ラ・フランスのお福分〜恩贈り記事Vol.71
ミダグナスが秘めたるパワー
ミグダナス?と思った方へ!のりぱぁの山形弁講座〜。
山形弁で『みだぐない』とは、『みっともない』の意味。そして、『みだぐなす』とは、『みっともないもの』のこと。どうしてこの話になったかというと、山形県では「ラ・フランス」のことをみだくなくす、と愛情を込めて呼んでいるからです。ゴツゴツしていて不恰好。色もくすんでいてパッとしない。それなのに見た目にはおよそ想像できないその甘みと食感!
本物の『みだぐなす』を是非一度ご賞味いただきたいものです。
山形の本物の味、食ってけらっしゃい!(食べてください)
私の愛する地元山形県は果物が豊富!出身地の東根市は『果樹王国ひがしね』と銘打って、全国のゆるキャラの先駆者的な?「タントくん」まで輩出した果物の名産地。
さくらんぼは親戚のさくらんぼ農家の手伝いをしてもらうもの、りんごやラ・フランスは農家さんから安く買うもの。だから山形を出るまで、果物をスーパーで買ったことがなかった私です。食後のデザートは当然のように季節の果物で育ってきた私は、大学生時代、果物を買おうとすると高いなぁ、これなら主食にお金を使いたい、と思ってなかなか手が出なかったほどです。(実家に帰って美味しい果物をたらふく食べよう、という魂胆。)
そういう実体験もあって、本当に美味しい山形県のさくらんぼやラ・フランスが、県外の皆さんにどれほど食べていただいているか実際のところ分からないのです。
『赤い宝石』と称されるさくらんぼは、その愛称の通り木の上で真っ赤になるまで待って食べるのが一番美味しいもの。ラ・フランスのようにもぎとってからしばらく寝かせて追熟させて食べるのが一番美味しいもの。果物によって食べ頃は様々。
だけれども、真っ赤になったさくらんぼは店頭に出すまでに潰れたり色がくすんだりするといけないので、真っ赤なものが店頭に並ぶことはほぼないでしょう。(ちなみに贈答用は農家から直接お相手に贈られるので真っ赤な宝石が並んでいるかのような美しさですよ!)
そしてラ・フランスはとにかく食べ頃を見極めるのが難しい。食べ頃が分からずに硬いまま食べて甘くなかった、とか、追熟させすぎて食感が良くなかった、とか、山形出身の私もやってしまいがちです。
でも!私の愛する地元山形の本物の味をお届けしたい!この想いは本物です。
高校生から届く季節の果物の定期便
私の父は工業高校の教員でした。最後に勤めていた高校は、工業と農業が学べる産業高校。手先が器用で、ものづくりや畑仕事に至るまで、手作りが得意な父は、工業科の教員にも関わらず農業科とも親しくさせていただいておりました。
そんなこともあって、父は退職してからも生徒たちが育てた果物を買わせていただいています。だから、ブドウ、リンゴ、ラ・フランスなど、季節によって様々な果物が出るたびに、「高校から果物買ってくるからどれだけほしい?」と私に連絡をくれます。
今回も父からラ・フランスを注文するからどれくらいほしい?と連絡を受けました。お互いさまチケットの関係者の方々に、山形の秋の味であり、果物の女王でもあるラ・フランスをご賞味いただきたい!と思った私は大量注文。
さて、追熟の難しいラ・フランスを最高の状態で召し上がっていただくにはどうしたものか、、、悩みました。スーパーで聞き込みをしたら、スーパーで買ったものを送ると受け取り手に届く頃に不具合があるといけないので、農家さんに注文して宅配してもらうスタイルだということ。でもそれだと結局硬めの状態で送られて、受け取り手が判断して食べることになります。
ならば、私が自分用のラ・フランスで追熟具合を確認しながら、届いたらすぐに食べられるようにしよう!と毎日ラ・フランス観察が始まりました。
高校生、農業で遠くの大人を喜ばせる
あのタイミングで贈ったものの、食べ頃で届いたかしら。と思っていると、ある日こんな素敵なメッセージが届きました。
なんということでしょう!恩贈りを世の中に伝えさせていただいている中で巡り合わせていただいた志賀内泰弘さんが、懇意にされているカフェでラ・フランスのお福分をしてくださり、さらなる幸せを繋いでくださったのです!
稚児宮CAFE
https://g.co/kgs/me3Ue2t
稚児宮CAFEのママさん、それは山形の高校生が手塩にかけたラ・フランスだからこれまでで一番美味しかったのでしょう。
さらに嬉しいことにこんなメッセージも。
と、いうことは?もしかしたらラ・フランスが運んだ幸せが、志賀内さんの新しい作品の活力になっているかも?!恩贈りのエネルギーは想像を超える創造力に繋がっています!
実は私も今農業高校で働いています。今日の授業では絶対このことを生徒に伝えよう。あなたたちが育てている農作物も、遠く離れている人をも幸せにするんだよ、と。