
不動産ライターの、のりべぇ。第27回です。
3ヶ月ほどあいたけど、企画第2弾、まだまだ進行中です!
今回は、「一戸建ての選び方、建物編〜設備のお話その3」
なんだかだんだん「一戸建ての選び方」から「住宅設備の紹介」になりつつある今回の企画ですが、まだまだ進めてまいりますよ〜!
その3は「浴室」のお話です。
前々回、前回と、キッチンのお話をさせていただきましたが、お家の水回りで一番使われるのはトイレ。その次がキッチンだと思うのですが、今日は浴室のお話を。ごめんなさい。トイレは洗面の次に書こうと思います。
おそらくお家選びの際、水回りの気になる順でいけば、キッチン、浴室の順ではないかと、勝手に思った次第です。毎度のことですが、私個人の感想なので、全然ちが〜う!という方がいらっしゃる場合はごめんなさい。では早速本題に。
やっぱりお風呂の時間が大切ですよね〜。
「せっかく狭いお風呂の賃貸から一戸建てに引っ越す(購入する)んだから、お風呂くらいは広いのがいいなぁ、なんて思われている方、少なくないんじゃないですか?実際、入浴によるリラックス効果云々と、私が話す必要などないでしょう。まぁ、中にはシャワーで十分、という方もいらっしゃるかと思いますが、せっかくなので、シャワー派の方も、今回は浴室について考えてみましょう。
主流は「ユニットバス」です。
かつて、一戸建ての浴室といえば、防水処理をして、浴槽入れて、給湯器(通称「バランス釜」と呼ばれる浴室専用の給湯器)入れて、タイルを張って…という感じに施行されていました。現在でも主に注文住宅で、オリジナルの浴室を作るために、同様の施工をする(といっても、バランス釜をわざわざ入れる人はいないけど)ケースはありますが、ほとんどが「ユニットバス」と呼ばれる、浴槽や壁、床、天井などがセット化された浴室を採用しています。分譲一戸建て住宅であれば「ほぼ」、そしてマンションであれば「間違いなく」ユニットバスです(おっと。一部例外があるのは毎度のこと)。
今や浴室の主流ともいえるユニットバス。あえてその成り立ちや歴史については省きますが、これまた奥が深かったりします。同じように見えるじゃないか、と思われる方。ぜひご注目を。
本題に入る前に1(ユニットバスといいましても…)
今回ご紹介するユニットバスは、浴槽と洗い場のみの通称「1点ユニットバス」と呼ばれるものです。これに対し、トイレと浴室がセットになったのが「2点ユニットバス」で、さらに洗面がついたのが「3点ユニットバス」。「2点」は欧米の住宅で主にみられるタイプ。「3点」は主に単身者向け賃貸住宅などでみられるタイプです。それぞれユニットバスと呼ばれますので、先にご紹介させていただきます。
本題に入る前に2(ユニットバスのサイズのお話)
先に書かせていただきますと、ユニットバスのサイズ表記が2種類存在します。多くは4桁表記(たて×よこ それぞれ2桁で表記)で表わしますが、わかりにくいので、坪表記する場合もあります。
例えば、一般的な一戸建てのユニットバスサイズに、4桁表記で「1616」サイズがあります。これは縦も横も160cmで、坪表記だと「1坪」タイプといわれます。
他方、マンションでよくあるユニットバスサイズに、4桁表記で「1418」サイズというのがあるのですが、これは短辺140cm、長辺180cmです。ここまでくると4桁表記の仕組みがお分かりいただけると思うのですが、実は坪表記になりますと何故か、0.75坪タイプと1坪タイプの2種類存在します。ですが、今回調べました23サイトの中で前者が20サイト、後者が3サイトだったため、多数決(!)で0.75坪タイプとさせていただきます。
お家選びの際の「浴室チェックポイント・その1」。広さ
直球で書いてしまいますと、「そりゃ、お風呂だって広い方がいいに決まってるじゃないか」なんですが、それは無茶ありすぎ、ですよね。
では、一般的なサイズを書かせていただきますと、以下の通りです。
一戸建て:1616サイズ(1坪サイズ)、1620サイズ(1.25坪サイズ)
よくあるサイズが1616サイズ。ゆとりがある、正方形のサイズです。一戸建ての広告で1坪サイズと書かれていれば、おおむねこのサイズだと思っていただいて構いません。
一方、ゆったりサイズのお風呂、ということで、1620サイズを採用するケースもあります。これは1.25坪サイズ。主に親子でお風呂に入りたい、という方に好まれるサイズです。
マンション:1418サイズ(0.75坪サイズ)、1620サイズ(1.25坪サイズ)
マンションの場合、かなりの割合で採用されているのが1418サイズです。中には1317サイズという、少し小ぶりの浴室というケースがありますので、間取り図で確かめましょう。また、ハイグレード仕様のマンションで、1620サイズを選択しているケースもあります。
上記のサイズをもとに、家選びや家づくりの参考にしてみてください。なお、上記より大きなサイズも小さなサイズもあります。
お家選びの際の「浴室チェックポイント・その2」。浴槽
大きさが決まれば、おのずと決まるのが浴槽…といっても、この場合は長さが決まると言った方がいいでしょう。4桁数字の最初の2桁が浴槽の長辺にあたりますので、マンションの場合は間取りの効率などを考え、浴槽の長さが一戸建てに比べ、やや短いです。
ただ、浴槽選びにあたっては、長さだけが全てではありません。形状も材質もさまざま。簡単にまとめてみます。
・浴槽の形状
形状は主に「ストレート浴槽」「ワイド浴槽」があります。前者はその名の通り、直線基調の浴槽です。後者は曲線と直線で構成された、オーバルコースのような形状の浴槽です。これらを中心に、浴槽の外枠が曲線を描く浴槽や、斜めに張り出した「コーナー浴槽」、曲面をもちいた「Sライン浴槽」「アーチ浴槽」などがあります。
・浴槽内部にも違いが
実は浴槽の内部、特に底面も違いがあります。お年寄りやお子さんなどに人気がある、段差が座面のように使える「ベンチタイプ」、肩までしっかり浸かれる「フラットタイプ」があります。
・浴槽の素材
最近ではFRP(繊維強化プラスティック)製が多い浴槽の素材ですが、人造大理石やホーロー、さらにステンレスなどもあり、主に一戸建てですが、昔ながらの木製浴槽を選ぶ方もいらっしゃいます。
お家選びの際の「浴室チェックポイント・その3」。水栓・照明
浴室の広さ、そして浴槽とくれば、つぎは水栓と照明です。
日本ではシャワー<浴槽で入浴という方の方が多いため、あまり水栓を話題する方は多くないかもしれません。しかし、推薦もいろいろあるんです。
ただ水・湯を出すと言っても、自在に湯温を調節できるシングルレバーをはじめ、その水栓部分にサーモスタットがついているものや、お湯と水をそれぞれ調節する2ハンドルが主な水栓で、前者が主流となっています(賃貸の場合は2ハンドルもよく見かけます)。
また、水栓の先に設けられるシャワーヘッドについては、近年、便利な浄水機能シャワーが発売され、とてもヒットしています。水量を調整するマッサージ機能が付加されているものもありますが、入居後でもお住まいになる方が後付け対応が可能です。
シャワー派の方で、海外のホテルに滞在された方なら、自宅にもあったらいいなぁ、と思うのが頭上に取り付けられたオーバーヘッドシャワー(別名:レインシャワー)。ハイウッド映画俳優の気分を味わえます。設置コストはかかりますが、気分もアガりそうです(笑)。
水栓だけでもこれだけの話がありますが、照明も同様です。
白熱球から蛍光灯へ。さらにLEDへと、照明もいろんな種類が増えてきました。光源ですらこの状況なので、外側の器具類だって相応の種類があります。
主に浴室照明といえば、壁面に設置するケースが多いのですが、中には天井に設置するケース、最近ではLEDライン照明を天井などに設置するタイプもあり、浴室を明るく演出する手段も多様化しています。
浴室サイズを細かく調整できるモデルも。
これは主に注文住宅に限られるかもしれませんが、最近ではユニットバスも、サイズを細かく調整・指定できるモデルが存在します。設計の自由度が上がるため、よりこだわった浴室を作ることもできます。また、旧来の浴室のリフォームの際も、容易にできるというメリットもあります。
たかが浴室と思うなかれ、という感じの内容でしたが、いかがでしたか?実際は浴室・浴槽・水栓などがパッケージ化されていることもあり、細部にこだわろうとするとオプション(別料金)となるケースも少なくありませんが、こだわってみるのも楽しそうです。特に水栓は水漏れが発生したら取り替え時となりますので、取り替え時に思い切ってこだわってみるというのもいかがでしょうか。
次回は洗面のお話です。今回よりはすっきりとした内容に収まるだろう、と思いますけどね(笑)。
次回もお楽しみに!