福島在住マレーシア人が後輩に託す想い〜恩贈り記事Vol.72
私の恩贈りの原点、マレーシアの仲間たち
私がこの恩贈り記事を書き始めた理由はVol.1で触れました。実は原点は青年海外協力隊としてのマレーシアでのボランティア体験なんです。マレーシアと恩贈り、なんの関係があるの?と思った方、是非お読みくださいね。⬇️
さて先日、青年海外協力隊としてマレーシアに派遣されたことのある方たちの団体、「マレーシア会」の東北ブロック集会が福島市で開催されました。
福島のために何かしたいマレーシア人と、福島とマレーシアが大好きな私
私が2年ほどボランティアをして生活し、日本に帰国したくなくて号泣したほど大好きなマレーシア。
そこで知り合ったあるマレーシア人が、私にこう相談してきました。
その言葉に心を動かされ、立ち上げたのがともだち・カワン・コミュニティ。これをきっかけにマレーシアと福島が繋がったのでした。
私は
好きなものを誰かに伝えたい!
好きなものと好きなものをくっつけたら何が起こるだろう?!
とワクワクする性分です。
「せっかくの機会だから、マレーシア会の皆さんに、私が大好きな福島に来てもらい、福島とマレーシアの繋がりを堪能してもらおう!」
東北にマレーシアボランティア経験者をお呼びする集会をマレーシアボランティアの大先輩と開催することになった私は、二ヶ月がかりでイベントを企画しました。
このイベントは、地元福島の方にもっとマレーシアに親しんでいただきたいという想いから、一般の方、マレーシアでのボランティア経験者、マレーシア人が仲良くなることを大切にしました。
マレーシア&福島愛に溢れた内容盛りだくさんのイベント
どんなイベントだったのか、写真たっぷりでご紹介します。午前中はマレーシア人にマレーシア料理、ナシアヤムを教わる体験会。
午後は、「マレーシアと福島の繋がりを感じよう!」をテーマに、トーク。ランチをたっぷり食べてお腹いっぱいだというのに、午後はマレーシアのおやつと紅茶を振る舞うことになっていたので、全部食べてみないと!と結局口を動かし続けていました(笑)
そして、ともだち・カワン・コミュニティ自主制作映画『From FUKUSHIMA💝』の鑑賞会では、東日本大震災後に福島人たちはどのようにして困難を乗り越えてきたかを見ていただきました。映画に出演した方々にもご来場いただき、それぞれの活動に込められた想いを語っていただきました。
福島の今を世界に発信する映画をマレーシア人と共に撮影したい!(中鉢典子(ともだち・カワン・コミュニティ代表) 2020/01/20 公開) - クラウドファンディング READYFOR
「大好きな福島でよい想い出を!」先輩からのメッセージ
夕方には「日本とマレーシアのきずな」と題したパネルディスカッション。
福島大学の留学生アミラさんが、なぜ福島県に留学したかを聞くとこんな答えが。
「東日本大震災後の福島でボランティア活動をしたかったから。」
遠く離れたマレーシア。
私の大好きなマレーシア。
そこから、こんな温かい想いをもって福島を選んでやってきてくれるマレーシア人がいたことを知り、心から感謝の念が沸き起こってきました。
そしてその後アミラさんは、「私は来年の三月に卒業して一度マレーシアに戻ります。皆さん、後輩たちをよろしくお願いします!」とメッセージを伝えました。
自分がいなくなった後のことまで想いを馳せられるのは、アミラさんの優しさ、豊かな人間性があるからなのでしょう。
「福島の方、私の後輩の面倒をみてあげてください」、という想いと、「後輩たち、福島の方と交流して残された学生生活を満喫してください」という想いとが感じられました。
アミラさんの口からこんなメッセージが出てきたのは、福島のことが好きだから、という理由もあるのでは?と想像しています。
だって、私もマレーシアで生活している間、ボランティアとしてマレーシア人のためになりたい!と思っていたのに、結局助けられてよい想いをさせてもらったからこそ、帰国後マレーシアのために何かしたい、という気持ちになっているのですから。
そう考えると、住む土地に初めは何の繋がりもなかったとしても、人とのご縁を大切にお互い手を取り助け合い生きていくことで、人の心の奥底に思いやりの精神が育っていくのだな、と実感しました。
この体験こそが、よい想い出となって、人生の次のステージを支える原動力にもなるのでしょう。人と人との心の交流は、お互いの人生を豊かにする恩贈りです。