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森の麓の遊水池ダムで6km離れた新興住宅地の洪水防止

人口22万のフライブルク市東部のシュヴァルツヴァルトの麓で、現在、遊水池ダムの工事が行われている。小川が流れていて、隣接する古い住宅地の洪水防止のために、容量17000m3の小さな遊水池ダムがあるが、その土石堤をさらに高くして、容量を40000m3にするという事業。目的は、近隣住宅地の洪水予防のさらなる強化だけでなく、6km離れたフライブルク市西部に計画されている人口16000人規模の大きな住宅地の洪水防止のためでもある。そもそも洪水リスクがある場所に新興住宅地を計画することに対して、いろいろ議論もあり、主にその住宅建設の計画のために今行われている土石堤のアップグレード工事にも批判はあるが、気候変動が加速するなか、今後、このような遊水池が、分散してたくさん必要になってくるだろう。近自然的なコンセプトと施工法も、各地に事例がいくつかある。

7月半ばに中西部ドイツを襲った大きな洪水被害。被害の中心地の1つ、アール川流域では、1910年にも大洪水があり、1920年代に洪水受けの遊水ダムを3箇所(合わせて1150万リットルの一時溜水量!)を造る計画があった。しかし第一次世界大戦後の経済的に厳しい時で、同じ時期に近郊で有名なサーキット場「ニュルブルクリング」の建設も行われたため、この遊水ダムの建設は財政上の理由で残念ながら中止となった。人の命や財産より、「遊び」と「見栄」、「目先の経済」が優先された例。このダムが当時建設されていれば、計算上、今回の洪水被害は大分抑えられたはず。

今回の洪水は、遊水池がないことだけでなく、地質や農地や林地の土地利用など複合的な原因が指摘されれていますが、それに関して、下記のレポートで短くまとめています。
https://note.com/noriaki_ikeda/n/n9422c7ed2402?magazine_key=me81f176b0158&fbclid=IwAR3wadDh21PTNgS5Kx1Vp3AvYZQHeeQYnGNKeV8e-eBHxTLd7acmrH-zqec

6月と7月に開催して好評だった4本のオンラインセミナー を、お盆休みの期間に4日間連続でリピート開催します。14日と16日のセミナーでは、ここに書いている「遊水池」についても話します。
8月13日 16時 「wood shock」
8月14日 16時 「河川の近自然化」
8月15日 16時 「生きた里山〜身近なパラダイス」
8月16日 16時 「緑のダム」
案内、申し込みはこちらから
https://peatix.com/group/7199042/events

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