地域コミュニティの共有財産になる河川の近自然化
住んでいる街で嬉しい河川の近自然化。地域コミュニティの共有財産になる公共善の事業だ。
人間が過去に真っ直ぐ退屈な川にしたものを、再び多様化。9月末で工事が終わり、今日、雨で水位が増していたので、水の「働き具合」をしばらく眺める。近自然化事業は人間がすべて設計して最終形を作るのではない。人間は、ある場所では広げて、ある場所では狭めて、石や原木を置いて、自然のマテリアルで補強すべきところは補強して、水の流れる方向、量、勢い、速度に変化を与えて、それで手を引く。あとは自然が自ら掘ったり、土砂を堆積させたり、自ら造成作業をして行く。様々な魚や小動物の棲家もできる。
ここは、市民の保養空間、子どもの水遊びの空間にもなること意図して作られた。先月、日本人の視察団と一緒に見学したとき、管轄局の現場主任がこう言った。「施工工事の途中で、ここに小さなカフェがオープンすることを知ったので、ちょうどいいと思って、そのカフェの前の護岸に人々がくつろげる石段を作った。ここに人を集中させて、他の場所では生物が人にあまり邪魔されないように誘導する」日本のグループは、そのフレキシブルさにたまげた。河川近自然化は最初から綿密ながっしりとした設計図がある事業と違うので、プランナーに自由裁量が与えられている。そうじゃないとできない。数年経って、自然が当初の思い通りに造成してくれないときは、補正作業もする。
水の流れが多様になったので、音も多様になり、心地よくなった。
来年の夏は、水に足をつけて、流れる水を眺め、水と鳥と昆虫と人間の多様な音を聴きながら、コーヒーが飲めそうだ。