伝統とモダンの融合
2つのオンラインセミナー を開催します。
自然のマテリアルの多面的機能と人間の知恵を合わせた建築の試みについてです。
2021年9月28日(木)16:30-18:30
KANSOウェビナー 「調熱」と「調湿」で、蒸し暑い夏を乗り切る
https://kanso2.peatix.com/view
講師:佐藤 欣裕(一級建築士)、池田 憲昭(森林コンサルタント)
2021年 10月7日(木) 18:30-20:30
日本の家は木と土と草で造る 〜伝統構法「石場建て」の家造り
https://miyauchi-kenchiku.peatix.com/view
講師:業界屈指の大工棟梁・宮内寿和さん
いずれも、自然のマテリアルが持っている「断じる」「止める」という能力よりも「調整する」「調和する」という能力をより生かした建築です。
昨年秋にスタートしたKANSO https://www.kanso-bau.com/ は、自然のマテリアルの多面的な性能を充分に生かし、冷暖房も機械換気も必要のない建築を実験しています。
日本の伝統木造建築で昔から受け継がれている「石場建て」は、建物の下の土中環境の機能に極力ダメージを与えない、自然調和的な建築方式で、中央ヨーロッパの古建築の多くにも、類似の工法がありました。
現在、KANSOのコンセプトに「石場建て」の木造軸組工法を融合させる話し合いも始めています。「石場建て」のメリットは、土中環境を維持させるだけでなく、現代建築で基礎や床にたくさん使われるグレーエネルギーが膨大なコンクリート(厳密にはコンクリートの接着剤であるセメントの生産で膨大なエネルギーが必要)の使用量を減らせることです。
また「蓄熱(吸熱と放熱)」を省エネルギーコンセプトの主役として考えているので、現代省エネ建築の指標となっている断熱性能も、各国で推奨もしくは義務化されている高い基準までしなくても、気密をしっかりすれば、同じく冷暖房、機械換気なしで機能するのではないか、と議論しています。「蓄熱」の機能を安定維持するのに、どこまでの断熱性能が最低限必要か、というアプローチです。秋田のモデル「美郷アトリエ」は、中央ヨーロッパの省エネ基準を満たす断熱性能の壁厚になっていますが、熱のマネージメントが蓄熱メインで機能するのであれば、そこまでの断熱性能は必要ないんじゃないか(壁はもう少し薄くしてもいいんじゃないか)、と議論しています。これも今後、現物を建てて実験をしていきたいと思っています。