オイリュトミーのピアニストさん
メロディ、リズム、拍。
音、音と音の間のインターバル、和音。
強弱記号、楽譜に書かれた表現のためのアーティキュレーション。
休符や小節線にいたるまで。
音楽オイリュトミーは、あらゆる要素を体に取り込み、空間化します。
大げさにいうと、
体が地球と同体だとして、地球が音から作られたとして。
いったん、音の要素や音楽感情をバラバラにして、
音楽で体を構築し直す、という作業をやっている感があります。
音楽に合わせて踊ってはいないので、じゃあ実際に、体の演者とピアノの演奏者はどういう関係になるのかというと、いつも不思議な気分になります。
ただの伴奏ではなく、あくまでも音楽作品の演奏をされているのだけど、ピアニストさんは、体の演者の呼吸や動きにも耳をすませています。
今回の『大鴉』発表会では、島岡多恵子さんが、音楽作品を一手に引き受けてくださっています。
島岡さんは、ピアノ講師としても、さまざまな舞台でのダンサーとのコラボや演奏でも活躍されています。
昨日の合わせ稽古、強風の吹く中を来ていただいて、公民館のアップライトピアノにも関わらず、沁みるような音を出してくださっていました。
今朝、その音源を聴いていたら、音がまるで建築物のように広がっていって、ああ、すごいなあと。
すべての部品を集めたって家は立たず、どれだけ精密機器を揃えても、車も飛行機も動きません。
設計図という知性が要るのはもちろんだけど、それら全体をとりまとめる何か、その仕上がりや届け先に思いを向ける何かが、音楽にも体にも家にも車にも、命の息吹を吹き込むのかなと思います。
オイリュトミーのピアニストさんとは、楽譜という会話を通じて、そういう全体をとりまとめる何かを、共に作っていってるように感じています。
島岡さん、いつもありがとうございます。
わたしが今回取り組んでいるセザール・フランクのプレリュード、予定では、1/28(土)、2/26(日)、もしかしたら3/18(土)の発表会でも、音楽作品として参加します。