【日本ハム】有原航平 MLB挑戦へ向けた課題

こんにちは!

11月9日に今シーズンの全日程を終えた日本ハムから、有原・西川の両選手がMLB挑戦を改めて表明しました。
というわけで、今回は有原投手がMLBで活躍するためのポイントについて考察していきます。
日本ハムの試合はあまり見れていないですし、MLBに関してもあまり詳しいわけではないので、どうか大目に見ていただけると幸いです。

直近2年間の成績を振り返る

まず、有原の直近2年間の成績を振り返りましょう。

【2019年 年間成績】
24試合 164回1/3
15勝8敗 防御率2.46 161奪三振 奪三振率8.82
K/BB4.03 WHIP0.92 WAR4.4

【2020年 年間成績】
20試合 132回2/3
8勝9敗 防御率3.46 106奪三振 奪三振率7.19
K/BB3.53 WHIP1.17 WAR2.

今年の有原は昨年と比べるとそこそこ成績が降下してしまいました。3試合に登板した楽天生命パークで防御率10.67と謎の大炎上をしていることが足を引っ張ったところはありますが、それでも有原の能力のわりには物足りない成績ですね。
有原は昨年のように圧倒的な成績を残す力を持っているにも関わらず、今年はそれを発揮できませんでした。だとすれば、MLBの打者と戦う前にまず2019年のような最高のパフォーマンスを発揮できる自らの状態を作らないといけません。MLBの打者に対応した投球のモデルチェンジ等も必要かもしれませんが、まずはそれ以前になぜ今シーズンの有原の成績が降下したのかを分析することが、そのままMLB挑戦の成功へのポイントになると考えました。

というわけで、ここからは有原の成績降下の要因からMLB挑戦へ向けた課題を探っていきます。

数字から成績低下の原因を探る

大変申し訳ないですが私は日本ハムの試合をほとんど見ないので、今年の有原の詳細な印象というものがありません。なので、2019年と2020年の2年間の数字から大きな変化があったところを探してみます。

まず最初に着目したのは、ピッチバリューです。
2019年と2020年で全く変化がない球種と大きな変化があった球種が真っ二つに分かれました。大きな変化があったのは、スライダー系とチェンジアップ系です。

【スライダー・チェンジアップ ピッチバリュー】
★スライダー
2019年 wSL : 8.4 → 2020年 wSL : -5.6
★チェンジアップ
2019年 wCH :11.7 → 2020年 wCH : 3.3

2019年は大きな武器になっていたこの2球種が、今年は大きく精度が低下していることがわかります。
ちなみに、この2つの球種のピッチバリューの値以外は、球種別の投球割合や球速・ピッチバリューの値に昨年と大きな変化はありませんでした。球速はほとんどの球種で昨年より微増しています。

では、有原と対戦している打者のスイングの傾向を見てみましょう。

【スイングの内訳】
★2019年
スイング率 : 46.7%
ストライクゾーンスイング率 : 65.3%
ボール球スイング率 : 31.1%
★2020年
スイング率 : 48.6%
ストライクゾーンスイング率 : 65.7%
ボール球スイング率 : 33.6%

ボール球のスイング率が若干高くなりましたが、これと言って目立った変化はありません。

次にコンタクト率の内訳を見てみましょう。

【コンタクト率 内訳】
★2019年
コンタクト率 : 71.9%
ストライクゾーンコンタクト率 : 84.4%
ボール球コンタクト率 : 49.9%
★2020年
コンタクト率 : 78.4%
ストライクゾーンコンタクト率 : 84.2%
ボール球コンタクト率 : 68.6%

ストライクゾーンのコンタクト率はほぼ変化していませんが、ボール球コンタクト率はなんと昨年より20%もUPしてしまっています。

最後に有原と対戦した打者の打球の飛び方の中で、ゴロ率とフライ率だけを比較してみます。

【ゴロ率・フライボール率】
★2019年
ゴロ率 : 56.2%  フライ率 : 33.9%
★2020年
ゴロ率 : 47.9%  フライ率 : 39.3%

明らかに昨年よりゴロが減ってフライが増えていることが分かります。

成績低下の要因は?

結論から申し上げますと、以下の2点が原因であると考えました。あくまでもど素人の勝手な推測ですので、こんなこと言ってる奴もいるんだなぁと思ってもらえれば幸いです。

①ボールが高い
→ゴロが減少
②チェンジアップとスライダーを空振りが取れるボールゾーンに投じられていない
→三振が取れない

ゴロ率が減少してフライ率が上昇していることから、今シーズンは全体的にボールが高く浮く傾向があった可能性があります。
ボール球コンタクト率が急上昇したのは、ボール球でもバットが届く範囲に多くの球が投じられていたということです。つまり、本来は低めのボール球で空振りを狙って投じたチェンジアップやスライダーを打者にコンタクトされてしまうケースが増えたと考えられます。これとチェンジアップとスライダーのピッチバリューが大幅に低下していることとの因果関係がないとはとても思えませんし、奪三振率が低下しているのも頷けます。

MLBで活躍するための課題

今年のMLBはボールが飛ばなくなったのでは?と言われていますが、ここ数年でホームランの出る割合が年々増加傾向にあります。そういう世界に飛び込む上で、ゴロ率が低下してフライ率が上昇しているというのはあまり良い傾向ではありません。フライボール革命がトレンドになっているMLBでは余計にフライが出やすくなればなるほどホームランになるリスクも高まります。また、札幌ドームの恩恵を受けられなくなることで、今まで外野フライになっていた打球がホームランになるケースも生じてしまいます。中には今年の菅野のようにフライボールが多くても打球を遠くに飛ばさせないことで活躍する場合もありますが、有原が活躍した2019年はゴロ率が高い値を示していました。有原はゴロを多く打たせることで良さが出る投手であると考えています。

つまり、有原がMLBでホームランのリスクを軽減するためには、今まで以上に低めの動く球を使ってゴロの割合を増やす必要があります。ゴロの割合を増やすためには、コースだけではなく高低のメリハリがより重要になってきます。高めの速いボールを投じることができれば、低めの動くボールがより生きてくるかもしれません。どれだけ自分でボールをコントロールし、有原特有の強い直球と低めの動くボールを生かしてゴロの割合を増やせるかが活躍の鍵になると思います。

今シーズンの有原は、2019年と比べても球速が大幅に低下したりストライクが全然取れなくなったというような現象は見受けられません。球自体の制球はやや乱れたとしても質が落ちたとも思わないので、私はMLBで良い契約を得て活躍できると思っています。だからこそ、今年出た課題をクリアした上で、MLBの打者の特徴も踏まえた投球を展開していってほしいと思います。

頑張れ!有原!

ここまで長々と有原がMLBで活躍するためにはというテーマで書いてきましたが、今年の貢献度やポスティングによって得られる利益、有原のFA権取得条件などを踏まえると、正直日本ハムが有原のポスティングを容認するかは微妙なところです。日本ハムとしては有原が抜けたら困るに決まってますので、容認しない可能性も否定は出来ません。
ただ、もし日本ハムがポスティングを容認してMLB挑戦するのであれば、争奪戦になると予想しています。
本人が納得できる良い契約を得てほしいなと思いますし、MLBに行くのであれば活躍できるように本当に頑張ってほしいなと思います!

今後の活躍を楽しみにしています!

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