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6歳が氣付く「道を譲るのは恩贈り」〜恩贈り記事Vol.79

子育ては自分育て

私には2人のかわいい子どもがいます。子育てをしていると、この子にどんな人になってほしいか、ということを常にイメージすることになります。そして、自分の生き方が、子どもにできる最大の教育だと感じる場面が多々あります。

最近、「あぁ、これでよかったんだ」と思った瞬間がありました。

車さん、道路を譲れるかな?

自宅の近くに、とても混雑する交差点があります。片側一車線の細い道にも関わらず、近くに高速道路のインターチェンジがあったり、隣町に向かうバス道路であったりということもあって車通りが多いのです。

それでいて、右折専用の車道はないので、右折したい車があると、後ろがつかえてしまって下手をすると一度の青信号の間に右折車一台が通過するのがやっと、なんていうことも。

あとは、全く車が来ないタイミングを待つか、対向車線の車が右折するタイミングで自分も右折するしかありません。実は私の自宅はこの交差点を曲がった先にあります。

ある日、子どもを乗せた状態でこの交差点で右折できるタイミングを待っていると、優しいことにある車がパッシングをして道を譲ってくれました。

「なんて優しい人なんだ!私が次にあの立場になったら絶対道を譲る!」と言うと、すかさず娘が、「車の恩贈りだね。」と言いました。

え!?今なんて言った?6歳がこういうことを理解できるの?と心底驚きました。そうなんです。これは紛れもなく車の恩贈りです。

私はこの方向から右折するのが難しいことを知っているので、反対の立場ではいつも道を譲るようにしていました。そうすることしたのは、これまでに優しいドライバーさんに道を譲っていただいて感動したからです。

自分が右折待ちで止まってしまうと、後ろに長い列ができてしまって申し訳ない気持ちにもなります。でも、右折したい車を見かけると遠くからでもパッシングして道を譲ってくれるドライバーさんもいらっしゃいます。特にトラックの運転手さんはほとんどの場合譲ってくれます。

そういうことがあって、私は「このドライバーさんに良いことがありますように。」とお祈りして、次回は私も道を譲ろうと思うようになったのです。

夫曰く、「トラックの運転手は走り慣れているから、道を譲るのにも慣れているんじゃないかな?」だそう。人に優しくされる経験が多いほど、人に優しくしようとする氣持ちになって、恩贈りできる機会を探しているのかも。

日本人は車のマナーがよいと聞いたことがあります。道を譲り合って、助かったときにはパッシングでお礼を伝えます。ドライバー同士直接言葉を話すわけではないけれど、マナーで相手を思いやる、感謝を示す、その想いが連鎖する、というのは日本の誇らしい文化ですね。そして、このことをしっかりと理解している6歳児。あっぱれです!

子どもの心に恩贈りの種を


この出来事があってから、私は「恩贈りが溢れた世界を我が子に贈りたい!」と強く思うようになりました。

私が日常会話の中で「恩贈り」とか「ペイ・フォワード」とか「お互いさま」と言い続けたり、行動に移したりしているので、それがしっかりと我が子に浸透していたのでしょう。

そう思うと、どういう環境で子どもが育つかは、その後のその子の人生に大きな影響を与えるだけでなく、その子がどういう社会を描きたいか、創ろうとするか、という未来にも関わってきます。

だからこそ、「恩贈り」とか「ペイ・フォワード」とか「お互いさま」が感じられる社会の仕組み造りを私の日常生活の中で行うことで、恩贈りの種を心に埋めた子どもをたくさん育てたいです。これが私の次世代への恩贈りです。


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