NORi写真教室・六本木
こんにちは、NORi(@noriko.matsui.photographer)です。
写真教室は、2006年頃から尾道を中心に近隣地域で行ってきました。東京でも、定期的に六本木で開催するようになって、5年くらいが経ちました。
今日は、六本木教室の受講生の方が、教室の様子をレポートにまとめてくださっていたので、それをもとに紹介していきたいと思います。
教室では、まずプリントを持ってこられた方には作品添削をおこない、それぞれの質問にこたえていく講義をしています。
今回は「旅先で写真を撮る場合の準備」という質問がありました。
旅先での撮影
・テーマが重要
初めての場所では、直感や第一印象も大切ですが、どんな写真を撮りたいか、事前に明確にしておくと撮りやすいです。
旅の写真でも、スナップ風に撮るのか、ドキュメント風にするのか、心象風景としてじっくり撮るのか、ふるさとなのか、通りすがりの風景なのか、テーマによって撮り方が変わってきます。
・スケジュールを組んでみる
撮りたいものがあれば、撮影だけでなく、移動や休憩をふくめたタイムスケジュールを組みます。旅先では、道路の混雑や移動方法、荷物の預け先など考える必要があって、案外、タイトなスケジュールになりがちです。撮りたいものが撮れる心の余裕もほしいところです。
・時間を考える(暑い時間は休息に。朝・夕方の時間を有効に)
スケジュールのなかでも、いつ何を撮るか決めることは大切です。特に真夏の昼間は太陽の光が強すぎて、コントラストの高い写真になる上、人もバテます。
・情報を集める(インスタグラムも有効、地名をキーワードに!)
初めて訪れる場所でも、どんな写真が撮れるかという情報は、SNSなどで気軽に集めることができます。ハッシュタグなど検索すると、ロケハンした気分になって、イメージもふくらみやすいです。
・機材を考える(カメラ、レンズ、三脚・一脚、フィルター)
旅先に持っていける機材は、持つ量が限られるため厳選します。よく「三脚は持っていった方がいいか」と聞かれますが、スローシャッターで撮りたいなら必須です。旅行用に軽量化した三脚もあるので、必要なものを忘れないように用意してください。
それから、わたしは撮影するときに「香盤表」をつくっています。
【香盤表】(自分の考えを整理し、撮影に臨む台本のようなもの)
自分が撮りたいイメージを既存の写真等を使って一枚の紙にまとめていて、
特に人物撮影などで、モデルに伝える場に有効です。天候(晴れ、くもり、雨)に応じて色々なパターンで、用意しています。
準備をしていっても、状況により変化していくので、使わないことも多いですが、準備は重要だと思っています。
撮影の考え方について
つづいて、撮影実習です。
ヒルズ前のドラえもんを被写体に
・何を撮りたいのか?
撮影は、撮り方よりも、まず考え方からです。自分の興味のあるもの(心の動いたもの)を観察し、どうしたらよい写真が撮れるか考えます。見る人にわかるように撮るのを心がけます(何を撮りたかったかわからない写真は×)
・メインになるものが分かるよう、明確に!
(メインがどれかわかりにくいのは×。他のものを入れない)
・物語を膨らませる
被写体にふさわしい状況を考えて、イメージを展開していきます。これには経験が必要かもしれません。いろんな写真を見たり、撮影を積み重ねることで、想像力は豊かになります。
・位置を変えてみる(動いてみる、かがんでみる、地面にカメラを置いてみる等)同じ被写体でもアングルを変え撮って比べてみると、違いに気づきます。
・状況が変わるのを待つ(人が来るのを待つなど)
・例えば、
被写体を選ぶ:カメラを持ったドラえもんに着目した場合
→考える:どんなシュチュエーションが合うのか
→待つ・配置する
カメラを持ったドラえもんに着目
→口を開けている!何に驚いているのか?
→男の子が良い位置に登場
シャッターチャンス!!
ドラえもんの頭に乗っていたたまご
動きはスローシャッターで
NikonZ6 24−70mm f/2.8 1/13秒(F9)ISO100
スローシャッターで撮ってみる
・スローシャッターは朝・夕方など光が少ない場合に使います。シャッターを長い時間開けることで、動くものはブレて写ります。
光をたくさん集めるので、昼間など明るいときはNDフィルターで調整します。
今回は行き交う人の流れなど、動きを表現するために、スローシャッターを使いました。三脚を持っていなかったので、バリアングルでモニターをみて、地面に置いて動かないようにカメラを固定しました。広角レンズ側で、人の動きを撮ります。
流れを撮るときのシャッター速度:1/8~1/15秒位
シャッター速度に応じた絞り:最初はf5.6位から~適正露出になるよう絞っていく(昼間で明るいので絞る必要がある)
ISO:できるだけ100(状況で上げる)
ちなみに、スローシャッターといえば、一般的なのは花火です。花火は打ち上げから開いて消えるまで、1玉が2~3秒くらいです。
以上、今回の教室はこんな内容で行いました。Kさん丁寧にレポートありがとうございました!
次回の六本木教室は9/19(木)10:30〜12:30です。月1度のペースで、受講料は1回4000円、3回で9000円です。少人数ですので、初めての方でも気軽に参加できます。興味のある方はコメントいただければと思います。
NORi