マレーシアの住まい | リンクハウスってどんな生活!?
こんにちは!NORIKO@どっぷりマレーシアです。
人間が生活するうえで必要不可欠な衣・食・住の一つ、住まい。
ここではマレーシアの住まいについて、私の経験と思いを綴っています。
引っ越しばかりの我が人生
これまでの人生を振り返ると、私は15歳で高校進学のため実家を出てから、30年弱で10回引っ越しをしている。
マレーシアに来てからは4回。呪われたコンドに住んだ事も↓
結婚してマレーシア生活が長くなることが分かり、KL市内のコンドミニアムをローンで購入し住んだこともあったのだが、子どもの進学に選んだ学校がその家からとても遠く、引っ越しせざるを得なくなり、7年住んだ後に売却。また賃貸ヤドカリ生活に戻った。
購入か、賃貸か---よく議論されるこのふたつ。私は両方経験しているが、
①今まで何度も引っ越しを繰り返す中で、私は新しい環境で新しい生活スタイルを構築していくのが嫌いではないと気づいた。そんな自分の性格にも合ってる。
②まだ子供が今後、どこの学校に進学し、どこに生活拠点を置くのかがはっきりしていない今の我が家の状況にもあっている。
という点から、身軽な賃貸が断然良いと感じている。
そして4年前から、初めての賃貸リンクハウス住まいをしている。
リンクハウスとは?
リンクハウスとは、長屋形式の住宅で、マレーシアには多く存在する。一般的に10戸以上が連なっている2階建ての家屋で、両隣りの家と壁がくっついている。イギリス統治下に広まったヨーロッパの住宅様式なのだそう。
壁一枚向こうは隣の家だが、隣の声は全く聞こえない。大学の時住んでいた安アパートでは、隣の人の目覚まし時計の音まで聞こえたのに。リンクハウスの壁はよっぽど頑丈に作られているのであろうか。
また、マレーシアは常夏の国。日の当たる場所を少なくするという人々の知恵によりこのようなリンクハウスができたと聞いたことがあるが本当だろうか。確かに、外に面しているのが表と裏だけだから涼しい気がする。日本では日当たりの良い部屋が人気だが、暑いのが大嫌いなマレーシア人には、日当たりの悪い家の方が好まれるようだ。
リンクハウスのメリットとデメリット
コンドミニアムとリンクハウス、両方住んでみて感じた、リンクハウスのメリットとデメリットをご紹介!
メリット①:買い物したあとが楽!!
コンド住まいの時は、地下の駐車場に車を停めて、エレベーターに乗り家まで重い荷物を運ぶ必要があった。車の中で子供が寝てしまった日には、一人ひとり抱っこし、駐車場と家を数回往復…なんてことも。
その点リンクハウスは庭に車を停められる。重い荷物もすぐ家の中へ。
メリット②:とにかく広いのが良い! 庭もあるのでプチ菜園をしたり、洗車も庭でできる。また、2階があることで家族とほど良い距離を保てる。一人になりたい時、空気を変えたいときは2階に行けば良い。コンドのときはそうはいかなかったな。
メリット③:何より良かったのは子供達が自分たちだけで外に出て、近所の子どもたちと遊べる環境があること。夕方涼しくなってくると、近所の子たちが誰が号令をかけたわけでもなく出てきて一緒に遊ぶという、日本の田舎で見るような光景が見られる。娘たちはそのおかげで3言語(英語・中国語・マレー語)、中でもそれまで話す機会の一番少なかったマレー語が、近所のマレー系の子供たちのおかげでぐんと伸びた。これが今の家に引っ越して一番良かった点だ。
ここからはリンクハウスのデメリットを紹介。
デメリット①: コンドミニアムのように共有施設がないので、子供を遊ばせるプールや遊具がないのはちょっと残念。でもうちの子は近所の子たちと自転車に乗ったり、ローラースケートしたり、お店屋さんごっこ、学校ごっこ、鬼ごっこ等して遊んでいる。子供は何でも遊びに変えてしまう天才だ。
デメリット②:クモ、ヤモリ、アリ、ゴキブリが外から入りたい放題!キッチンに蛇が入ってきたことも!アリに関しては、どれだけ駆除しても、どこからともなく入ってきて、我が家をただの通路にしてまた外に出て行く。駆除してもキリが無いので、同居していると思うことにしている。虫が苦手な人には、リンクハウスは向いていないかもしれない。
デメリット③:場所によってはセキュリティが緩かったりするが、我が家は今まで4年間住んでいて、空き巣に入られたり、不審者が出たりなどの怖い思いをしたことは無い(近所にはうちよりももっと大きな豪邸があり、空き巣があえて我が家を狙うことは無いと思う)。
ハウスエリアの入り口には、24時間警備員がいて、アクセスカードをかざさないと開かないバーがある。外からの訪問者は、警備員にどこの家に行くか伝えないとバーを開けてもらえない。でもうちの警備員は結構適当で、誰でもほいほいバーを開けている気がするが…
その点コンドミニアムのセキュリティはかなりしっかりしている。万が一不審者がガードハウスをすり抜け敷地内に入ってきても、居住者用のアクセスカードが無いとロビーに入れなかったり、エレベーターのボタンが押せないようになっていたりする。それに比べるとリンクハウスのセキュリティはゆるゆるである。
間取り、家賃、光熱費は?
間取りは 日本でいう、4LDKというのだろうか。
一階にリビングダイニング、キッチンとメイド部屋。そしてトイレシャワーが1つ。 2階に3つの部屋と2つのトイレシャワー。大体190平米。4人で住むには十分すぎる広さである。築20年以上経っていて決して「オシャレ」とか「素敵」とか言えないが、昔ながらの造りが結構気に入っている。
気になる家賃は、Partly Furnished (エアコン・照明器具・キッチンキャビネット以外の家具は全部自前)で、なんと驚きのRM1500(約5万円)! 東京で一人暮らしをしていた時よりも断然安い!
もちろん郊外だからこそのこの安さなのだが、車で5分以内の場所に子供の学校、総合病院、スーパー、コンビニ、小さいけれどモール、沢山の飲食店が揃っていて、生活は全く困らない。 むしろ自然が多く残る今のエリアの方が、空気も良くて子供にも良い環境だと思っている。高速を使えば、1時間以内でツインタワーのあるKL市内に行くこともできる。
ツインタワービューに憧れて、KLの一等地で物件探しをする方もいるけれど、 空気の悪い中で、日々渋滞に悩まされながら生活をすることは私には考えられない(負け惜しみのように聞こえますが…笑)。
マレーシアの光熱費は、水道代とガス代は月数百円で済む。一番高いのは電気代。リンクハウスに住んでからの電気代は、家が広い分、コンドミニアムに住んでいた時に比べやはり少し高くなった。と言っても平均してRM250(約8000円)くらい。日本に比べたら断然安い。ちなみに電気代が一番かかるのはエアコン。マレーシアでは年中エアコンを使っているので電気代の推移は年間ほぼ一緒。
まとめ
総合的に見て、私の中ではリンクハウスが断然メリットがあると感じる。でもそれは、近所にどんな人が住んでいるかにもよるのだろう。幸い私たちは近隣の方にも恵まれ、とっても居心地が良いので、これからもまだここに住み続ける予定だ。
コンドミニアムの時は近所の人との交流は本当に少なかったが、リンクハウスに住んでからは当たり前のように近所の人との交流がある。また、一連のリンクハウス同士が狭い道路を挟んで向かい合っている造りの為、それぞれの家族の人間模様は手に取るように分かる。ある日、お向かいさんに知らない男性が出入りしていて、誰だ?と思っていたら、そこの奥さんが再婚していた。なんてこともあった(そういった話は大体我が子たちが、近所の子供から情報を入手してくる)。我が家もきっといろいろ観察されていて、食卓での話題に上がっていることもあるのだろう。
先日は、裏手に住む奥さんから手作りムーンケーキの差し入れを頂いた。お互い裏のお勝手口から顔を出し、垣根越しに会話をしていたのだが「まるで伊佐坂先生の奥さんとフネ状態だな」と感じて、クスッと笑ってしまった。
夫婦喧嘩の声も、叱られて泣く子供の声も、お祈りの声も聞こえてきたりする。私はそんなマレーシアの現地の人たちと交じり合って過ごす今の暮らしが大好きだ。私のようにどっぷりマレーシアの生活を楽しみたい人には、リンクハウスをおすすめしたい。