【ロッテ】安田尚憲はものすごい強打者になる!
こんにちは。
今回はロッテの安田尚憲選手について取り上げていきます。
安田は2017年のドラフトでロッテに1巡目指名を受けて入団し、今年が3年目のシーズンになります。高校時代は「東の清宮、西の安田」と言われ注目を集めていました。順調に育成が進み、今シーズン途中からは3年目にして早くもロッテの4番に定着しましたが、打率.234、ホームラン6本と4番としては若干物足りない印象はあります。
ただ、安田の成績やデータを見る限り、安田は日本を代表するような強打者になると考えています。
では、安田が強打者になると思ったその根拠と、強打者になるために克服しなければならない課題を書いていきたいと思います。
(データは全て投稿日前日時点でのものになります)
とにかくボール球を降らない
まず、安田の何が1番素晴らしいかというと、今年が初めて1軍に定着した年にも関わらず、安田はとにかくボール球を振りません。
1番着目すべき数字はボール球スイング率です。安田のボール球スイング率は20.8%と規定打席到達者の中で5位と非常に優秀な数値を残しています。たしかに安田が全投球に対してスイングをかけた割合は39.9%と平均より低くなっていますので、もともと積極的にスイングをかけないタイプの打者ということになりますが、それにしてもボール球を振らないのは強打者の証です。たしかに「4番なら振って結果を出せ!」というのも間違いではないと思いますが、安田に積極的なスイングを強制すると安田の良さが消えてしまうのではないかと考えています。
スイング率の内訳を見ると、スイングをかけている球はあの吉田正尚より正しく反応していることが分かります。つまり、ボールの取捨選択能力に関してはもう既に超一流の領域に入りつつあります。しかし、 そのかけたスイングでボールを仕留める能力はやはり吉田の方がはるかに高くなっています。
では、どんなボールを仕留めることが出来ていないのか、ここに安田の弱点がはっきりとデータに出ていますので、ピッチバリューから分析していきましょう。
速い球への対応に脆さが露呈
それでは、10月4日現在の安田のピッチバリューをご覧ください。
【安田尚憲 2020年ピッチバリュー】
・wFA(ストレート) : -1.4
・wFT(ツーシーム) : -1.6
・wSL(スライダー) : -3.0
・wCT(カットボール) : 3.9
・wCB(カーブ) : 2.4
・wCH(チェンジアップ) : 0.6
・wSF(スプリット) : -0.3
安田に投じられているストレートの平均球速を見てみると、143.8kmと全体の平均以下にも関わらず、wFAはマイナスを叩き出しています。ちなみに、同学年の村上宗隆のwFAは19.9ですから、差は一目瞭然です。強打者と呼ばれる打者はほとんどwFAで大幅なプラスを叩き出しています。つまり、安田は他球団の強打者たちと比べると、圧倒的にストレート系に対して脆さがあることが分かります。これこそ安田がボール球を振らないわりには打率が上がってこない最大の原因だと考えられます。
実際に安田の過去の打撃映像を見返しましたが、安田が今シーズン放っている6本のホームランは全て変化球を打ったものです。確かにデータを見ても変化球を打つのはそこまで苦にはしていないと言えます。一方、ストレートは差し込まれる場面も多く苦手にしている傾向がデータからも目で見たイメージからも感じられます。
既にストレート攻めが始まっている
「安田は速いボールに弱い」というデータは既に他球団にも伝わってしまっています。
10月4日現在、相手投手に投球の半分以上の割合でストレートを投じられている選手は、12球団の規定打席到達者の中で安田と楽天の小深田大翔の2人しかいません。安田のピッチバリューを見るとたしかにスライダーが1番弱いというデータもあります。ただ、それでも私が安田のストレートに対する脆さに着目するのは、当たり前ですがピッチャーが1番多く投げてくる球種はストレートですし、特に安田はその割合が高いからです。
小深田がストレート攻めされている理由は正直よく分かりませんが、安田に関してはピッチバリューの数値とホームランは全て変化球を打ったものであることから、「安田はストレートを投げておけばホームランはない」と相手バッテリーに判断されていることは間違いありません。
安田尚憲の未来予想図
安田は長打率が.356と意外と低いので、今後も4番バッターとして戦っていくにはトレーニング等によってスイングの強度を高めていく必要があるかもしれません。スイングの強度にウエイトを高めれば、コンタクト率も下がる可能性があるという弊害もあるのは事実です。まさに同じ4番を打つ日本ハムの中田翔は今年に入ってスイングの強度を高めたところコンタクト率もスイング率も微減しています。ただ、その結果がどうなったかは皆さんご存知の通りです。
安田の場合は、スイングの強度を上げても元来打つべきボールの取捨選択能力が著しく高い打者なので、まさに「好球必打」に優れた素晴らしい打者になるはずです。よって、スイングの強度を上げることで投手が1番投じてくる割合が高いストレートを確実にコンタクトできるようになれば、来季以降は成績の大幅な向上を見込むことができます。これが安田がものすごい打者になると考えた根拠です。
バッティングはちょっとしたことで急激に伸びることもあれば崩壊することとあります。
安田がこれから順調に成長曲線に乗って日本を代表するような強打者になってくれることを心から願っています!