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仕切り直し企画!第五話「結局のところ、立地が鍵かな?」(不動産ライターの、のりべぇ第46回)

大変ご無沙汰しております!なにせ年度末に近いもので…(言い訳)

 毎回申し訳ございません。改めまして、不動産ライターの、のりべぇでございます。早速ですが、仕切り直し企画!一戸建ての選び方ということで、今回はその第5回。まあ、なんとなくお察しがついている方もいらっしゃるかと思いますが…、というお話です。

やはり結局は立地?

 一戸建てだけでなく、マンションはもっとですが、結局のところ、不動産選びで重要な鍵となるのは立地です。住みにくい場所をあえて選ぶ人なんていませんよね?そこが生まれ故郷だとか、先祖代々守ってきている土地だとかいう事情のある方もいらっしゃるとは思いますが、新たに購入したいという方であれば、立地は不動産選びにおいて優先順位の上位に来ることでしょう。

ただ、一言で立地と言っても…。

 立地というと、つい陥りやすいのが、高い利便性。確かに、鉄道駅に近いだとか、大型商業施設に近いだとか、あるいは古い/新しい街だからなど、立地と一口に言っても、好みは様々。ただ、それゆえに重要であるとも言えます。

マンションはともかく、一戸建て(土地を含む)選びと立地の関係は…

 マンションであれば、用途地域などの関係で、主に駅周辺エリアに建設されることが多く、また、駅から(比較的)近いという理由でマンションを選ぶという方もいらっしゃるかと思います。実際、高い交通利便性や、商業施設に近いというのがマンションを選ぶメリットとも言えます(例外もありますけどね)。
 一方、一戸建てはどうかと申しますと、主に首都圏の話ではありますが、用途地域の関係で駅近隣エリアは一般的な住宅が建てられない、あるいは建てられても賑やかすぎて住みにくいなど、必ずしも駅に近いことがメリットとなるわけではありません。それが立地と一口に言っても…と前置きした理由です。

圧倒的に一戸建ての「好立地」といえば「閑静な住宅街」。

 これも賛否両論あるのを承知の上で書かせていただくのですが、閑静な住宅街という、不動産広告において使い古した言葉ではありますが、これ、結構重要です。生活する上で安眠妨害ほどストレスが蓄積し、ひいては健康被害が発生しかねません。そのため、静かな街並みが広がる住宅街=閑静な住宅街というのは、決して不動産広告の常套句というだけでなく、ストレスフリーな生活を目指すための、一つの鍵ともいえます。

子育てファミリーが陥ってしまう「教育施設至近」という罠。

 近年、これが問題になってるんですよ。子ども達は本来、仲良くワイワイと外で遊ぶことも大切な生活の一部であり、案外と教育上も大切なことだったりします。しかし、そうした子ども達の声を「騒音」と認識する大人が増えています。限定的な人たちを敵に回したくないのですが、お年寄りが子ども達の声をそう認識するのだそうです。そのため、校庭で子ども達が遊ぶ姿に「うるさい、近所迷惑だ」などとクレームを入れるのだとか。それだけならまだしも、ご近所に保育園や幼稚園を建設するという話が出ますと、真っ先に反対運動を展開するのもこうした世代だとか。世知辛い世の中と、一言で括るのは簡単ですが、決して無視できない現実でもあります。
 一方、子育てど真ん中家族の場合、教育施設が近くにあるというのは大きなメリットです。毎日の送り迎え、あるいは通学。そして運動会をはじめとしてイベントの際、近くに教育施設がありますと、とても便利です。当然、子育てファミリーが主な購買層である不動産広告において、教育施設が近い物件というのはアドバンテージが高かった、はずなんですけどね。
 ですが、子ども達は時間の経過とともに成長します。いつまでも近所の学校に行くわけではありませんから、いつしか教育施設至近というメリットは、無用の長物の如く扱われてしまいます。中には子ども達の歓声を聞くと元気が出る、なんて方もいらっしゃるかと思いますが、案外と教育移設とは適度な距離を保つという方が、長く住みたい場合はいいのかも知れません。

商業施設が近いのも嬉しいけど、これにも罠が…。

 スーパーが近くにありますと、以前は「冷蔵庫感覚」なんて奇妙なワードが見られることもありました。スーパーを冷蔵庫に見立てているセールスワードなのですが、確かに便利ですよ、スーパーが近くにあると。ですが、これまた罠が潜んでいます。
 例えば、大規模ショッピングモールの場合。週末ともなれば買い物客が乗る車で渋滞。なぜかゴミのポイ捨てが増え、住み心地が悪くなってしまったという、トホホなケース。あるいは、スーパーの裏手と自宅が近接していて、夏になると生鮮品などの”ファンキーなニオイ”に悩まされたりするケース。さらにはコンビニが隣にできたのはいいけど、24時間煌々と照明がつけられているので、家の中でも眩しく、おまけに深夜でも車の行き来がうるさい、なんて安眠妨害になるケース。
 やはりスーパー・コンビニエンスストアもできれば、適度な距離というのがよろしいようで…。

新しい街か?熟成された街か?あるいは旧市街か?

 近年は大規模分譲地の開発もかなり減りましたので、あまり聞かれることがなくなりましたよね。「ニュータウン」っていう言葉。今では「多摩ニュー」こと、多摩ニュータウンですら、ニューっていう割には、誕生からすでに半世紀以上経過しています。
 そんな話はともかく、大小さまざまな分譲地が今でも開発され、分譲されているのは事実。ですから、新しい街に住みたい、という方もまだ購入のチャンスはあります。新しい街というのは概ね、近い世代の家族が移り住んでくることが多いですから、ご近所関係もフレッシュな感じ。ママ友もできやすく、住みやすいと思う方も少なくありません。
 一方、前述の多摩ニュータウンをはじめ、当時の住宅都市整備機構、現在のUR都市機構が開発した大規模住宅街は、数十年が経過した場所もあり、どちらかといえば、熟成された街といえます。さまざまな世代の人たちが同じ街に共存しますが、新しい街に比べ、フレッシュな雰囲気には乏しいものの、”日本経済を牽引した大規模開発”ならではの「住環境・生活利便双方の開発」が整えられていることも多く、高い利便性は決して無視できません。
 さらに旧市街は、大袈裟にいえば、熟成云々を通り越した街になるかも知れませんが、再開発が決定・進行する場合、さらなる熟成を経て新しい街へと変貌を遂げることもあります。風情ある古き良き建物とともに、新たな息吹を感じられる街というのも捨て難い魅力があります。老舗に混じり、新たな店舗もできれば、生活環境はグッとよくなります。

最後はもちろん「価格」ではあるのですが…。

 いくら「好立地」と言ったって、価格が周囲と比べて割高では、さすがに購入意欲もダウンしかねませんよね。最後は「価格との兼ね合い」ではあるのですが、そういう意味では、熟成された街というのは、場所にもよりますが、空き家が増えはじめていることもあってか、建物を解体し、更地にして売るケース、あるいは中古一戸建てとして販売されることもあります。旧市街も同様に、元々は商店だった場所を解体し、更地で販売、ということも増えています(ただし、間口が狭く、奥行きが長い土地形状のケースが少なくありません)。これも場所によりますが、案外と割安だったりすることもありますので、そうした場所を狙うというのも手です。ただ、新築一戸建てというよりは、中古一戸建ての購入、あるいは土地+注文住宅という組み合わせなどになるため、できれば一戸建てを購入し、早めに転居したいという方には向かないのが難点かも知れません。

結論。何事も適度なところにあるのがベター、という無難な結論。

 理想は「教育施設・生活利便施設がいずれも10分以内。そして駅徒歩15分までのエリア」だったりします。これらが共通するのはいずれも「無理のない徒歩圏」という点。徒歩圏を”一定の定義”で言えば、徒歩20分以内です。ただ、これは上限値。仕事帰り、駅から自宅まで15分歩けるかといわれれば、必ずしもイエスとは言えませんが、バス便利用でないと最寄駅に行けないのはこれまた難儀です。いざとなれば自転車で駅まで、という手段を考えても、駅までは徒歩15分以内というのはベターだと考えても良いのでは?
 また、教育施設・生活利便施設も同様に、徒歩圏であることがポイント。ただ、低学年の小学生と大人では歩くスピードが異なります。そのため、不動産広告の定義である、徒歩1分は80mという数値から離れねばなりません。それを考慮すれば、大人で言うところの徒歩10分以内であれば、小さなお子さんでも通学が苦にならないのでは?と考えます。同じように、生活利便施設、スーパーやコンビニも徒歩10分以内であれば、自転車を使わずにちょっとした買い物も行きやすい距離となります。
 こうした条件が整うエリアは決して多くはないかも知れません。しかしながら、理想的な住環境を求めていらっしゃる場合には、一つの指標になるかと思います。

老後の不安?ネットショッピングとドローンで、いいんじゃな〜い?

 少々おふざけが過ぎた見出しですが、これは主に、50代以下の世代の方になるかも知れません。将来的にはおそらく、宅配をはじめ、日常のお買い物も基本的にはネットショッピングと、ドローンによる配達となる時代が来るかと思います(もちろん、実店舗がなくなる可能性は極めて低いとも考えていますが…)。
 最近、大手スーパーの撤退や合併・買収など、せっかく近所にあるスーパーが、ある日突然閉店してしまった…。なんて話はすでに現実のものとなっています。「あそこにスーパーがあるから、年をとっても買い物には困らないと思ってたのに…」なんてがっかりすることは、他人事ではなくなりました。
 とはいえ、すでに現在でもネットショッピングは一般的であり、配達こそ人の手によるものではありますが、ドローンをはじめとする無人配達による社会実験・実証実験を展開中で、近い将来、それが当たり前の世の中になることは間違い無いでしょう。となれば、生活利便施設が近くにあるという条件も、案外緩和できるかも?そうなれば、もう少し家選びの際の「選択の幅」は広がりそうですね。まだ可能性レベルの話ではありますが、将来を見据えた発想も必要かも知れません。

次回予告

 今回は、家選びにおける立地を主なテーマとしましたが、主に住宅街に絞ってお話しさせていただきました。まあ、案外無難なテーマでしたよね。
 となれば、次回は少々ぶっ飛んだテーマを盛り込んでしまおうかな〜?ということで、次回は同じく「一戸建て選び」アンド「立地」のお話ではあるんですが、ぶっ飛んだ内容でお送りできればと考えております。もしかしたら「良い子は真似しないように」レベルのお話になるかも知れませんが、話のネタ程度にお楽しみいただければと存じます。

 次回もお楽しみに!

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