プロフィールって、気になるもの?ライターになったいきさつを少し。
そろそろ炬燵があったら嬉しい季節。裸足でソファにいると薄ら寒い。こんなに肉々しいのに、脂肪は冷たいらしい。それにまあ、うちには炬燵はなくて、ホットカーペットしかないのだけど。エアコンもホットカーペットもまだ早いな、とパーカーと靴下で今日は凌ぐ。
さて、初めましての次は自己紹介だろうか? そもそも、自己紹介って気になるものかな。記事を書いた人云々よりも、記事そのものをよく読めばいいような気もする。でも、私はやっぱりそれを書いた人がどんな人かが気になる。作品を生み出した人の人間臭さ、を感じたいというか。
というわけで、読む需要があるかはわからないけど、書きたい需要はあったので、しばし自分語りを。なぜ今こんなノートを書くことになっているのかについて、を中心に、とっても強運で幸運な私の縁をちょいとご披露。
発端は、2019年5月ごろ。卒業した高校が割と古くからある学校で、卒業後25年くらい経つと旧制中学時代から現在までのすべての同窓生向けの巨大同窓会の幹事期をするというレールが敷かれていた。今年私たちの卒業期が正にその幹事期担当だった。私は高校卒業と同時に地元を離れたので、去年から地元で重ねられている会議等には出席できるはずもなく、半ばぼんやりと秋にある総会懇親会には遠いけど出席しようかなぁと思っていたところだった。そんな時、SNSで「広報編集部へのお誘い」の記事が投稿された。自意識過剰もいいところだけれど、名指しで勧誘された気分だった。「遠くても参加できますよ」という殺し文句。すぐに参加したい旨のコメントを送った。これが始まり。
ここで、一生のうちの人に巡り合う運をほぼ使い果たしたのではないかというくらいの出会いがあった。これがまたおかしくて、高校時代には全く知り合わなかった、でも多分これからも記事に頻出することになる、加藤くんとの出会い。というのも、加藤くんは、北海道で紙媒体を中心に医療記事で活躍しているライターだったのだ。2年ほど前に独立、今はフリーライターとして頑張っている。
広報編集部に参加してすぐ、ロゴマークのコンセプトを発表する文章の推敲の機会があった。熱い思いがほとばしる、いい文章だったけれど、そのころまだ加藤くんが何者かも知らなかった私は大胆にも思い切って校正をいれた。校正とは名ばかりの、自分好みの文章への改造だったかもしれない。今思えばなんと失礼なことか。しかし加藤くんはそんな私の校正で文章が良くなったと言ってくれたのだ。とても嬉しかった。その時は、ただただ嬉しかった。心の奥に転がっていた消し炭にちょっと熱が戻って、胸がチリチリしたような気もした。
子供のころから作文が得意という自負はあったし、中高校生の頃はいっぱしに作家を目指したこともあった。ただ、慌ただしい日常の中で文筆業でお代を頂くという夢は夢のまま終わっていくと思っていた。変なプライドもあって、1文字1円という世界に飛び込む勇気もなく、パートと内職でそれなりに家計に貢献し、年老いていけばいいかと思っていた。
その後幾度となく編集作業は繰り返され、取材、原稿書き、修正、と貴重な経験をした。いつでも加藤くんは私の文章をとてもいいと言ってくれた。本当に、何なのだろう。割と優等生キャラだったので贔屓されるのにはあんまり抵抗がないというといやらしいけど、そんな私でも驚くほど加藤くんは私贔屓に思えた。プロらしく、ここはちょっとね、とバッサリ言ってくれるのを待ってたけど、結局ずっと褒められて、さらに気をよくして文章を綴った。あっという間に秋になり、広報誌が完成。自分の書いた記事が広報誌になっていた。
活字になって本の中の1ページに収まっている自分の記事を見た時、本当に涙が出るかと思った。初めての経験だった。感激した。同窓会から帰る前に、加藤くんにこんな私でもできるライター仕事があるかどうかを尋ねてみた。加藤くんは即答だった、すでにプロのライターレベルだから余裕でやっていける、仕事を仲介するし、発注するよと。またまた、そんなこと言って、と笑っていたのだが、とんとんと話は進んで発注元の方とコンタクトを取ってくれることになり、トライアル原稿のようなものを提出し、OKがでた。条件と支払いについてのビジネスライクなお話をした。
びっくりした。これでいいんだ、これで本当にお代が頂けるのかと、信じられない気持ちと、ついに私の才能が認められて花ひらくかもしれないという自惚れた気持ち、運はあまりないと思ってたけどこの日のために貯めてたのかもなあといったわけのわからない気持ちがないまぜになって、やたらハイテンションで開業届を準備し、勢いで提出した。
それが3日ほど前。開業を友人知人にSNSで報告し、自ら退路を断った気分で、noteも急遽開設した。わけのわからないまま昨日初投稿したら、誰も読まないかと思ったのにスキまで頂けていた。
きっと、割と向いているんだ。せっかくなら得意なところで勝負しようじゃないか。加藤くんのお墨付きもある。徹底的に負けるのが嫌いなので、片付けとか数学とかゲームとか、苦手なジャンルでは息をひそめて深海魚のように底でこっそり生息しているけど、このジャンルならもう少し大胆に生きていけそう。ただ、飽きっぽいという大ボスに勝てるかどうかはわからないけど、地道にやってみても失うものがあるわけでなし。
得意ジャンルが拗らせ系自分語りというのもどうかとは思うけど、今の私に書けるのはこんなことくらい。読んでもいいよ、という人がいてくれるなら望外の喜び。まあいなくても、ぐたぐたと書いていければいいかな。きっと加藤くんが読んでくれるかもしれないし。そんなこんなで、今日はここまで。