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ショートショート 変態仮装行列

私の名は、江渡貝弥作。
来る日に向けて勤しんでいる。

来る日とは、そう10月31日だ。
その日は、人間達がそれぞれ思い思いの仮装をして、街を練り歩くらしい。人呼んで、『ハロウィン🎃』などというようだが、私もそれに参加せむとす。

なぜか?

人は誰しも"憧れのもの"、"なりたいもの"を持っている。"なりたいもの"になれたとき、そこから見える景色はなんなのか?憧れの人はどんな世界を見ているのか?わかるかもしれない。
しかし、それを日常的に表現していると、社会から孤立するようだ。

人々は、抑圧された欲望を、10月31日のハロウィン🎃で解放しているのではないだろうか?
それは、まさに、『変態仮装行列』だ。

私も参加しないわけにはいかない。
私を認め、入れ墨人皮作りを依頼していただいた、鶴見中尉殿が大好きだ♡
私も鶴見中尉殿の見ている世界を見てみたい。

しかし、何度も創りかけたが、やはり、肌の質感は本物でないと再現できない。
今夜、材料を集めに行くわ…。


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