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多くの人が知らなくて損している個人の「事業与信」と「個人与信」の話

皆さん、こんにちは。

今回は、私の周りの投資業界や金融村の住人の方々には当たり前のことかもしれませんが、実はあまり知られていない個人が持っている「与信」のお話です。

先日、久しぶりにお会いした方から資産運用についていろいろご質問頂きました。

その方はいわゆる高学歴で大手広告代理店の偉い方ですが、このような話は初耳だったらしくひどく驚かれていたので、こちらを皆さんにもご共有させてください。

まず、皆さんすべてに「与信」というものがあります。与信とは読んで字のごとく「信用を与える」ということで、金融の世界で簡単に申しますと「いくらお金を借りれるか」ということです。

これは個人で事業している個人事業主の方だけでなく、いわゆる普通のサラリーマンの方などすべての方が実は持っているものです。(与信枠は人それぞれ違いますけどね)

そしてすべての人が持っているこの「与信」は大きく2つに分かれます。

1つめが「事業与信」です。

これは例えば、個人で投資用不動産物件を購入する時などに使われるものです。もちろん属性などによって人それぞれ上限の金額には相違がありますが、必ず誰しも与信枠を持っています。(株や金融商品に対してはだいぶ難しいですが…)

もう一つが「個人与信」です。

これはわかりやすく言うと、住宅ローンを組んでマイホームを購入することが代表的なものになります。(皆さんがイメージされる「与信」ですね)

ざっくり簡潔に申しますと、事業与信は投資や事業に関する与信枠であり、個人与信とは生活を営むための与信枠と覚えておいてください。問題なのはこの2つが個別に存在してお互いにどのような関係になっているかを知らない方が多いということです。

個人与信と事業与信の関係は以下の通りです。

・個人与信と事業与信はお互い独立した存在である

・事業与信が棄損されても個人与信には影響がない

・しかし、個人与信が棄損されると事業与信も同じく棄損されてしまう

例えば、AさんとBさんがいるとします。二人は属性は同じで与信の上限枠もそれぞれ同額とします。

Aさんは最初に個人与信内で住宅ローンを組み、マイホームを購入しました。その後生活に少し余裕が出てきたため、事業与信を使い投資用不動産を購入しようとしましたが、個人与信を最初に使ったため事業与信の枠もなくなり投資用不動産で不労所得を作ることが出来なくなってしまいました。

Bさんはまず、事業用与信枠で投資用不動産を購入し、不労所得を増やしました。その後、住宅ローンを組んでAさんと同額のマイホームを購入しました。個人与信枠は既存されていないため問題なく住宅ローンを組めました。また不労所得も増えていたので、ローンの支払いに余裕をもって生活することが出来ました。

このように同じ与信枠の二人が同額のマイホームを購入してもその結果は大きく異なってしまうのです。(ドラゴンボールでいうとBさんは「界王拳」を使ったみたいなものです)

これは「IQが高くなければいけない」とか「特殊なスキルがなければいけない」というようなものではありません。単純に知っているか/知らないかというだけの問題です。

日本では学校で金融の授業をしているところはまだまだ少なく、残念ながら国民全体の金融リテラシーが低いのが現状です。

また国や政府や「常識」というよくわからないものが唱える「ステレオタイプ」的な意見を鵜呑みにして、「家を買って一人前」的なことを真に受けてしまうとその後の人生で大きく損をしてしまうケースがあります。

もちろん、株や不動産の投資を勉強することに注力されることは決して間違いではないのですが、その難しい知識を学ぶ前に、まずは常識にとらわれずにフラットな立ち位置で物事に向き合うということが大切なのかなと思っています。

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