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不動産ライターの、のりべぇ。第24回です。
途切れ途切れながら、ぶち抜き企画第2弾、進行中です!
またもすみません!7日ほどお休みをいただきました…
2連続ですみません!7日お休みをいただきました。個人事業主にとって、毎年恒例の「アレ」などの関係で、書く時間が…。サーセン!
予告通り、今回から「一戸建ての選び方、建物編」をお送りします。
販売物件の購入に関し、最も大切なのは「ご予算」。そして「立地」。その立地についても、必ずしも利便性だけではないというお話もさせていただきました。
そして今回からは「建物編」と称しまして、構造から設備などについてお話ししようと思います。
「木造か、鉄骨造か。それが問題だ。いや、それは問題なのか?」
結論から申し上げますと「どちらでもいいじゃないか」ということです。ん?それでおしまい?いいえ。もちろんこの一言で終わらせる気はありませんので、ご安心を(笑)。
一戸建てを欲しい、と希望される方のお話を伺うと、3番目くらいに挙がるのが構造、といいますか、木造か、鉄骨造か、どちらがいいのかというお話です(ちなみに、一般的に1番目は予算、2番目は場所ね)。
厳密に言えば、強度の点は鉄骨の方が強いと言えます。しかし、じゃあ木造が弱いから危ないのかと言えば、もちろんそんなことはありません。とりわけ、1981年6月に施工された、建築基準法の新耐震基準をもとにしていれば、木造であっても、震度6強から7の地震でも倒壊しないという基準が設けられましたし、木造住宅に限っては、2000年にも改正され、さらに地震に強い住宅づくりの基準が設けられました。こうした法改正により、木造の一戸建て住宅も安全なものになっています。また、鉄骨造だからといっても、骨格材の厚さ(肉厚)によっても強度が変わってきます。軽量鉄骨であれば概ね6mm以下の鋼板が使われています。最近では一戸建てでも6mm以上の鋼板を使用した重量鉄骨の住宅もありますが、そうしますと、次の問題が発生します。
建物だって、やっぱり「お財布と相談」です。
おとぎ話「三匹の子豚」では、主人公の子豚は藁・木の枝・レンガでそれぞれ家を建てますが、オオカミが吹きかけた息によって、藁・木の枝の家は壊されてしまいます。しかし、レンガの家だけは壊されることなく、逆にオオカミはひどい目に遭わされてしまい、森に逃げ帰ってしまいます(注)。周到な準備、頑丈であることが大切だという教訓のような話の展開ですが、所詮はおとぎ話の世界。ここには「コスト」という問題は描かれません。アメリカで”古き良き時代”の生活を、現代でも頑なに踏襲しているアーミッシュであれば、いまだに住宅建築は住民たち総出で行われているようですが、現代社会を生きる我々はそういうわけには参りません。
一般的に、木造より鉄骨造の方がコストがかかります(高コストな木造もありますので、誤解なきよう)。やはりここでも、お財布との相談が入ってしまいます。どうしても鉄骨造!と思われるなら、床面積をコンパクトにするなどの対策が必要となります。
(注)「三匹の子豚」はいわゆる民間伝承によるおとぎ話。初期のストーリーは少々残酷な話も含まれるため、近年よく見かけるものを掲載しております。
結局「お手入れ」次第で全然変わってくるんですよ(耐用年数の話)
時々、木造と鉄骨造の「耐用年数」の違いを比較の対象とされる方がいらっしゃいます。ただし、この場合の耐用年数というのはあくまでも、「法定耐用年数」と呼ばれるもので、その出所は国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」。に基づきます。参考までにまとめておきますと、
木造・合成樹脂造のもの|店舗用・住宅用のもの|22年 (木造住宅)
金属造のもの|店舗用・住宅用のもの|19年〜34年 (鉄骨造住宅)
と記載されています。金属造≒鉄骨造に幅があるのは、前述の後半の厚み(肉厚)に関係します。そしてこれを引き合いに出し、「木造より鉄骨造の方が長持ちする」と話されるケースです。ですが、もう一度書きますが、この年数はいずれも減価償却資産の耐用年数です。少し説明を加えるとすれば、「通常の維持補修を加える場合にその減価償却資産の本来の用途用法により通常予定される効果をあげることができる年数、すなわち通常の効用持続年数のこと(東京都主税局サイトより抜粋)」です。通常の維持補修といっても、乱暴に言えば「普通に使った場合」とも言えるわけです。
長々と書いてまいりましたが、結局のところ、骨組みの違いより大切なのは、定期的なお手入れ、メンテナンスということです。木造であれば、日々の換気と定期的なシロアリ対策、そして柱などの主たる部材の腐食を防ぐということになります(あくまでも骨組みの話に限定)。鉄骨造であっても、鉄の腐食、サビは避けられません。湿気の多いエリアであれば、防錆処理をしても錆びることは考えられます。そのため、木造同様、メンテナンスが必要となります。
マンションであれば、修繕計画というものがあり、それに沿って進めていくので、それぞれのお部屋の家主さんが個々に行う必要はありませんが、一戸建ての場合は個別に行う必要があります。大抵の住宅は、施工業者が長期のメンテナンスプランを提案することがあります。できればそのプランに沿って、定期的にお手入れを欠かされなければ、木造住宅であっても、あるいはリーズナブルなお値段の住宅であっても、長く安全に住み続けることができます。そしてメンテナンスの費用を、あらかじめ住宅費用として考慮しておくことも大切だという根拠がここにあります。
「なんだ、つまんね〜話」と思われた方へ。
その気持ち、よ〜くわかります。お家に関する夢、どこにも感じられないですもの(笑)。ですが、悲しいことに、早期にお家を手放してしまう方は、概ね、「作っては(買っては)みたものの、気に入らない」や「住宅ローンを無理に設定してしまい、返済に苦慮して結局売却」という話です。お家に夢を抱くことは大切ですし、それぞれの家庭に物語があり、それを育む「舞台」としての住まいというのは、重要な役割を担っているとも思います。しかし、家づくり(探し)をされる際にはぜひ、こうした現実の面も見る必要があることを、心の片隅にとどめていただければ幸いです。
次回予告「一戸建ての選び方、建物編〜設備のお話その1」
次回は建物の構造をすっ飛ばし(笑)、設備のお話を何回かにわたってお送りしようと思います。設備といえば水回りが基本となりますが、最近では太陽光発電システムに代表されるエコ設備、24時間換気システムなどの快適設備など、多岐にわたります。その辺のお話を数回に分けてお話しさせていただきます。
ちょっと最近、立て込んでおりますので、毎日更新とはまいりませんが、どうぞ引き続きお楽しみいただければ幸いです。
では、また次回。