じむ つづき7
大学院入試の1次試験が終わったその日にタイへ飛んだ。
1次の結果は現地から国際電話で聞いて、2次までの3週間くらい?を向こうで過ごした。たしか。よく覚えてない。
受かってからいったんだっけ?入試がいつだったかも覚えてないよ。
(2020年のNR: タイに行く前に北海道で会ってるのに2005年の私は忘れてるらしい。ま、いいや)
プーケット空港が、国際空港のはずなのに恐ろしく小さかった。
ついてすぐ何ともいえないハーブとスパイスの香りが満ちている。夜8時くらいに着いたのね。
まじ怖かった。なにがって、空港内に入っちゃいけない客引きのタクシードライバーとかホテルのスタッフが、ガラス張りの空港入り口の、ガラス面にびっしり張り付いてる。皆さん日に焼けて真っ黒。暗闇のなか怖いって~。
狭い空港ロビーを見回してもジムいない。
シーズンオフ(7月初め)で飛行機もガラガラだったし、私だけポツーン。どうしてもあの出口からでれない。こわいって!
でもでたんだね、とりあえず。30分待ってもこないから、とりあえずどっかホテル探さなきゃと思って。夜がこれ以上深まったらまずいと思ったんだ。
こえーよーーー!と歩いていたら、
後ろから二の腕をつかまれた。
この時点で悲鳴。
その上、ぐあっと抱き上げられた。
パニックですわ。
もちろんジムなんだけど(笑)
間あいだ1年以上開いてんのに全くかわっていない。
悩んで泣いて、苦しんだ私がまるで馬鹿みたい。
18歳~21歳の1年は長いですよ、先生。
プーケット島の下の方。プーケットタウンからトゥクトゥク(バイクタクシー)で20分くらい。
藁葺きでできた下が土間の大きなお家を借りた。
オーストラリアではホリデイインに泊まってたのに、この成長。
歩いてすぐ近くに、小さな商店と定食屋と村営のプールがあった。
ジムはプーケットの沖にある島にあるリゾートホテルでマネージャーをしていて、自分の部屋が建物内にあった。
3日泊まり込みで仕事で、一日オフ。
その一日オフのときに私が借りてたお家に来た。
ジムが仕事の時は一人で観光してた。
自分の娘には絶対させられない。
町で白タク拾ってプーケット島一周したり、朝市や夜市にいった。ボディーボードもやりにいったし、スキューバもやりにいったけど、たいていは近くのプールに行って、町をぶらぶらして、うちの前のポーチに座ってジムがかえってくるのを待っていた。
どこがサバイバルかっていうと、日本語も英語も通じない。
タイのひとは「できない」っていえない国民性らしい。
「English OK?」ってきくとみんなOKいいやがる。
全く分かんないくせに。
困ってるとたいてい通りすがりの車とかひととかがどんどん集まってきて、私を助けるためにとんでもない人だかりができる。そうするとたいていの場合米軍人と結婚した女性(いっぱいいた!)がきて、英語で通訳してくれた。通じたとわかると、みんなやれやれよかったね、と笑顔でちっていく。
「サンキュー!サンキューえぶりわん!」と大声で叫ぶと、たいていみんな笑ってくれた。そのうち顔見知りのドライバーができて、町で見かけると待っていてくれて、かえろうと思うとすっと寄ってきてくれた。帰り道、屋台で焼き飯や焼きそばのテイクアウトをかうのに、君が買うとぼったくられるから、僕が買ってきてあげる!と、身振り手振りでいって、買ってきてくれる子もいた。彼らの写真もあるよ。
その後バンコクにも行ったけど、まるで違う国だよ。
日本の農村のいいところだけ凝縮したみたいだった。
もちろん長く住めば色んなとこが見えてくるんだろうけど。
ジムはすっかりタイ語ペラペラだった。
行きつけの食堂のおばちゃんとか、神業的マッサージのおばちゃんとかと、ふつうにペラペラ30分くらい長話してた。
従業員の皆さんにも人気者だった。
私がいる間にホテル対抗のサッカーの試合があって、それに参加したんだけど、ものすうごい声援うけてた。ああ、この子達ジムが好きなんだな、っていう女の子の集団もいた。
セブンイレブン(さすがですわよ、この会社。ちゃんとあった。)で売っている牛乳さえもスパイスの香りがするこの国で、何の違和感なくとけ込んで、いつも通り幸せそうだった。
いろーんなところにつれいていってもらった。
これ書くときりがない。断腸の思いで省略。
たくさんの食材が使われたご飯が10円とか20円で山盛り食べられて、旬のフルーツが10円でゴミ袋半分くらい買えてしまう。とても豊かで貧しい国。ジムのタイ人の友人が平均年収が4000円だっていってた。
日本ではごちそうになったからって、足下に波が打ち寄せる(っていうか本当に波の中)高級レストランにも行った。
ものすごく細かいところまで私とのエピソードを覚えていてびっくりした。
ねぇ… 一緒にインドに行こう?
またいくの!?
そうだよ(笑)今度はしばらくかえらないと思う。
悩んださ~~
だって、なんかほとんどプロポーズ。
今まで一度も決断を迫らなかったひとが、高級レストランであらたまっている。
なやんださ~。
その後何してたのか覚えてないくらい悩んだ。
つづく
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