Inspectatorの映像の発想法と技術

PVSF2023Sで出した映像、Inspectatorについてしゃべります。量が多いので、面白そうなところだけ読んでください。解説した部分のBlenderのPFは投げていますが、ぐっちゃぐちゃなので、どうにか参考にしてください。使用ソフトはAviUtl、Blenderです。

つくるまえに

曲について

前Gran Canariaも映像つくりましたhitsuzinさんの曲です。この曲もやばいので作ろうと思いました。あと、改変OKのCCライセンスもつけてくれてるのでとりあえず手を出しました。この曲の1:30くらいのところがばかかっこいいし、カメラが前に進んでいって引きずる感じの映像イメージをもらったのでいけるだろうという感じです。ほんとはフルで作ろうとしていたのですが、体力がきついということで、前半パートで完成にしました。ぜひフルで聞いてください。

全体的に意識したこと

hitsuzinさんが眼をカバー画像によく使っているので、眼と光+歪み(曲の雰囲気+抽象アイデアを色々考えれてた)のイメージで作りました。どっちかっていうと今回は歪みメインで作りました。

意識的に参考にした作品
ZAZAさんのCracker https://vimeo.com/638101297 
th3_n00bさんとNegoさんのSynthesized Sun https://youtu.be/PgDu1fGiUPk 
Crackerに至ってはGran Canariaのときも参考にしました。
Synthesized Sunは理系っぽい?映像でこんなかっこいい映像つくれるのかとびっくりして以来ずっと意識してます。

どっちの作品もカメラを多用しているのですが、Gran Canariaの方はカメラをあんまり使わなかったので、今回はほぼ全編でカメラを使いました。また、カメラの座標を利用したアイデアもたくさん使っています。

ざっくりストーリーも考えました、突入→ヤバい球に遭遇→暴走→脱出を図る→歪空間→なんとか脱出できたよです。めっちゃ浅いけどよく耐えた方です。


①最初の謎の棒

やっていることは、Blender Simulation Nodeで、白黒映像の差分を取って、(メッシュとして)フィードバックしているです。別に見た目かっこよくないのですが、説明しないとマジでただの謎で終わるので一応書いておきました。

発想法:白黒映像をSimulation nodeでどうにかしたい

基本的にAviUtlだと手が動くのですが、Blenderだとモーションつけるのがめんどすぎて手が動かなくなるので、AviUtlで作った白黒MotionGraphicsをBlenderでなんとかルックを良くしたいという思いでやりました。

技術

やけくそにPF投げます。Simulation Nodeに対応したBlenderを使ってください

②突入パート

やっていること

いろいろ複製して空間を演出して臨場感を高める。光をカメラ前方に常に配置、勝手にライティング。こまごまBlender Geometry Nodesネタが入ってる。

発想法:曲のイメージ+参考映像

曲のイメージからのストーリー(突入→ヤバい球に遭遇)がメインです。後で考えたら参考映像のCrackerに影響されまくってた可能性があります。突入時の☆型は勝手に思いつきました。光をカメラ前方に常に配置、勝手にライティングは普通にそれが楽だし臨場感あったのでやりました。ところどころGeometry Nodesネタ(突入時の☆、特定方向のメッシュがDeleteされる球、ツェルナー錯視っぽいやつ)が入ってます。

技術:気合

PF投げて解説をさぼる。

③ライン+ぼかしのルック

発想法:学校の授業でそういうルックを見た

学校の画像処理系の授業でぼかしみたいなのにメッシュが割り当てられるみたいな写真をみたのでその再現です。でも、なんの話題かメモってなかったので何かわかりません。

技術:FreeStyle + 被写界深度

全体にGeometry NodesでSplit Edge→Scale ElementsでScaleを0.999とかでわずかに隙間を開けて、FreeStyleレンダリングの線が表示されるようにした。被写界深度のF値を思いっきり下げて、全体にぼかしがかかるようにしました。

④Blenderの2D座標をAviUtlにもってくる

発想法:図形問題の文字の表示から

https://methodology.site/space-figure-and-trigonometric-ratios/

前に数学の図形問題みたいなのをBlenderで作りたいと思ったことがあったのですが、そのときにこの「A、B、C、…」とかを表示する際に、Camera Viewの座標(2D座標って呼んでます)を出力するスクリプトが必要だなあとなりました。

というわけで、作ったので、後は片っ端からAviUtlのスクリプトでXY(2D座標)使えるのを調べてたら、「砕け散る」「フラクタルモザイク(ドロステ効果?) - gometh」「ディスプレイスメント系各種(デフォルト、ティムさんのスクリプト)」だったので、その辺を使っていった感じです。

技術:スクリプトを改変

ただ再現してもらうのがかなりめんどいです。
AodarumaさんがGithubにあげてたコードを改変したものです。汎用トラックバーに2D座標が中間点として打たれているオブジェクトを出力して、汎用トラックバー+GLOBAL.traのセットでトラックバーに設定するシステムで、結構、大変です。別途解説つくったのでやってみたい人は真似してください。(まだ作ってない

⑤すごい勢いのパーティクル

発想法:ジオメトリーノード・チュートリアル

これ、かっこいいでしょ。うちの自慢のパーティクルです。でも、ジオメトリーノードのチュートリアルです(終)。といっても、今回は、結構改変して
①Age(消えるまでのフレーム数)をつける
②Instance on Pointsで立方体置き換え
③元カーブの可視化
④ランダムカラーのシェーダーをつける
といろいろしました。これこそ解説つくるべきかも。夏休み中に解説つくれたらいいなという気分です。(つくらなかったらごめん)

技術:チュートリアル

このチュートリアルです。このチュートリアルのパーティクルがシンプルにあほほど強いです。なにやってるかはあんまりわかってません。

⑥光の反射

発想法:物理の授業

光の反射です。結構前から、物理の授業とか受けてるときに作ろうとおもいました。が、技術力がなく、放置していたやつです。これで音ハメむずすぎたのですが、複製したり試行錯誤してたらいい感じになりました。

技術:Blender Stack Exchangeから

Blender Stack Exchange漁りしてたら見つけました。

⑦カメラ前進、ゆがむ地形

発想法:モーションブラーの代替としてのディスプレイスメント

カメラが前に進むときにモーションブラーがかかりますよね。なのでそれの代替としてAviUtlスクリプトのティムさんのハードブラーをつかうという表現をみたことがありました。なのでその代替として進行方向に実際に地形が歪むのでもいいのじゃないかということで作りました。あとは曲のイメージもありますね。音ハメがむずかったので、実際のディスプレイスメントも結局使っちゃいました。

技術:SetPosition に Noise Textureをつなぐやつ

Geometry Nodesでよく使う、Set Positionにノイズテクスチャつなげるやつです。タイミングとかはほぼ気合です。

⑧跳ね返る数字パーティクル

発想法:音+チュートリアル

映像では伝わってなさそうなのですが、これは跳ね返る数字パーティクルです。そして跳ね返るごとに数字が1増えます。発想法は曲のぶつかって転がっていくような音+チュートリアルです。球とかでもよかったのですが、結局数字の方がかっこいいです。

また、このパーティクルは3個で一セットとなっており、間がカーブでつながれています。パーティクルのくせにもともとがメッシュを形成してるのが面白いだろということです。発想法はなんか物理演算にメッシュを組み合わせてる図を本で見たからそれのパクリです。雑に使っちゃったので盛り上げ役にしかなってないのですが、これよりわかりやすい形でもう一回チャレンジしたいです。

技術

Simulation Nodeですね。この解説を丸まま真似して、そのあといろいろオプションをつけました。


⑨2D的に移動するオブジェクトが3D空間に配置される


発想法:あまり覚えていないけど、多分2D⇆3Dの発想

以前から2D⇆3Dということに執着していたので、ずっとこういうことができたらなとは漠然と思っていました。カメラの前に常にオブジェクトを配置させて、それがSimulationNodeによって複製されます。


技術

Blender Geometry Nodesなのですが、自分でつくったくせに自分では手に負えないややこしさになっております。イージング機能も手作りしましたが、テキストで伝えるのめんどすぎるので解説動画作ろうかなあ…うーむ。とりあえずPFだけ投げます。

arigato

PVSF2023Sお疲れ様です。今回Clusterで見たのですが、みんなで見てる感良かった!音声とかその辺が改善すればめちゃ楽しいだろうなあという未来が見えてよかったです。VRChatでDJ、VJさんが出るイベントは開かれてるみたいなので、やっぱりスマホで参加できるようになればみたいなところなのかな。というかちょうどそれが来ている最中なんですね。

個人的な最近の課題は、作る映像があまりにも映像オタクすぎることなので、そこが少し別の方向に転じてくれるならどういう時なんだろうというのを考えています。
とりあえず、これから作りたいものは、実写入れた映像か、単発アイデアの短め映像か、Geometry nodesの解説動画とかですね。


これでおわりだー、ばいばい。



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