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リジェネレイティブな養豚業

「僕は豚を牛と同じように飼っている」
という言葉から、案内を始めたオランダ東部の畜産農家。

以前は牛を普通に飼っていた。大型化、効率化の傾向に疑問を感じてそれを辞め、豚の放牧飼いを始めた。豚の専門じゃないし、そんなやり方だと、絶対うまくいかない、と最初、周りからと揶揄されたようだ。

母豚は8-10匹で、生まれて来る豚を常時180〜200匹くらい肥育している。草地に根菜のミックスを育てて、そこに豚を放して、順番に根こそぎ食べさせる。放牧密度は土地に負荷を与えない1ha14頭以下(糞尿処理が必要ない法律の範囲内)。自家栽培した飼料も食べさせる。

豚も土地も家族も持続可能なやり方を追求して、これになった。その時々の補助金や政策に左右されない。これだったら娘も跡を継げる、と。

7割の肉は直売。
農場は訪問客に自由に開放し、視察団を積極的に受け入れている。

肉商品のお客さんは、オランダ全土とすぐ隣りのドイツから。この飼い方を見て、感動し、理解したお客さんが対価を払う。オランダ西部のデンハーグから車で3時間かけて年に数回まとめ買いに来るお客さんもいるそうだ。

値段は普通のスーパーの安い豚肉より高く、Bioの肉くらい。お客さんとの信頼関係があるから、Bioやアニマルウェルフェアの認証を取得する必要はない。

ゆっくり外で健康に肥育(通常の豚舎に閉じ込められた豚の2倍の期間)した豚の肉。試食でもらった半生のソーセージは美味だった。

今、オランダ、ドイツ、デンマークを巡る畜産業の視察ツアーを遂行中。

今回のテーマはアニマルウェルフェア、リジェネレイティブ、家族経営、教育。

持続可能な畜産業を目指して。


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