「天然ゴムとPVCはどちらが環境負荷が少ないか?」 ECG グット・プラクティクス20選⑶ A3: サプライヤーチェーンでの環境持続可能性
https://web.ecogood.org/media/filer_public/bc/c0/bcc041d5-3bc2-4e7a-8d2e-3896554bda6e/2021-04-07-good-practices-web.pdf
本シリーズでは、ECG(公共善エコノミー)グット・プラクティクスに選ばれている20優良企業・団体を、公共善マトリックスの20項目に沿って、1社づつ紹介。
3つ目の会社は、ドイツのヨガマットのメーカー。原料材料の環境持続可能性を独自の評価システムで厳しく査定し、その情報を消費者・ユーザーに提供している。
A3: サプライヤーチェーンでの環境持続可能性
ヨガマットを製造販売する創業1977年の南西ドイツの家族企業 Bausinger GmbH(バウジンガー有限会社)。現在の経営者は3世代目。Made in Germany の羊毛マットが主力製品であるが、他の素材の輸入品も仕入れて販売している。取り扱うすべての商品は、自社独自のBausinger Nachhaltigkeits Index (BNI)(バウジンガー持続可能性インデックス)の38基準項目で、システマティックに査定し、その情報を消費者・ユーザーに提供している。
このBNI査定で判ったことがある。それは自然素材が必ずしも環境や人に優しくはないということ。例えば天然ゴムのマット。多くの天然ゴムがマレーシアやインドネシアのプランテーションで栽培されている。大量に農薬が使用され、土壌浸食も起こり、人にも環境にもネガティブ。またゴムの加硫過程で発生するニトロソアミンは発癌性が指摘されている。紫外線に対する耐久性を持たせるために使用されるアクリレートや柔軟剤(原材料の30%も占める!)は、酸っぱい匂いを発散させる。さらに天然ゴム製品の加工製造は主に中国や台湾で行われているため、輸送での環境負荷も大きい。
自社査定で得られたこの知見をもとにバウジンガー社は、天然ゴムマットよりも環境と社会負荷が低く、寿命も長く、リサイクルポテンシャルも高い、ドイツ製のPVCマットの方を顧客に推奨している。
https://www.bausinger.de
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世界35カ国、3000以上の企業・団体が参加するECG(公共善エコノミー)運動の主要ツールは「公共善決算」。横軸に人間社会の基本価値4つと縦軸に5つのステークホルダーからなる「公共善マトリックス」で、企業や団体の倫理的・社会的・エコロジカルな経営をホリスティックに評価する。SDGs17目標もすべて含む「公共善決算」を行う企業・公益団体、自治体、教育機関は、世界的な草の根ボトムアップ運動の先導役。