不動産ライターの、のりべぇ。第22回です。
ぶち抜き企画第2弾、進行中です!
「甘口系!一戸建て(販売物件)の選び方」第2回。
昨日から始まりました。ぶち抜き企画第2弾!今日から具体的な物件選びの話になります(笑)。前回も大切な話をしたつもりなんですけどね(笑)。
今日は「立地」のお話です。
一戸建て住宅の購入を検討される場合、当然いろんな要素があるわけですが、その中でも立地は、速い話が土地の価格であり、場所によっては建物価格と同じか、それ以上になることも。購入時の価格や生活利便性に大きく影響する要素ですから、十分検討する必要のある要素です。今回は特に、首都圏郊外を一例にお話ししたいと思います。
新しい「ニュータウン」、古い「ニュータウン」?どういう意味?
もしあなたが、一戸建て住宅を購入しようと決意されたら、その選択肢の中に入ってくるであろうキーワードがこの「ニュータウン」。そもそも、ニュータウンって何?ってなると思うんですが、国土交通省の定義ですと、「過密化対策として郊外に建設された新しい市街地」だそうな。確かに、現在はUR(都市再生機構)の前身である日本住宅公団が設立されたのが1955(昭和30)年。翌年から千里山団地(大阪府吹田市)を皮切りに、集合住宅の建設、そして宅地造成が進められました。実は戦前から、鉄道会社が路線を延ばす際、同時に宅地開発を行なって土地を分譲したり建物を建てて売ったというケース(いわゆる沿線開発)もあるんですが、いわゆるニュータウン、という概念でいけば、日本住宅公団の大規模開発がニュータウンの始まり、といっても、まぁ間違いではないかと思います。
そうしたニュータウンの開発も、すでに半世紀以上が経過。そうしますと、ニュータウンと言われているのに、年季の入った場所もどんどん増えています。一方で、同じURが開発した場所なのに、最近になって(っていっても、もう10年前とかの話だけど)ようやく販売を始めた、「新しいニュータウン」なんて場所もあったりと、もはやカオス(爆)。
ですが、草加松原団地(注)や多摩ニュータウンに代表されるように、古いニュータウンが生まれ変わっているケースもあります。具体的には、従来立ち並んでいた集合住宅を解体し、新たにURが集合住宅を建てたり、民間のマンションデベロッパーがマンション建設を行う、または宅地として整備し、一戸建て住宅を建てる、というものです。
この流れは今後、UR系ニュータウンに限定されず、前述のような鉄道会社系開発分譲地なんかも影響を受けるかと思います。そのため、今回はこの話を取り上げました。
(注:草加松原団地は建て替え事業が進行中。かつての集合住宅を、改めて建て替えたところはコンフォール松原として提供されていますが、一部の敷地は民間に払い下げ、マンションや宅地として再開発が進められています)
そうしますと、一戸建て購入を検討されている方でも、新しいニュータウン(千葉ニュータウンの一部エリアなど)に加え、昭和に開発され、最近になって再開発がされた古いニュータウンも選択肢に加わる可能性があるのはお分かりいただけたかと思います。
新築であっても、「まっさらな土地」とは限らないということです。
最近は特に、大型分譲地と呼ばれる、50区画を超えるようなプロジェクトは少なくなりました。早い話が、な〜んにもない場所をガリガリやって作った、まっさらな土地が減ってきたともいえます(もちろん、宅地して使える場所という意味での土地ね)。さらに、鉄道の新路線もほぼありませんので(例外として、2019年開業の相鉄・JR直通線のような、短いようでビッグな新路線もあるけどね)、概ね日本国内、とりわけ首都圏ならびに関西圏の大規模開発(それも、超大規模ね)も「長いお休み」に入ったという感じでしょう。
となると、空き地、あるいは従来家があった場所を解体した更地に、新たに一戸建て住宅を建て、販売・あるいは分譲、というケースが、今後は従来以上に増えていくと思います。
これらのことからわかるのは?
従来のように、「一戸建てを買うなら、新たに造成された土地に立ち並ぶ住宅街の立地」とは限らないということです。むしろ、両隣の家が築ウン10年という立地だったり、元集合住宅、あるいは元商業施設なんてこともあり得ます。多様性は「一戸建て住宅の立地」にも広がっています。
もちろん、「古い」はデメリットではありません!
むしろ、商業施設や医療機関などのインフラが近隣に整っているケースが多いですから、決して「古いニュータウン」はデメリットではありません。新しい住民による、新しいコミュニティではありませんが、熟成された住環境というのも、また住み心地がいいものです。住み慣れた場所という方であれば、土地勘を活かせますしね。このように、立地一つとってもいろんな話があるんですよ、実は。全部書こうとしたら何話になるんだろ(笑)。
というわけで、今日はこの辺で。明日もお楽しみに!
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