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皆さん、出口戦略はお持ちですか?

皆さん、こんにちは。

「出口戦略」というと少し聞きなれない言葉かもしれませんが、簡単に言いますと「撤退作戦」です。

近代の日本は「体力差が約10倍ある」と言われていた相手との戦いを2度経験しています。それが「日露戦争」と「太平洋戦争」です。ご存知のように日露戦争は辛くも勝利をおさめ、太平洋戦争はアメリカに惨敗しています。もちろん、原因は様々ありますが、太平洋戦争の主な敗因は戦争を始める前に「出口戦略」をもっていたかどうかと言われています。

これは結果を知っている後世の我々からすると、「昭和の人間はなんであんな後先考えずに無謀なことを」と思うかもしれませんが(笑)、自分に当てはめて考えてみるとなかなかこれ、難しいことです。

例えば金融商品。長期保有を前提としている方は別ですが、皆さん、「損切ルール」をご自身で策定していますか?損切ルールはこれといった正解はありませんが、必要とはわかっていてもなかなかこれを完全に実践できるている方は多くないかと思います。私もその一人です(笑)。私もこの辺が不得意なので株式投資は「長期投資を中心」にしているひとつの理由かなと思っています。

逆に言うとこのあたりの自己ルールを徹底できる方が、投資の幅も広げ金融投資を成功させる理由なのかもしれませんね。

ビジネスになれば、なおさらです。ご存知のように、現在コロナの影響でサービス業や飲食業は非常に困難な状況に直面しています。私が保有しているビルは基本的には「レジデンスビル」なのですが、1棟「複合ビル」を保有しております。そちらにはテナントとしてお店にいくつか入居頂いているのですが、その中にもいわゆる「夜の街のお店」もあります。

個人のお店ですので現在は政府の補償等がありますし、私も微力ながらご協力させて頂いていますので、今のところなんとか経営が継続できていますが、今後の状況次第ではどのようになるかわかりません。

一番最悪なパターンは「どこかで改善する」と思い、ずるずる経営を続けて赤字を垂れ流してしまい、「再起不能」になってしまうことです。ここで大事なのは、ある程度の「ケガ」まではしょうがないのですが、再度立ち上がるために必ず「余力を確保」しなければいけません。そのためにはやはり、どこかで「撤退」という基準をつくりそれを粛々と実行することが重要になります。

これまた大変むずかしい意思決定です。もちろん心血を注いだお店を閉めるだけでも大変なのですが、従業員や取引先に迷惑をかけることもありますし、一番やっかいなことは、お店を閉めた後の「自身の生活の糧」をどうするかという問題もあります。

お店や業態を少し変えればすむのであればまだ良いのですが、現在はこの「業界全体」が消し飛んでいる状況です。今までの自身のスキルセットをすべて捨てて新しいことに取り組むというのはなかなか出来ることではありません。

この辺も「机上の理論」では理解しているのですが、実際当事者でしかこの大変さは理解できないかと思います。ただ、まだ、少なからず経営者の方々はこのあたりのリスクは常に頭の隅にあるかと思っています。

では、翻って考えてみて、サラリーマンの方々はご自身の「出口戦略」をどのようにお考えでしょうか?

たぶん、上記の話ですと皆さん出口戦略が必要なことはご理解頂ける方が多いかなと思いますが、ご自身を振り返ってみると明確に出口戦略をお持ちの方は少ないのではないでしょうか?

「人生100年時代」と言われている時代ですので、まあ、長い分いろいろリスクもあるということです(笑)。

日本経済が「終身雇用」と言われなくなってから久しくなりますが、まだまだサラリーマンの方々は出口戦略を明確にお持ちでない方が多いかと思います。「出来る限り長く働く」というのも一つの方針ですが、これはただの希望的観測に近いです(笑)。なぜならサラリーマンという労働者でいる限り、雇い主の方針で変化を余儀なくされることが多いからです。

また業界全体が消し飛んでしまうというのは他人事ではありません。強力な競合である「テクノロジー」の進出によりいくつかの業界・業種は近い将来に消し飛んでしまう事も起こりえます。

出口戦略というモノは一つではありませんし、また自身の状況によりそれぞれ異なると思っています。ただ、大切なことは「いろいろな事態を想定してそれに対して準備しておくこと」です。

良く政治家などが「想定外の事態が発生した」と発言することがあると思いますが、これは「想定していなかった」のではなく、「想定してけれど準備していなかった」というのが正しい説明だと思っています。

いくつか出口戦略の候補をきめて、そのゴールに対して逆算してアプローチしていくことが大事です。必ず「いくつか」持ってください。人生そんなにいつもうまくいくとは限りません(笑)。

大切なことはしっかり仮説の「ゴール」をもってそれに対し着実に進みながら現状に柔軟に対応していくことかなと思っています。

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