統計検定準1級2024年最新問題 Part4


問題: 確率変数Xの確率母関数G(s)が以下で表される時、期待値を求めよ。

$$
G(s)=E(s^x)=0.5+0.32s+0.18s^2
$$

考察:

現実社会でも確率の分布がある程度既知であるものについては分布の数式を使用することで確率母関数を用いることができる。ただし、そのような事象を扱うことは稀なため使用範囲は限定的だろう。しかも確率母関数は離散確率変数を想定しているためさらに使用できる範囲は狭まる。実務で特に使用することがなさそうだが、微積や期待値・分散の理解度があればここは解けるべきだろう。

解法:

$${E(s^x) = \sum s^kP(X=k)}$$であることを利用し、

$$
G'(s) = E(s^x)の微分 = \frac {d} {dk} \sum_{k=1}^{k={\infty}} s^kP(X=k) = \sum_{k=1}^{k={\infty}} ks^{k-1}P(X=k)
$$

s=1を代入すると、

$$
G'(1) = \sum_{k=1}^{k={\infty}} kP(X=k) 
$$

これはE(X)の定義そのものなので、$${G'(1) = E(X)}$$が成立する。

よって

$$
E(X) = G'(1) = 0.32 + 0.36 = 0.68
$$


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