セリーグ DH制導入論に関して

皆さんこんにちは!
今回は何かと話題になっているDH制についての話題を取り上げていきたいと思います。

2019年の日本シリーズ終了後に、巨人の原監督がセントラルリーグにもDH制を導入するべきだというコメントを出し話題になりましたが、昨年も巨人がセリーグ理事会に来季のDH制導入を提案する書類を提出したことで再び話題になりました。そして、先日のセリーグ理事会でもまたもや巨人が今季のDH制導入を提案しましたが、他の5球団の反対で再び否決されました。

DH制導入の賛否

結論から申し上げますと、私はDH賛成派です。
理由は以下の通りです。

投手と投手の勝負はプロとプロの真剣勝負とは言い難いので、投手の打席は無駄でしかない
→年間200打席前後ある投手の打席分が打撃のプロフェッショナルに回るのは有意義なこと。

セ・パの編成力の差がなくなる
→セリーグがデスパイネを欲しがるとは到底思えない。その時点で編成に差が出ている。

DH制を導入しても野球の面白さは損なわれない
→パリーグだって面白い!

投手の無駄な怪我が減る
→能力の高い人が多く試合に出場可。
 
・DHを主力の積極的休養に利用できる
→能力の高い人の怪我を防げる

プロ野球は「野球のプロフェッショナル」が観に来てくれたお客さんに最高のパフォーマンスを披露する場です。投手が打席に立つのと打撃専門の人が打席に立つのでどちらがよりレベルの高いプロの勝負を披露できるかと言われたら言うまでもありません。これが私がDH制に賛成する1番の理由です。DHを使えれば投手と打者の勝負だけではなく守備もプロ野球チームとしてレベルの高いものをお客さんに披露できるようになるでしょう。

そもそも同じ野球をやっているのに、セリーグとパリーグでルールが違うのはずっとおかしいと思っていました。しかも、1軍で良いパフォーマンスを出すための準備の場でもあるファームは全てDH制を導入して試合を行っているのに、なぜ1軍の晴れ舞台にいくと2軍で全く打席に立たない投手が突然打席に立つのか意味が分かりません。

2021年限定のDH制導入案について

昨年の12月14日に巨人は来季限定のDH制導入を求める意見書をセリーグ理事会に提出しました。
↓こちらが意見書の内容です。

私はこの提案は理にかなった素晴らしい提案だと思いました。
まず、今シーズンは
・異常すぎた昨シーズンからの蓄積疲労
・五輪
・過密日程や急な日程変更
・異常に短いオフシーズン
・コロナ対策による精神的ストレス
・プライベート時間のリフレッシュ不足

 
と、イレギュラーなことが多く、未だかつてないレベルで選手に負荷がかかりやすい要素が揃っています。こういった負荷を少しでも軽減するためにDH制を導入することは非常に効果的だと思います。セリーグの全先発投手が恩恵を受けることができるので、不公平感も特にありません。また、これまで議論されてきたDH制を試験導入するという意味合いでも今年1年間だけ導入することは非常に意味のあることだと思います。逆に試験導入するなら今年やらなくていつやるんだというぐらい絶好のチャンスだと思います。

この意見書は提出されたその日に即却下されました。この後触れますが、意見書に問題があったのは事実です。ただ、せめて内容のある議論ぐらいはしてから結論を出しても良かったんじゃないかと思います。理事会では全く聞く耳を持ってもらえず、巨人の意見書の真意も理解されないまま即否決されたので、はっきり言ってめちゃくちゃ腹が立ちました。

意見書のマズかったところ

ただ、山口オーナーも認めているように巨人の意見書にもやや問題があったのではないかと思われる箇所があります。

提案があまりにも遅すぎる
これは他球団のファンの方から多く上がっていた印象がありますが、確かに私もそう思います。12月中旬だともう既に新外国人選手と契約合意が始まるような時期です。そんな時期に編成を大きく左右するようなルール変更はちょっとどうなのか?と言いたくなるのは非常に分かります。2021年も厳しいシーズンになることは前々から分かっていたことなので、それにしては提案が遅すぎたと思います。

余計なことを書きすぎた
そもそもこの提案の主目的は「選手の負担軽減」です。しかも、提案自体は2021年限定です。
ただ、意見書を見てみると、それ以外にチームの強化や投手の無気力打席等にがっつり触れてしまっています。これが理事会や世間で余計な議論を巻き起こしてしまったような気がします。
山口オーナーもおっしゃっていたように、これまでのDH導入の議論と今季限定のDH導入は主目的が違うので全く別のものだと私も思います。ただ、この意見書だと巨人の考え方を野球界全体で正しく共有できていなかったように思えます。

今後のDH制について

2019年の年末に原監督が提唱してからファンの間でも盛んに騒がれるようになったDH制ですが、今年で原監督は契約最終年を迎えました。原監督が来年以降も指揮を取るかは分かりませんが、セリーグで一番DH制導入に熱心な原監督が現場から抜けてしまうと、この議論も消えていってしまうかもしれません。この点も含めて今オフの原監督の去就には注目しています。

さて、話を戻しますが、私は今年実現しなかったDH制の試験導入を将来的にどこかで行ってほしいなと思っています。本当は近年例を見ない過密日程になる今年が最大のチャンスでしたが、例えばこのままコロナ禍が続くようなら来年でも良いですし、WBCイヤーでも良いです。

セリーグのDH制はファンや現場からも導入を望む声が一定数上がっている以上はもう少し議論を深めてもらいたいと思っています。

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