「地方の本当の魅力」を届けるための歩み
Tabisakiは、インバウンド旅行者向けに日本各地の観光情報を発信するメディアとして誕生しました。SNSやウェブを通じて、日本の多彩な魅力をより広く、より深く伝えることを目指したこのプロジェクト。
しかし、運営を進める中で、私たちは一つの問いに向き合うことになりました。「地方の本当の魅力を、どうしたらもっと多くの人に届けられるだろう?」
観光地の魅力発信のカギは「SNS」
地方の魅力をより効果的に発信する方法を探る中で、私たちは、SNSが観光情報の発信において大きな鍵を握っていることを改めて認識しました。SNSは今や旅行先の情報収集ツールとして日常に浸透し、写真や動画を通じて、無数の発信者が各地の多彩な魅力を自由に表現しています。友人の体験や写真を見て旅行先を選ぶ人も多く、SNS上での発信がもたらす影響は計り知れないものがありました。
Tabisakiは、このSNSの影響力を活用する可能性に着目し、より深く理解するために、SNS上の膨大なデータとインフルエンサーの影響力についてのリサーチを進めることにしました。人気の観光地とそうでない場所の違いは何か、またどのようなビジュアルやストーリーが人々の心を動かしているのか、そういったSNSの構造と発信者の力を分析することで、Tabisakiが目指すべき方向性が次第に明確になっていったのです。
インフルエンサーとプロの写真の力
私たちがSNSのデータを分析する中で、気になる発見がありました。観光地がオーバーツーリズムに陥るほど人気を集める背景には、プロのカメラマンによる高品質なビジュアルが数多く投稿されている点がありました。素人が撮影した写真とプロの写真では、人々に与える印象が大きく異なり、プロの視点で切り取られた美しい瞬間がその地の魅力を強く伝えていることが明らかだったのです。
また、よく知られた観光地にはプロの写真が溢れている現実にも気づきました。「プロのカメラマンが魅力を引き出しているから有名になったのか?それとも、有名な観光地だからプロが集まるのか?」──これは表裏一体の関係にあるのではないかと思いました。
「写真を起点としたプラットフォーム」へ
こうして生まれたのが、Tabisakiを「写真を起点としたプラットフォーム」として再構築するビジョンです。2024年10月、Tabisakiはインバウンド観光メディアの枠を超え、プロのカメラマンによる視覚的な魅力発信を基軸に、新たな形態としてスタートしました。美しい一瞬を収めるプロの写真家の力を借りながら、まだ知られていない地方の風景や文化を世界に届けることで、日本の地方が持つ本当の価値を引き出し、共有していく。
Tabisakiはこの変遷を通じて、ただ観光地を紹介するだけでなく、そこに息づく日常や隠れた魅力を浮かび上がらせ、地域を深く知りたい人々との新しい絆を育むことを目指しています。