育成選手の育成に力を入れろ!

こんにちは!

今年の日本シリーズは昨年に引き続き、巨人とソフトバンクが対戦しましたが、この2チームの戦いを見ていると、元育成選手が当たり前のようにスタメンで出ていたり試合の重要な場面で積極的に起用されていました。

ということで、今回は「育成選手について」というテーマで書いていきたいと思います。

巨人・ソフトバンクの育成選手について

セパ両リーグで勝ちまくっている2チームの強さと育成選手の成長度合いの大きさが無関係とはとても思えません。
両チームのスタメンを見ていただくと、巨人には松原が、ソフトバンクには周東・牧原・甲斐が育成出身にも関わらずスタメンに名を連ねています。ソフトバンクはエースの千賀や石川柊太、セットアッパーのモイネロも育成出身です。元育成選手の活躍がなければ今のソフトバンクはありません。

2年連続でソフトバンクと巨人が日本シリーズで顔を合わせたことは、元育成選手の活躍が無関係だとはとても思えません。贅沢を言うと巨人はもう少し育成選手が育ってきてほしいなと思うところはありますが、ソフトバンクは誰がどう見ても育成制度の恩恵を受けているのは明らかです。今のルールで勝ち続けるためには、育成制度を活用しながら若手を育成していくことが最も重要な事の一つと言えるでしょう。

なぜ育成選手を指名しないのか

では、なぜ他の球団が育成選手を指名しないかというと、一言で言うならば「抱えきれないから」だと思います。指名しないというより指名できないという表現の方が正しいかもしれません。

育成選手をやみくもに指名しても試合に出れる人は9人しかいませんので、育成選手はファームの試合の出場機会がかなり限られてしまいます。そうなると、大量の育成選手を試合に出場させるためには3軍制を敷く必要があります。

3軍制を敷いた場合には、3軍の選手が練習できるグラウンドや練習環境・寮の整備が必要になりますし、指導者やチームスタッフも多く雇用しないといけません。各球団の2軍球場がどうなっているのかはわかりませんが、育成選手を獲っても抱えきれるキャパがない上に3軍制を創設・運営するコストがあまりにも大きすぎることから指名できないというのが現状だと思います。育成選手を多く獲っても大きなリターンが得られる確率は低いところも指名できない要因になっているかもしれませんね。

3軍制を創設しろ!

ここまで育成選手を抱え込まない理由を考察してきましたが、私はそれでも育成選手に投資するべきだと思っています。理由は簡単で、育成選手に投資したチームが勝っているからです。

3軍制の創設は勝つために必要であることは既にソフトバンクによって証明されています。たしかに育成選手はもともと評価があまり高くない選手が集まるので、初期投資のコストに対するリターンが少なくなるでしょう。ただ、それでも一芸に秀でた選手や素材型の選手を集めて育成すれば、他にはいないようなスペシャリストが誕生することもありますし、千賀のように大きく育つこともあります。「数を打てば当たる」という形になってしまいますが、それでも育成選手を戦力にしていくことは勝つために必要な投資だと私は思います。

これからもソフトバンクは育成から良い選手がどんどん出てくるでしょうし、巨人も今年の乱獲ドラフトのメンバーから支配下登録を勝ち取る選手が必ず出てくるはずです。こういった流れが強まれば強まるほど、他の球団が育成選手を育てないことへの風当たりは強くなっていくかもしれません。

また、3軍は大学や社会人チームと交流試合を行うことも多いので、現場のスタッフがドラフト候補選手を直接ベンチから見ることができます。私はこれも意外とバカにできないメリットなんじゃないかと考えています。獲ってくるのはスカウトだったとしても最終的に指導して起用していくのは現場のコーチ陣なので、スカウティングと現場の評価とのギャップを埋めるためにも有効だと思います。

既に新球場建設への動きも…

育成選手を大量に抱え込むには、まず抱え込めるだけのキャパシティを用意しなければいけません。そのキャパシティを用意するために一番最初にやらなければいけないのは練習環境の整備です。そんな中で、ファームの新球場建設へ向けて動き出している球団が阪神と巨人です。

阪神は鳴尾浜の2軍球場を尼崎市内に移転する計画があるようですが、新施設の完成予想図は非常に立派な施設に見えました。3軍制の創設も見越しての移転なのではないでしょうか。尼崎に新しい施設が出来れば、阪神も大量の育成選手を抱え込むことができます。阪神はこれまで育成選手の指名に力を入れているイメージは一切なかったので、これは阪神としてはすごく楽しみな取り組みだなぁと感じます。

また、巨人も数年以内に東京都稲城市内にファームの新球場を開業する計画があるようで、現在は既に土地の造成が行われているそうです。新球場が完成すると今のジャイアンツ球場は3軍専用施設になるので、さらに育成選手を抱え込むことができるかもしれません。今のジャイアンツ球場でも12球団のファームの施設の中では充実している部類に入るらしいので、なんて贅沢な使い方なんだろうと思いますよね。新球場の完成が本当に楽しみで仕方がありません。

これからの育成選手のあり方について

育成出身の選手を数多く戦力にしている巨人とソフトバンクが両リーグで強さを発揮していることで、育成選手の存在価値は高まってきています。最近はドラフトで注目度が高かった選手が育成指名を受けてしまったとしてもそのまま入団してくれる場合も増えてきました。育成制度をプロテクト逃れに利用する場合が増えているなど育成制度の問題点もあるのは事実ですが、今後も育成制度の存在価値が高まり続けることは間違いありません。

最近も育成選手であれば指名を拒否する選手もいます。それは育成選手に対して少なからずマイナスのイメージを持っているからでしょう。これは仕方のないことなので、何ら悪いことではありません。
ただ、これからはそういう選手はどんどん減っていくと思います。ファームの練習環境が充実したり育成選手の待遇が良くなっていけば、その傾向はますます強まるでしょう。極端な話、将来的には注目選手や即戦力評価の選手以外はほとんどが育成選手として指名されるようになっているかもしれませんね…

今後も育成出身選手のさらなる台頭と活躍を期待しています!

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