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おりがみ10周年を迎えて『みんながいたから「わたし」になれた』

2024年8月23日、おりがみは10周年を迎えました。
昨日、10周年を記念したアニバーサリーイベントを開催しました。

合計200名近くの方々にお越しいただき、お世話になった方々や大好きな仲間に囲まれて、これまでの歩みを振り返ることができました。

開会のあいさつで壇上に立った瞬間、ご来場いただいた方ひとりひとりの顔を見て、伝えたいことが溢れてしまい、それをどう言葉にすれば良いかわからなくなって、これまでにないくらい緊張してしまいました。

会場に来てくれた方ひとりひとりに、おりがみへの想いがあって、その気持ちに応えられるだろうかという不安が沸き起こりました。
それでも、一緒に登壇した仲間に支えられ、いつもの自分を取り戻し、無事にイベントを終えることができました。
「おりがみのおかげで今の私がある」、「私も壇上に立っていた先輩のようになりたい」、「おりがみともっといろんなことをやってみたくなった」といった多くの声を参加者からいただきました。

こうした言葉を聞いて、安堵の気持ちとともに、新たな希望が沸いてきました。10年でここまでこれた。では、次の10年はどこまで行けるんだろう。
そんな子供のようなわくわくした気持ちで胸がいっぱいになりました。

この場を借りて、イベントの最後に行ったスピーチの原稿を公開します。

参加された方々と、この思い出を共有するため。
会場に来れなかった方々に対しても、感謝の気持ちを伝えるため。
これからお世話になる方々に、おりがみの歩みをお伝えするため。
そして何より、これからもずっと、今のこの気持ちを忘れずにいるために。
もしよろしければお読みください。

改めまして、10年間、おりがみを支えてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。
おりがみに「関わってよかった」と思っていただけるように、これからもたくさんの夢を育て、この仲間たちと一緒に、日本一のNPOを目指します。
そして、日本のボランティア文化を変え、誰もが社会との関わりの中で自己実現できる世界を実現します。
この目標に向かって精進してまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


本日は大変お忙しいところ、おりがみ10周年記念アニバーサリーイベントにお越しいただき、本当にありがとうございました。
本日私は対談の司会に徹していましたが、最後に日頃よりお世話になってきた皆様へ私の口から感謝の気持ちを伝えたく、10年間の感謝の気持ちを込めてプレゼンテーションをさせてください。

おりがみを立ち上げて10年が経ちました。
今では代表という立場も板についてきましたが、
実はおりがみを立ち上げるまで、
僕はリーダーをやったことが
ほとんどありませんでした。

本当はこんな場に立つような人間では
なかったんです。
みんな、一人ひとりの輝きが眩しすぎて、
昔はよく、おりがみという団体に
巻き込んでしまった罪悪感に、
押しつぶされそうになる日もありました。

唯一のリーダー経験として、
小学校6年生の時に、
飼育委員長になったことがあります。
休み時間の飼育小屋の開放と、
動物の名前をつける選挙を提案し実施するなど、
振り返ると今の自分の片鱗が見え隠れしますが、
あくまでも自分1人で取り組んだものでした。

この独りよがりな性格はたぶん、
大学進学をするまで変わっておらず、
正しいことは言っているし、
夢があってワクワクするけど、
一緒に活動してるとしんどくなる。
そんな人間だったと思います。
今でも改善しきれていなくて、
そんな自分の人間性と向き合い続ける日々です。

大学入学後、僕は相変わらず、
夢を求めて学生団体おりがみを立ち上げました。

設立当初の目標は、
オリンピック・パラリンピックで、
何か企画をすることでした。
大学生活で一旗あげてやろう。
空気の読めない、
エネルギーの塊みたいな存在だった僕は、
社会の中での活躍の場を求めて、
団体を立ち上げて
活動を始めることにしました。

すると案の定、
最初は集まってくれたメンバーも、
徐々に気持ちが離れていって、
ひとりぼっちになったこともありました。
「もう辞めてしまおうかな」
そう思うことも、
一度や二度ではありませんでした。

それでも前に進めた理由。
それは、いつだって
応援してくれる人がいたからです。
少し離れた距離からでも、
こんな僕に可能性を感じて、
支えてくれる人がいたからです。

転機は大学3年生のとき。
初めての新歓をして、
新入生が4人入りました。

今度こそは、仲間を大切にしたい。
僕は目の前のひとりひとりと向き合うことに、
全精力を注ぎました。

「守りたいメンバーがいる」
この人についていって良かったと
思われる人でありたい。
僕のギアが、切り替わった一年でした。

それからも、たくさん失敗して、
たくさん傷つけたり、
傷つけられたりしました。

それでも、この仲間たちを、
「オリンピック・パラリンピックでの最高の思い出」というハッピーエンドに必ず連れて行く。
これが僕の原動力でした。

しかし、2020年はパンデミックに見舞われ、
準備してきたプロジェクトの
ほとんど全てを失いました。

この時、僕が何を一番恐れていたかというと、
おりがみとしてオリンピックで
やりたいことができなくなるとかじゃなくて、
たぶん、一緒に走ってきた仲間や
支えてくれたみなさんに
計り知れない喪失感を
共有してしまうことでした。

「なんてことに巻き込んでしまったんだ」
罪悪感で押しつぶされそうだった。
これが一番辛かった。

「だからこそ、何かを絶対に残す」
これを本気で考え抜きました。

パンデミックの間は、
信じられないくらい読書をしました。
実は読書はそんなに得意ではなく、
大学院進学まではまともに読み切った本なんて
ほとんどなかったんですが、
入門書や専門書を読み込みました。

世界のこと。日本のこと。
社会問題や流行のテーマまで、
自分の力をつけるために、
今までの経験を照らし合わせながら、
徹底的に学びました。

それから、仲間とたくさん電話をしました。
オリンピック直前で
話せなかった本音や、悩み事。
今の気持ち。将来のこと。
夜通し、何度も話しました。

そうしてたどり着いた、
なぜおりがみを続けているのか。
どこに向かいたいかの答え。

僕たちのオリンピック・パラリンピックに
向けた活動は、実はボランティアという
立場からの活動であったこと。

しかし、ボランティアという言葉は、
日本ではあまりにも狭く捉えられていた。
これが、僕たちの活動の
「やりにくさ」の原因のひとつだったこと。

この常識を変えていければ、
素敵な社会に変えていけるかもしれない。
誰だって望めば、ドラマみたいな人生を送れる。
仕事や家庭とは別に、
ピュアな気持ちを大切にしながら、
自分と社会の交わるところで、
オリジナルな人生を形作っていく場をつくる。

そのために、
日本のボランティアを
もっと面白くしていきたい。

コロナがなければ、おりがみは
解散していたかもしれません。
それくらい、団体にとっても僕にとっても、
大きな転機になりました。

おりがみは生まれ変わっても、
団体の温かさや、
夢に動き動かされる組織文化を継承し、
たくさんのプロジェクトを
生み出し続けました。

杉本、山岸と代表のバトンを引き継ぎ、
それぞれの代のカラーはあり、
組織として日々進化しつつも、
この組織文化は残り続けると思います。

本日発表した取り組みは、
おりがみの活動のごく一部ですが、
ひとつひとつに、ひとりひとりの
想いが込められています。

現役の学生に伝えたいこと。
みんなのおかげで、
おりがみは素敵なメンバーが集まり続ける、
日本一の学生団体になりました。
本当にありがとうございます。
おりがみには、みんなのバイタリティを
最大限受け止める文化があります。
やってみたいことや、
人に笑われてしまうような夢も、
思い切り友達に語り、仲間を大切にし、
これからも一緒に頑張っていきましょう。
僕も陰ながら、全力で伴走します。

これまでご支援いただいた皆様。
NPO法人の経営者として、
まだまだ未熟な面もたくさんありながら、
一生懸命頑張っています。
もしよろしければぜひ、
今後の活動に対しても、
寄付やプロボノ、メッセージといった
それぞれのお立場から、
ご支援をいただけますと大変嬉しく思います。

OBGのみんな。
大学生活の貴重な青春の日々を
おりがみで共にしてくれて、
本当にありがとう。
みんなのおかげで、
ここまで走ってくることができました。
もしよかったら、これからもこのご縁を一緒に、
大切に育てていけると嬉しいです。

NPO法人で、今でも一緒に頑張ってくれてるみんな。
相変わらず大変なこともたくさんあるけど、
「関わってよかった」と
心から思ってもらえるよう、
僕の持つすべての力をかけて頑張ります。
これからもよろしくお願いします。

この会場に来てくださった
すべての皆様が、いまの僕の原動力です。
おりがみに「関わってよかった」と
思ってもらえるように、

これからもたくさんの夢を育て、
この仲間たちと一緒に、
日本一のNPOになる。
ボランティアの文化を変えていく。
この目標に向かって、精一杯頑張ります。

まだ何者でもなかった自分。
活躍の場を求めて
無我夢中に走り続けた僕が、
こんな素敵な答えに出会えたのは、
みなさんのおかげです。
今日お話しした物語は、
僕だけのものではなくて、
きっと少なからず、
みなさんの人生と
重なるところもあったと思います。

みんながいたから、
わたしは「わたし」になれました。

この会場のみなさんにも、
きっとそんな誰かがいるはずです。
その誰かを大切に。
できることならば、おりがみが、
その大切な場であることを願って、
プレゼンテーションを終わりにします。

今までの10年間、
本当にありがとうございました。
これからの10年も、
どうぞよろしくお願いいたします。

2024年9月29日
NPO法人おりがみ 理事長
学生団体おりがみ 初代代表
都築則彦

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