デジタル化された社会で必要になるモノ
皆さん、こんにちは。
先日、地方再生に関わる方々とお話をする機会があったのですが、その際に昨今話題になっているデジタル・トランスフォーメーション(DX)について話題になりました。
現在はDXにたくさん予算や補助金が準備され、地方の中小企業に促進しているのですが、その予算の使い方を正しく理解していないケースが多く一過性のものになるのではないかと危惧しているとのことでした。
都心の大企業と違って地方の中小企業はデジタルのインフラも整っていないケースも多いため、このような予算や補助金は大変有益だと思いますが、確かに持続可能性があるかどうかは今後の取組次第かなと思っています。
デジタル化された社会のイメージ:金融業界の例
では、デジタル化された社会はどのように変化するかというのを金融業界を例に見ていきたいと思います。金融業界はご存知のように「物理的」な商品というモノは存在しなく、「デジタル」な金融商品のみという業界ですのでイメージしやすいかなと思っています。
金融商品というモノは、職人技術のようなものは必要ないため仕組さえわかれば模倣しやすい商品です。実際、日本の金融商品は認可制の商品ですが、その商品を販売するための体力やルールを順守しているのであれば基本どの金融機関もコピー可能です。ですので、金融業界では新商品発売の「先行者メリット」は他業界よりもだいぶ小さいのが現状です。
そこで金融業界は差別化のために「オペレーションを磨き上げること」に注力してきました。業界自体が装置産業ということもあり、優秀な社員を集めて効率的な業務オペレーションを組み、大規模システムを構築しさらに効率化することで優位性を図ってきた業界です。近年ではこの人的オペレーションの領域もだいぶシステム化が進んできていますが。
過去には金融工学に秀でた米国金融機関がマーケットを席巻した時代もありましたが、これは東西冷戦終了後、ロケット・サイエンティストたちが金融業界に流れ込んだというイレギュラーな出来事のためですね。
デジタル化が進むビジネスで差別化するためには?
世の中の大半がデジタル化した社会は、そう遠くない未来に実現していくだろうと思っています。そうなると物理的な商品を作っている業界も今後はデジタル化を余儀なくされていくはずです。近い将来、物理的な商品はデータを送ってもらって自宅の3Dプリンター?かなんかから取り出すみたいなことが実現するかもしれません。
そんな時代になると、会社の規模や社歴の長さなんかはまったく意味がなくなるような競争時代が来るかもしません。デジタルに情報をのっけさえすれば今まで積み重ねた実績などはほぼなくなってしまうはずです。以前堀江さんが寿司職人の修業の話で炎上していましたね(笑)。
そんな世の中がすぐ近くに来ている現在ではどのようなことを重視しなければならないのかと言いますと、「イメージング」と「ストーリーテリング」になるかと思っています。
「イメージング」とは相手の立場に立ってその商品の利用シーンを理解することであり、「ストーリーテリング」とはイメージした利用方法を利用者の共感を得られるように言語化・物語化するような感じですね。要は商品に差別化出来ないようであれば、その商品の利用方法や見せ方をうまく訴求することが競争優位を作ることになるということですね。「note」で発信している皆さんがお得意な領域です。
このマーケティング領域は今後さらに伸びていくと思っています。現在はコロナの影響で地方の中小企業もECサイトやWEBマーケティングに力を入れていますが、ECサイトのような「入れ物」をつくれば売り上げが伸びるというモノではありません。それらを支える土台となる「マーケティング戦略」がなければただのハリボテになってしまいます。
都会の大企業に勤めているとご自身がやっていることは「そんなに特別なことではない」と思っている方も多いかもしれませんが、「所変われば…」というやつで、外に目を向ければ、実は皆さんが持っているスキルや能力を必要とされている方は思っている以上にたくさんいるんです。
「地方で得たナマの経験」を今度は本業に活かすことで、ご自身のキャリアの相乗効果を図ることが、今後のキャリアデベロップメントでは当たり前のことになるかもしれません。
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