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「週休3日制」になると単にお休みが増えるだけではない?

皆さん、こんにちは。

なにやら政府が週休3日制の検討を進めているとのこと。なんだか唐突な感じを受けましたが、どうやら以前から検討していたようです。

この目的は「ワークライフバランス」を推進して豊かな生活の確保や休日を増やし「消費を活性化させる」ということを目指しているのかなと考えられます。これは一見非常にサラリーマンに優しい施策のように見受けられますよね。

ただ、現在の収入が維持されたまま休暇が増えるのであれば良いのですが、休暇は増えるが収入が減るのでは安心して消費が出来ない方も多いかと思います。なんだか企業の「雇用コストの負担低減」等のよこしまな目的も見え隠れしているような…。

まあ、いろいろ紆余曲折があると思いますが、この取組みは今後推進&浸透されていくかと思われます。いくつか要因はありますが、大きくはこの2つかなと思っています。

1つめは「テクノロジーの進化」です。テクノロジーの進化により今まで人間がやっていた作業がどんどん自動化されていきます。単純に人間がやるべき作業量が減っていき、もはや週5日分もの仕事量がなくなる可能性があります。RPAなんかで朝来たら人間がやっていた作業は完了しているというのは今でもある話です。

RPAは、これまで人間のみが対応可能と想定されていた作業、もしくはより高度な作業を、人間に代わって実施できるルールエンジンやAI、機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みです(野村総研)

2つめはやはり「コロナ」によるものです。このコロナで一番変化・定着したことが「ソーシャル・ディスタンス」かと思っています。これにより対面での仕事は減少していくことになるでしょう。全部ではないですけどね。

そして、リモートワークが進むことで今後は「対面で会わなくても円滑に仕事がまわる」ような「ジョブ型」に移行していくものと思われます。ジョブ型は「役割と責任」を明確にしなければなりませんので。これは「テクノロジー」や「パートタイムワーカー」との相性が非常に良いのです。

となると今でも「古き良き」日本型雇用体系は姿を消しつつあるのですが、今後はよりドライな欧米型の雇用体系にシフトしていくことになります。

週休3日制の導入による変化

また、このように週休3日が浸透すれば、今度はそのお休み時間を有効に使おうと思う方も増えてくるかと思います。ましてや給与が出社日数に応じて減ったとなればなおさらですよね。

これはこれで良いのですが、このような状況になるとひとつ困ったことが発生します。それは、今まで会社が丸抱えしてくれていた費用をそのまま本業の会社が負担することが難しくなるということです。今では減ってきたかもしれませんが、それらは日本型雇用体系の良かった点ですね。

具体的に言うと「住宅補助や社宅費」「交通費」なんかです。当たり前なのですが、複数の仕事してれば本業の会社1社で「住宅補助や社宅費」を全て負担する理由はありませんし、「交通費」なんかも目的まできちんとチェックしようとすると管理だいぶ大変ですよね。しかも絶対虚偽報告する輩が発生すると思いますので(笑)。

そうなると会社は防衛のためにコスト込みのお給料や報酬とする可能性が非常に高くなり、皆さんの「実利益が減少する」可能性も考えられます。個人事業主はもちろん、もしかするとその先の「マイクロ法人」の設立なんかも必要になるかもしれません。

週休3日制が導入された時のために

このように良くも悪くも「ざっくりしていた」家庭的な日本型雇用体系が、この週休3日制で大きく変わる可能性があるということです。

今まで親元でいろいろ文句も言われながらも「家」と「三度の食事」があった子供が突然「一人暮らしをしろ」と言われているようなものです。一人暮らしをすると親のありがたみが分かったりするものですよね。

その時が来ていきなり放り出されてしまうとバタバタしてしまうものです。ですので、今から少しずつ「会社や本業のウエイトを下げていくこと」や「税金を正しく取り返すこと」に自身を慣らしていくことが大切です。もはやその変化は見える所まで来ていますので。

「そんな仕事のスタイル&会社はいやだ」と思う方もいるかもしれません。ただ、これが週休3日制の裏に隠された「テクノロジーと生きていく」ということなんです。もはやこれは程度の差はあれど避けては通れない道です。

今までは少し認識齟齬や連絡モレなどがあっても人間が柔軟に対応して事なきを得たことも多いかと思います。特に日本人は「以心伝心」や「空気を読む」という能力が長けているのでなおさらです。

ただ、これから付き合っていかなければならない「テクノロジー」君は非常に機械的なので(笑)、そんな「空気」を読んでフォローしてくれることはありません。

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