じぇい プロローグ
ジェイ・アメリカ出身・27歳に声をかけられたのは、ヨハンがさった1ヶ月後ぐらい。
ヨハンと出会ったジムで、わたしは主にエアロビクスをやってたんだけど、軽くボディービルしてたから筋トレも結構してたのね。
エアロビクスってね、先生の人気商売なんです。
先生の魅力で常連の生徒さんがつく。
一人すっごく好きな先生がいてね、その先生のクラスは絶対でてた。自然とそこに参加してる人たち(ほとんどが年配のおじさんおばさん。)と仲良しになって、いつもキャーキャー楽しくエアロ&筋トレ。ほんとたのしかったの!飲み会もちろんお揃いのT シャツなんかつくってさ。
筋トレも気を入れてやっている人たちで顔ぶれが決まってくるんだけど、こちらは皆ナルだから群れない。静かにもくもくと。。
だからわたし気をつけないと筋トレ組に嫌われる(うるさいから)と思って、何となく距離を置いていたの。
その筋トレ組にね、背が高くって、絵に描いたようなすばらしいプロポーションの黒人さんがいた。絵の具のように真っ黒で、短髪にしてて、いつもモノトーンの筋肉を意識したトレーニングウェア。誰とも話しているのみた事ないし、いつも怒ってる感じ。眉間にしわが寄ってて。なんかこわくてさー。
ゲイかもなーって思ってた。女嫌いっぽいルックスだったんだもん。弁護士やってるっていっても納得できる感じのきりっとした人。とにかくできるだけ近寄らないようにしてた。
ある日、わたしは大好きな先生のエアロビクラスに遅刻しそうで、駅からの道をいそいでいた。
向こうから、ラスタカラーの帽子を顔の半分まで目深にかぶって、細身のジーンズにポンチョを着た黒人が自転車を押しながらやってきた。
自転車に乗って群れてる黒人さん達。 ちょっと怖い感じの。
わたしこの手の人にモテモテだったんですよ、前は。
ちょうど歩道の車止めのところで、道を譲り合わないと通れない。目をあわせないように(これ重要)通り過ぎようとしたときに、
今いくところ?
無視。こういう人と会話するときりがない。
俺もメンバーなんだ。
ここでちょっとヘーッと思ってしまう。
わたしは学生会員だったけど、正規会員の月会費1万4千円だよ。
ちゃんとした仕事してるんじゃん。思いっきり見た目で差別している。
あっそう。わたしいそいでんの。
がつっと腕をつかまれる。
げ。やっぱりね。
やめて。
あ、ごめん。(でも手ははなしてくれない)
名前だけ教えて。
教えたら話してくれる?いそいでんの。
OK。
なぜか教える気になって、NRだけ教えて、エアロビクラスに走っていった。いつもは完全無視なんだけどね。。
エアロビを満喫してその日は帰宅。
大学の授業がないある週日の朝。
会費が高いのでメンバーはほとんどが会社員。
週日の午前中はがらがらさ。
さー筋トレしようっと。
あ、いつもの黒人さんがいる。邪魔しないようにしなくっちゃ。
ウォームアップを終えてさーてと、何からやろうかな♪
ジムスペースへ。
そしたら奥の鏡(良くキン肉マンがポーズをつけてるところね。)の方からまっすぐ黒人さんがわたしんとこ来る。
こええー!!!
本気で怖かったっす。
わたしなんかした?なんかした?たーすけてー!!
心臓ばくばく!
一言真顔で。
「きょうははやいね、NR。」
あまりの驚愕で口開けて目を見開く馬鹿面でフリーズ。
まだ分かんないわたし。
「ななななーんでわわわわわたしのなななまえしってんのぉぉおおおお!!」
本当にそうやっていった。英語だけど。
こないだあそこであったでしょ?
???!!!!
うっそぉ!
あれ(ゆびさし)あなた(ゆびさし)??
うなずく。
いっつもクールで怖そうな彼がにっこり。
つづく
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