夜散歩
最近、仕事が終わってから夜に歩いている。きっかけは年一回の定期健康診断での医者の言葉だった。
「高脂血症やね。脂肪肝やし心臓がダルマさんみたいになっとるね。あと、このままいったら痛風、糖尿病、、、。」
人の心臓をダルマに例えるな。と、腹立たしく思ったが、まだ医者の言葉は続く。
「去年から3kg増えとるね。75kgまで落とさないとダメやね。食事制限はリバウンドするから運動せんとなぁ。」
現実を突き付けた後、目標と達成する方法を示してきやがった。
そんな理由で内臓脂肪を落とすために歩き始めた。距離は5km 。国道と県道沿いの歩道を三角形を描く形で一周している。少し早歩きでちょうど一時間のコース。
歩き始めた日から酒も控えるようにした。
とりあえず2週間は禁酒して、その後は週末に2日だけ飲める事とした。飲酒習慣からの脱却。だが、とにかく眠れない。酒の力を借りて寝ていた事に気づかされた。
眠れないのはこれまでの負債を払っているのだろうと思う。
話がそれた。
ウォーキングと言うと重苦しいので夜散歩と言う事にする。始めたのはまだ残暑厳しい9月の初旬。15分ほど歩くと汗が吹き出してくる。歩き終えた時にはTシャツは汗だく。しばらくは筋肉痛というオマケもついた。
ただ、良い事もあった。
めちゃくちゃ汗をかき、そのまま風呂場へ直行し水シャワーを浴びると最高に気持ちいいのだ。もともとサウナが大好きなのだが、サウナで汗をかいた後の水風呂と同じ効果が得られるわけである。無料で。
普段、車で走っている路上も歩いてみると色々と気づかされる事がある。歩道の脇から生えてきていて邪魔だった雑草をいつしか誰かが刈ってくれたんだなとか。このカレー屋は夕飯どきなのにいつも車が停まってないなとか。このアパートの住人は夜に洗濯物を干す派なのかとか。カワサキのNINJAが今日は駐車場に停まってないなとか。たまに会うネコ。
どうでもいい事に気づく。
でもそれは夜散歩では、しんどさを忘れさせ、継続を促すエッセンスだったりする。
まだ歩き始めて2ヶ月。
カロリーで言えば5km歩いたところで茶碗一杯のご飯と等価らしい。
これを知っているから普段の食事が変わってくる。歩くしんどさを茶碗一杯のご飯ごときでチャラにされたくないという意識が芽生えるのである。結果、医者の言った目標値に届かないが今のところ4kgの減量ができている。
最近は肌寒くなってきた。水シャワーを浴びるほどの汗もかかなくなってきた。だが、これも季節の移り変わりへの気づき。
心の支えだった水シャワーをやめた今、私はこのまま続けていけるだろうか。
最後にアメリカの先住民インディアンの諺を紹介する。
If you have money, buy a walking machine. If you don't have money, walk on the road. The key is to keep going.
(金がある者はウォーキングマシンを買いなさい。金が無い者は道を歩きなさい。要は続けるかどうかである。)
そんな諺あるかぁ。