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恋をするシステムになっている世界の中で

「世界は恋をするシステムになっている」


私が好きな小説家「村田沙耶香さん」の著書「地球星人」の中に、こんな一文が載っていたことをついこの間、ふと思い出してしまうような出来事があった。

学校帰りのバスの中で、中学時代に好きだった元クラスメイトの男子と偶然再会したのである。

テニス部の部長をやっていて、とても明るくて、話しかけやすいタイプで、クラスどころか学年中の人気者だった。

彼とは高校が別なので、姿を見たのはとても久しぶりだった。だから、思わず勢いで話しかけてしまった。

「すっごく久しぶりだね」

と。

やがてバスが発信して、私は彼とお互いの学校のことや他の中学時代の同級生のようすなど、色々なことを話した。

高校ではうつむいてばかりの私が男子と授業のこと以外で雑談っぽいことをするのはめったにない。

そのため、彼と話している時間はとても楽しかったが、内心(うまく話せてるかな)と不安でいっぱいだった。でも、ときめいて、ドキドキしていた。


私がバスを先に降りて歩き、自分の部屋についてもまだドキドキは少し残っていた。

気持ちが中々落ち着かなくて、見慣れたいつもの部屋を見渡すと、

壁に飾っているポスターの中の「手塚くん」と目が合った。

私はその手塚くんを見てふと思った。

(三次元の男性にドキドキしたの、久しぶりかも)


やっぱり、本当に世界は恋をするシステムになっているのかもしれない。

高校が嫌で仕方なくて、毎日逃げたいと思いながら両親からのプレッシャーを背負って通学して、二次元の王子様だけを心の拠り所にしていたつもりだったのに、ひょんなことで現実の、この世界の人間にもう一度惹かれてしまった。

いくらなんでもちょろすぎる。

いくら王子様がかっこよくても、この世界に生きるお前がこのシステムからは逃げられることなんてないんだと言われているみたいで、自分自身に対して悔しい気持ちがこみ上げてくる。


こんな調子で、将来ちゃんとした恋愛をして、それで結婚したり子供を産んだりが出来るようになるんだろうか。

もしこのまま相手が出来なかったら、両親に悲しい顔をさせてしまうのだろうか。

彼氏持ちや、片思い中の友達の話を聞くたびにそのことが頭をよぎって不安におし潰されそうになる。


でも、そんなのは生き続けてみないと分からないことなんだよね。

三連休がもう終わってしまったことと、明日から学校が始まるって事実に吐きそうだけど、今日はそろそろ寝ようと思います。

では。





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