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不動産ライターの、のりべぇ。第31回です。
今日は「おうちとニオイ」のお話を。
おうちのニオイ、じゃないんですよ。
毎回、ゆる〜く不動産関係のお話を書かせていただいております、不動産ライターののりべぇでございます。最近、きちんとご挨拶もせずに本題に入ったりしておりますので、今日はちゃんとご挨拶させていただきました。
さて、今日は不動産の話かい?と首を傾げられそうなネタですが、意外と気になりません?人様のお家に入った時とか、何日か留守にした後に戻って来て、玄関を開けた瞬間の自宅のニオイ。そんな、おうちとニオイのお話を、最近加齢臭がキツくなっていないかとヒヤヒヤしているのりべぇがお送りします。
良くも悪くも「喫茶店のニオイ」だった我が家。
実はかつて、父が都内某所で喫茶店を営んでいたから、というわけでもないのでしょうが、同級生が私の家を訪れますと、真っ先に「タバコとコーヒー豆の匂い」を指摘しました。つまり、喫茶店のニオイに近いようでして、喫茶店、カフェ好きの方には心地いいのかもしれませんが、嫌煙家の方や子どもにはお好きなニオイではないかもしれません。もちろん、家ならではの生活臭も混じりますから、必ずしも心地いいものとは言えなかったと思います。
一方、私が同級生の家を訪ねますと、快適に感じた家というのがあまりなく、その家独特のニオイがあまり好きではありませんでした。自慢できるほどではありませんが、私は嗅覚は鋭い方だと思います。
あれは「おうちのニオイ」ではありません(ちょっと断定的すぎ)。
言い換えれば「そのおうちで生活している人と人が発しているニオイ」。だから「おうちのニオイ」というと少々語弊があります。その証拠に、建築当初の室内というのは、建材や接着剤、塗料等の匂いがするから。最近では化学物質に敏感な方などの関係で、ホルムアルデヒドなどの化学物質を使用しない家づくりが主流ですから、前述のような匂いすらしないケースも多くなっていますが、それでも新築特有のニオイがします。
しかし、ご入居されて1年もすれば、結構「その家独特のニオイ」に置き換えられてまいりますので、実に不思議な話です。それだけ、人から発しているニオイはもとより、家具や衣類などにも染み付いているのかもしれません。
人によっては「建材などの匂いと生活臭が混じっている」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、多くは前述のイメージに近いと思っていただければ概ね合っていると思います。
必殺!「ニョイ棒」ならぬ「ニオイ棒」(笑)。
ニョイ棒(如意棒)といえば、中国の伝奇小説「最遊記」に出てくる道具。正しくは如意金箍棒(にょいきんこぼう)だそうです。まあ、これは小説のお話ですが、現代にはニョイ棒ならぬ「ニオイ棒」なる道具があるんですよ。すみません。つまらない話で。ちなみに、こんなやつです。
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どうでもいい話ですが、とある広告代理店さんが「ニオイ棒」って呼んでたので拝借しましたが、アロマディフューザーにアロマスティックを挿したもの。リードディフューザーだとかいろんな名称があるようなので、ここでは強引に「ニオイ棒」で押し通します(笑)。
前置きが長くなりましたが、こうした芳香剤を使うケースが増えているように思います。モデルハウス(つまり一戸建てね)の場合は販売する住戸の場合が多く、あえて匂いがつかないように置かないのですが、モデルルーム(つまりマンションね)の場合は置かれていることが多いです。
フレグランス(アロマ)選びは慎重に。
私がとりわけ匂いに敏感だからなのかは定かではありませんが、この「ニオイ棒」の件では、某不動産媒体ライター時代に、いくつかエピソードがありますのでご紹介します。
リッツカールトンホテルなど、高級ホテルの館内で使用され、「香りのおもてなし」なんてもてはやされるようになったのも一因でしょうが、モデルルームですとほぼ置かれています(棟内モデルの場合は販売物件なので、置かれていないことの方が多いです)。
一番多いニオイ…じゃなくて香りはローズ、つまりバラの香り。まあ、上品な香りの筆頭でもありますしね。シトラス系もありますし、ムスク系なんてのもありました。
ですがこの「ニオイ棒」、一歩間違えると香りの独走がはじまり、それが暴走を生み、時に香りの渋滞を招く危険があります。
まず、あまりステキじゃない香りがある点。申し訳ないのですが、残念な香りの商品があるんですよ。私も雑貨店で見かけると、サンプルの香りを試すことがあるんですが、やっぱりお安い商品は「それなり」。価格に比例するとまでは申しませんが、やはり価格相応、だったりします。
次は香りの統一が図られていない点。気になる方であれば、同じモデルルームなのに、リビングと寝室で異なるフレグランスが香っているのに気づくと思います。これが私のいう「香りの渋滞」。これまでで一番感じた「香りの渋滞」は、リビングと寝室とトイレで違うフレグランスを使い、しかもそれぞれが強いため、取材中に鼻がおかしくなりそうになりました。
これらのことを参考にしますと、マンションであれ、一戸建てであれ、できれば香りは同じものか同じ系統のものにする(一戸建てであれば1階と2階は変えても大丈夫かもしれませんが)。そして香りの選択に自信がない場合は、最初は優しめの香り(シトラスとか石けんのような香り)を選ぶ。もちろん選ぶ際は実際に香りを確かめるなど、楽しみながらでも結構ですが、香りの暴走や渋滞だけはないようにお使いいただければと思います。
散々文句垂れといて、古い家の匂いが好きなのりべぇ。
まあ、香りの好みなんてのは、ほとんど幼児体験が影響していたりします。実際「喫茶店の子ども」だった私は、タバコとコーヒー豆の匂いが混じったような香りが大好きですし、子どもの頃、「木枠の窓」が使われていた、親戚の古い家に、夏休みにお世話になったこともあってか、あの木枠の窓の香り(特に雨に濡れた後のそれ)には懐かしさを感じます。
古い家、建物には年を重ねた独特の匂いを感じます。これを不快と感じる方も当然いらっしゃると思いますし、私のように、匂いに敏感とかなんとか言っておきながら、ある種強い匂いの家が好きだと思い方もいらっしゃるでしょう。
住まいの楽しさって、こうした些細なことからも感じられると思うと、奥深いものを感じずにはいられません。ちなみに皆様のお住まいのニオイはいかがですか?
次回もお楽しみに!