わたしの好きな本紹介・旅をする木
本はまあまあ読んだつもりですが
大概は1回だけ読むものが多いように思います。
が、中にふとあの本もう一度読みたいなと
気付けば何度も手に取っているものがあります。
以前紹介した『猫鳴り』もそのひとつですが、
この作品は猫好きだからという要因が大きいので
少し脇に置いておきたいと思います。
それとは別に大好きな本が
星野道夫さんの『旅をする木』です
この本に出会わなければ
恐らく今も
良い文章とはどういうものか?はき違えていたでしょう。
彼のエッセーは
意図して難しい言葉は使わず
深い人生哲学や自然の豊かさ
また、人と自然のあり方を
決して押し付けることなく
読者に語り掛けてくるのです
多くの人に何かを伝えたいと思うとき
いちいち辞書で調べなくてはいけないようでは
読む気力を失ってしまいますよね?
また、アラスカに17年間も住み
そこに住む野生動物の研究をするなどということは
希少な経験であり、ものすごいエネルギーがいることなのに
そういうことは微塵んも感じさせないのです
それどころか、彼の自然(人も含む)に対する眼差しが
訪れたこともない場所に
いつの間にか、自分も立っているような感覚にさせてくれます
緻密な描写力と自然に対する深い愛情が
写真よりも、映像よりも
読者の想像力を引き出してくれるのです
それまでエッセーというものを少し軽く見ていましたが
この作品に出会って
エッセーのすばらしさを知りました
しかし、このような素敵な文章を読むと
自分の力量のなさを思い知らされることにもなります
いつか、このような文章が書けるようになりたいものです
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この度はサポートいただきありがとうございました
これからも頑張りますのでよろしくお願いします