日本での外貨預金はほとんど意味をなさないという事実
皆さん、こんにちは。
皆さんはこんなセールストークを聞いたことがありませんか?
「日本円は低金利なため円建てで預金していてもつまらないから金利の高い外貨預金で」
「グローバルでは円は相対的に価値が下がっていくためドルやユーロなど他の貨幣を持っていた方が良い」等々
確かにこの現状分析は間違っていないのですが、だからと言って日本国内で外貨預金口座に預けてしまうことは一旦立ち止まって考える必要があるのではないかと思っています。
実は、これは私も最近まで知らなくてちょっと残念に思ったことなので、今回はこちらを皆さんにご共有させてください。今回もざっくり説明です(笑)
ポイントは大きく2つです。
外貨でも最終的に日本円に戻さなければいけない
これはどういうことかと言いますと、外貨預金をするためにはまず、日本円⇒外貨にします。その際にはまず、片道の為替手数料を取られてしまいますね。ここまでは皆さんもよくご存知かと思います。問題はその後なのですが、実は、最終的には日本円にしなければ手数料なしで持ち出せないのです。ですので、今度は外貨⇒日本円の為替手数料を取られてしまいます。
報復ビンタで手数料を取られてしまった上、最終的には円にしなければならないので、リスクを分散しようと思い外貨預金をしたにも関わらず、いざ貯金したお金を使う時には日本円の暴落リスクをヘッジできないということになります。残念すぎます…。(なんか証券口座には低コストで移動できるとか言っていた記憶も)
外貨のまま引き出そうとすると手数料を取られる
円⇒外貨⇒円にするのは手数料を取られるし、円の暴落リスクもヘッジできないので、では次は外貨をそのままキャッシュで引き出そうとします。すると今度はここでも引き出し手数料を取られるのです。外貨調達コストとかの名目かと思いますが、結構それなりに取られます。私とかであれば、引き出すのをためらちゃう感じくらいです。
確かに以前は外貨の利回りが良く、日本円が強さを継続していた時代もありましたので、円に戻す際には手数料分を吸収出来たり為替のキャピタルゲインをで利益が出る可能性がありましたが、金利差が縮小し日本円が長期的には円安傾向に向かいそうな現在ではなかなか利益が出しにくい時代になっているのです。
日本は以前よりは相対的に世界に占めるGDP割合が下がってきているとはいえ、いまだ世界第3位の経済大国ですし、人口減少しているといっても1.2億人ほどの国民を抱えて内需が非常に強い国でもありますので、どうしても目が内向き(国内)に行きがちで世界のトレンドを軽視しがちになります。
現在40代の私たち世代はなんとか逃げ切れるかどうかの瀬戸際ですが、20代、30代の方は間違いなく今より激しいグローバル競争に巻き込まれ、日本の相対的な力が下がっていくため、高確率で逃げ切れない可能性があります。また、日本円も今のようにハードカレンシーの一角ではなくなる可能性もあるかもしれません。
日本国内だけで資産運用を完結しようとすると今回の外貨預金のようにどうしても無理が生じてきます。冒頭のセールストークは現状分析という意味では正しいと思いますが、それにつなげるアクションとしてはいささか時代遅れになってきているかと思います。
今回の話などは、金融機関さんの話だけでなく自分自身で詳細を少し調べればわかることなのですが、雰囲気に流されて安易に意思決定するとこのようになるのだなと自戒を込めて思っております。
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