好きこそものの上手なれ
北極探検家荻田泰永さんがホストを務める、冒険クロストークを久しぶりに視聴したのでその感想を綴る。
「沈没船博士」山舩晃太郎(やまふねこうたろう)さんがゲストの第12回。惹かれた理由はみっつ。
なんと朗らかに笑う方なんやろう~(山舩さんのプロフィール写真)
ていうか「沈没船博士」、船舶考古学、水中考古学って何者?!
名字に「舩」とつく方が船に関わる仕事をされているとな?!
…とは言え、歴史好きの血が騒いだとしか、言いようがないのかも知れないな。前回視聴した「極地への引力」とはまた違い、拾っておきたい言葉はなかったけども、めーちゃくちゃおもしろかったので。
英語に対する姿勢
「日本にいる限りは、英語必要ないと思ってたんですよね」
冒頭、大学卒業後の経歴を紹介する辺りでこう吐露する山舩さん。
マレーシアに住む今、わりかし英語どっぷりの環境にいる自分としてはなかなかに衝撃的な発言だった。でもそこから始まる怒涛の英語学習の道のりに度肝抜かれた。
渡米後2年は語学学校で英語の勉強。日常生活を送るには問題ないレベルまで達するものの、勉強したい船舶考古学、水中考古学を楽々解するレベルに達するまではその後数年を要する。そのときのたとえが秀逸で。
「アメリカ人で日本語を勉強したい人を想像してもらいたいんですけど。
2年間語学学校で勉強して日常生活は問題なくなったとして、そこから急に、東大の日本史学部に入れられたようなものですよね」
そ、それな…
そこからひたすら図書館に通い、関連する書籍をにらめっこ、講義でどういったことが話されていたかを復習する日々を過ごされた模様。
何度も、「あの頃はつらかったです」と仰っていたけども同時に、「楽しかったです」とも。
いやまぁこんな苦行、本当に好きなこと、知りたいことでなければ続けられないであろうことは想像に難くない。
船愛
ご自分で「鉄道オタクと一緒ですって説明するんですよ」と茶化す場面もあった。確かに尽きせぬ船、特にご専門であるルネッサンス期の船に対する想いが溢れてとまらない。
「まだまだこれから3時間でも語れます」とは、トークショーも終盤になってからのご発言。わかるな…好きなことって、何時間でもずーーーーーっと、話していられることどもを指すんやもんね。
全編通して感じたのは、山舩さんの船舶もしくは水中考古学愛。全く関心のない人からすれば暑苦しいかも知れなくとも、その熱意は十分汲み取れる。
自分が一体、何が好きなのか迷子の人は、数時間のみならず夜を徹してでも語れることを探してみるのも手ではないかな。