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マレーシアでとんでもない中古車を買っちゃった話

こんにちは!NORIKO @どっぷりマレーシアです。

私たちのマレーシア生活に欠かせない車。昨年、とんでもない中古車を買ってしまい、1年くらい振り回されました。恥を晒すような大変お恥ずかしい話なのですが、マレーシア在住の皆さま・移住を検討されている皆さまが、私たちのようなトラブルに巻き込まれてほしくないと思い、恥を覚悟で綴りたいと思います。


とんでもない中古車を買った経緯

10年ほど前に新車で買った車(プロドゥア社のアルザ)が10万キロ近くになったため「そろそろ新しい車を買いたいよね」と夫婦でいろいろ調べ出したのは、2年前のこと。

マレーシアでは中古車がたくさん売られているが、過去にどんな人が使い、どんなサービスをしていたかがわからないし、もちろん新車が一番安心。それが在住日本人の中でも常識である。車を探し始めた時、最初は夫も私もそう思い、スバル、マツダ、ホンダ、プロドゥア、プロトン、電気自動車等、いろんな車種の新車を試乗をしに行った。だが、とにかく欲しい車、好きな車、長く乗りたいと思う車が見つからない。

夫婦であれやこれやと話すうち「スバルのフォレスターの一つ前の型がいいよね」って話でようやく意見が一致。一つ前の型はもう販売終了していたので、その型が欲しいなら中古車しかなかった。そうして中古車サイトを見るように。

我が家はこれまで一度も日本車を購入したことがなく「庶民の味方・プロドゥア車」ばかり乗ってきた。(プロドゥアは、マレーシアが誇る自動車メーカー。日本のダイハツと提携している。)
そう、私たち夫婦には日本車に乗りたい!という一種の憧れのようなものがあったのも確かだった。

庶民の味方・プロドゥア車たち

そこである日、私たちを待っていたかのようなネット広告が目に飛び込んできた。中古車販売会社ではなく個人が出していた広告。そのため、中古車ディーラーから買うよりもはるかに安い値段で掲載されていたのだ!

その時も決して安いだけで決めようとは思っていなかった。メーター改ざんとか、事故車を隠してるとかよく聞くし、こんな素人が個人契約をしたって絶対騙されるだろう、と警戒心はちゃんとあった。でも破格だし欲しい!と思い、車に詳しいローカルの知人を連れて、車体のチェックと試運転をしに行った。

しかし、彼も私達もその時の数分間では不具合に気づかなかったのだ。むしろ購入を決めたその帰り道「いい買い物したね〜」と夫とスタバで乾杯したくらいだった!あー、今でもあのときに戻りたいと思う。どーしてそんな怪しい車買ったのよ。サービスの履歴も全く残ってないのに。前のオーナー、やんちゃな兄ちゃんだったのに。

こちらがその車。事故の後、車体全体の塗装を新しくしており、外見は新車のようにキレイだった。

乗り始めてすぐに異変が


購入し乗り始めてすぐにエンジン周りでガタガタと異音がし始め、すぐに修理。その3ヶ月後にまた同じ音がし始め再度修理…その他にも購入時にチェックしきれなかった問題が次々と起き、修理費はいつしかRM10,000(約33万円)近くに。安く買っても修理費がかさめば全く意味がなかった。そして何より、 またいつあの音が起きるんだろう!?と、ハラハラしながら子供を乗せての毎日の運転はストレスでしかなかった。

事故車だからなのか、一か所直せば別の一か所にゆがみが出る。という症状も。

売却しようと思ったが…

そんなこんなで半年も乗らずに売却をしようということになり、複数の中古車販売会社に買取りを依頼。ところが、ナンバープレートから事故履歴があることが判明!そして、前のオーナーが保険を80%以上使い車を修理しているため、中古車販売会社では買い取りができないと言われてしまう。そのような車は全損車と言って、買取業者が販売すると訴えられてしまうそうなのだ。

そして、事故車でも受け付けてくれるという闇?の買取業者に何人も来てもらい、査定をしてもらった。そういった業者はみんなガラが悪い。タバコふかしながらやってきて「もちろん事故車だから高くは無いよ」との前置きをして査定を始める。
そんな彼らから追い打ちをかけるように告げられたことがもう一つ。なんと、洪水にもあったことがあると!!普段開けないような場所を開け、あるラインから下だけくっきりと錆びている部分をたくさん見せられて、唖然。毎回「なんでこんな車買ったの~?!」と嘲笑される事も辛かった。

これが洪水の証拠と見せられたサビの部分。車は一度水没すると電気系がやられてしまって修理のしようがないそう。実際電気系の故障が多く、ライトがつかない、エンジンがかからない、ミラーが自動で折り畳めない等色々不具合があった。

前のオーナーに完全にやられたのだ。騙されたのだ。と思う一方で、もしかしたら買取業者が安く買い取りたいから色々いちゃもんつけてるだけかもしれない…とも思えた。
長い間事故車というお荷物を抱え、日々ドキドキしながら運転し、売りたいのに売れず、業者には笑われ…メンタルもやられかけていた私は、完全に何が正しいかわからなくなってしまった。

結末は意外な展開に

「事故車でも買い取る」と言って見に来た業者でさえ「買い取れない」と言う始末。買い取ると言ってくれた会社が一つだけあったのだが、提示してきた金額は購入額の1/4。購入後修理にかけた費用も入れると1/5ほど。事故車とはいえ、とても納得がいかなかった。

しばらく悶々とする日々。ここまであたってこの結果なのだから、1/5でも買い取ってくれるだけありがたいのではないか。と妥協する気持ちもあったが、どうも諦めがつかない。

そのうちふと、前のオーナーと同様、個人で売買してみたらどうなのだろう?と思いつく。意を決し、ダメ元でFacebook のマーケットプレイスに出す事にした。もちろん前のオーナーの様に人を騙すような事はしたくないし、購入した人にも私たちのように辛い思いをしてほしくないと思い、全ての不具合を正直に話した上で売ろうと決めた。
マーケットプレイスに出ている同じ年数のフォレスターより断然安い価格を提示し、その理由として今までの経緯を正直に全て記載した広告を出し、その日は眠りについた。

朝起きて、携帯の電源を入れるとなんと100件以上の問い合わせメッセージが!!そしてその日のうちに5人の人が見に来ることになり取り合いの状態に!

そしてなんと、数分違いで一番最初に来た人が値段交渉もせずに速攻買ってくれることになったのだ!もちろん買取業者に言われたことも全て話したが、その方は今乗ってる車がすでに30万キロを超えていで、私たちのフォレスターの走行距離はとても少ないし(メーター改ざんされてた可能性もあるが…それも伝えました)、不具合が出たらその都度直していけばいいし、何より安いから、是非購入したいとの話だった。
それはそれは、今までの苦労は何だったのかと呆れてしまうほどあっさりと売却できたのだった。

今回のことで分かったこと

今回のことで、 マレーシアは全損車、水没車が普通に走っている可能性が大!ということがよくわかった!そして中古車の値段なんてあってないようなもの!

燃え尽きた車が道端に数日放置されている。
これも良く見る光景であるが、どんなメンテをしたらこうなるのだろうか。

ここまで読んでくださった方の中で、マレーシアで中古車を買おうと思われた方はいらっしゃらないと思いますが(笑)、私たちの様にどうしてもこのモデルがいい!といった理由で中古車を検討される場合、個人からの購入はリスクが高すぎるので、いくら安くてもお勧めできません。
中古車ディーラーからであれば、購入から5日以内であれば返品可能とうたっているところもあるため、購入前後でナンバーから事故履歴を調べることをお勧めします(自動車保険会社は調べられるようです)。そして、サービスの履歴が残っていることと、定期的にメンテナンスを行ってきた車であるかどうかは、要チェックポイントだと思います。
また言うまでもありませんが、長期で使う予定であれば断然新車をおすすめしたいです。

その後私たちが買ったのは…

無事売却できたものの、100万円ほど損してしまった私たち(高すぎる勉強代です)に、憧れの日本車を買える予算はなく、やっぱりまた「庶民の味方・プロドゥア車」の新車を購入。今は毎日快適に運転しています。

2週間待ちと言われていたのに2ヶ月かかり…
新車ゲットまでにも紆余曲折あった

命を乗せる車は絶対にケチってはいけない買い物だと今回身にしみて感じました。そして、日本車への憧れは今回の一件で完全になくなりました!!もう今後我が家はずっとプロドゥアの新車を買い続けることでしょう。当たり前の事ですが、何より大事なのは格好やブランドではなく、日々安心して乗れる車に乗ることです!!皆さま、今日も安全運転で!


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