースは福島の多くの人の心に衝撃を与えました。私もその一人です。
これから福島をお互いさまの街として定着させるうごきを拡大させていくという時だった、、、。
このハグさんの想い、メッセージを受け取り、生かしていただいているこの命を、全力で自分の役割に使おう!と決意した人は数知れないです。これはハグさんの生き様から私たちが受け取った、最大のペイフォワードです。