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『いわき時空散走フェスティバル24春』植田・佐糠・金山ツアー

『いわき時空散走フェスティバル24春』2日目は、植田・佐糠・金山ツアーです!!

【日時】2024年5月3日(金)9時~13時
【集合・解散】植田駅
【サポーター】正木里奈(まさき・りな)

植田・佐糠・金山ツアーを一緒に巡ってくれたのは、佐糠町出身の正木里奈さん!今回は、植田・佐糠エリアはもちろん、前回のツアーで行けなかった金山エリアまで行ってきました!

正木さんおすすめの和洋菓子店や、『安寿と厨子王物語』の金山、前回とはまた一味違うツアーとなっていますよ~!

いわき時空散走サポーターの正木里奈さん

今回新しく巡ったスポットや新情報を中心にツアーの内容をレポートしていきますので、気になった方は『いわき時空散走フェスティバル23』植田・佐糠・金山ツアーのレポートも合わせてお読みください。


ー物件巡りからスタート・・・!?

植田駅に集合し、植田商店会の『うえっち・あゆみん』に見送られながら、ツアーがスタートしました!

すると、サポーターの正木さんが、「実は私、今植田で人が集える場を作りたくて、その物件を探してるんです!」と話し、ツアー最初のスポットは、正木さんが今気になっている植田の物件をみんなで見に行くことに・・・!
参加者の皆さんも「どういうこと!?」と驚きながらも、正木さんについていきます。

みんなヘルメットをかぶり、準備満タンな様子
いざ出発!!

【1件目】植田駅のすぐ近くにある2階建ての大きめの物件。
正木さんは、この物件は前からずっと気になっていたのですが、賃貸のサイトなどにも載っておらず、地元の不動産屋さんにも何も分からないと言われたそう。そのことを一緒に活動している勿来のまちづくりサポート団体の代表に話したら、「俺はそこで”おっぱいプロジェクト”をやってたぞ。」
と言われたと。

「え、なにその怪しいプロジェクト・・・」と最初は思ったそうですが、話を聞くと、お母さんたちが植田で買い物をするときに子供を預けられる場所をここで作っていたとのこと!

参加者の皆さんからは、「え!すごい!!」「めっちゃいいじゃん!」との声。子育ての苦労や悩みはどの時代も変わらずあるようです。

空き物件前で自転車を置いて話している様子
空き物件前で話している

”おっぱいプロジェクト”のような、少しの時間だけでも子供を預かってもらえる場所があると、ゆっくり買い物したり、子育てで後回しになっていた自分の時間を過ごせるのは、親にとってはとてもありがたいですよね。

そういった、子育てを助け合う場やコミュニティが今の時代に必要とされているのかもしれません。正木さんは、この物件の背景を知り、尚更ここを使いたいと思ったそうです!

【2件目】植田駅から徒歩5分以内で2階建て、1件目より狭い物件。
元々美容室として使われていた店舗だそうで、ずっと気になっていたそうなのですが、少し前に、あるお兄さんがこの物件を内見している様子をたまたま見かけ、慌てて正木さんもすぐ内見したそうです。

ここを借りるなら、2階に住みながら、1階は事務所兼みんなが立ち寄れる場として活用したいなと考えていたそうなのですが、現在は、先に内見をしていたお兄さんが何かのお店をオープンに向けて動いているっぽいとのこと!どんなお店がオープンするのか気になりますね!

手を使って、間取りの説明をする正木さん
間取りの説明をする正木さん

植田は平の駅前と比べると賃料も安く、何かお店を始めたい人からすると狙い目だそう・・・!これからの植田の盛り上がりに期待大!!

また、正木さんは普段自立支援の仕事をしているのですが、いわきでは平にしかそういった場がなく、植田や勿来に住んでいる方たちからは、「働いていないので毎回の電車賃がきつくて行けない」という声もあるとのこと。
だからこそ、植田で、駅チカの場所で、みんなが気軽に集まれる”場”を正木さんは作ろうとしています!

ー佐糠のたまり場だった『猪狩商店』

その後、植田を走り抜け、佐糠町にある正木さんの実家前に到着!実は、正木さんの実家は昔、『猪狩商店』という商店を営まれていたそうです!(母側の実家。旧姓 : 猪狩)当時の写真を家から見つけ出したそうで、特別に見せていただきました!

正木さんが写真資料を手に持ち、説明している
『猪狩商店』の当時の写真

猪狩商店は、正木さんのひいおじいちゃんの時にやっていたお店で、当時は田畑ばかりの村でお店もほとんどなかった。そのため、火力発電所で働く方たちのたまり場で、店前でお酒を1杯飲んで帰ったりしていたそうです。

「場づくりがしたい!」という正木さんの思いは、猪狩家のひいおじいちゃんから受け継がれているのかもしれませんね。

その後、佐糠薬師堂と佐糠八幡神社へ行き、そしてついに金山エリアへ入っていきます!

佐糠薬師堂の前で話している様子
佐糠薬師堂での様子

ー安寿と厨子王ゆかりの地へ!

金山には長い坂道があり、前回のツアーでは小学生の参加者もいたので行かなかったのですが、今回は頑張って走りますよ!坂道を漕ぐときのコツも教わりながら、みんなで和気藹々と走り抜け、最後の坂をあがると『安寿姫厨子王母子像』が見えました~!

「達成感と良い汗かいて気持ちいい~~」

普段一切運動をしない私でも上れたので、きっと皆さんも大丈夫!

いわき時空散走のコースは、自転車初心者の人でも楽しめるように、走りやすさや安全性など、毎回確かめているのでご安心ください!

坂道をみんなで走っている、みんな笑顔
金山の坂を走り抜ける!
ヘルメットを脱ぎ、清々しい顔の参加者
坂を登り切りました!

さて、皆さんは『安寿と厨子王物語』をご存じですか?

聞いたことある方も多いと思いますが、森鴎外の小説『山椒大夫』に出てくる親子、姉弟の愛と絆の物語で、子供向けのアニメにもなっています。
実は、この金山町は『安寿と厨子王物語』のゆかりの地であるという説があるのです。

金山周辺に、安寿と厨子王にまつわるスポットがいくつかあり、『金山の昔を伝える会』の方たちが、各スポットに説明の看板を設置したり、定期的に勉強会を開催するなどして、後世に伝え続けています。

『安寿と厨子王の物語』
父、平政道は、小山田(山田町)の桜を見物した帰りに姥ケ山で襲われ命を落とした。翌年、母と子は、家来と召使と一緒に母の実家のある信夫(福島市)に逃れたが、途中で家来は追手と戦い戦死してしまう。主従の一行は、父が殺されたことを訴えるためにさらに都(京都)へ向かうが、途中で悪者に騙されて母と子は別々の船に乗せられ、安寿と厨子王は山椒大夫という人買いに売られ、母は佐渡へ売られた。召使は、船から身を投げ自殺。ここから安寿と厨子王のつらい生活が三年ほど続いた。ある日、安寿は自分の身を捨てて厨子王を山椒大夫のところから逃れさせた。やがて、朝廷に仕える身となった厨子王は、人買いを禁止し良い政治を行い、父の仇を出羽神社付近(東田町)で討った。そして、盲目になった母と佐渡で再会をはたした。

参照:『安寿と厨子王の物語』案内看板-金山の昔を伝える会

親子、姉弟の深い愛に感動するとともに、どこか共感してしまいます。自分の命をかけてでも、守りたいと思える存在。家族や自分の周りの人たちを当たり前に思わず、常日頃から大切にしていかなければならないと改めて気づかされました!

『安寿姫厨子王母子像』

また、『安寿と厨子王祭り』という地域の祭りを毎年5月に開催しており、なんと、植田・佐糠・金山ツアーの当日(5月3日)に今年もお祭りが開催されました!

お祭りは毎年、安寿、厨子王、母、それぞれの役が決まり、本当の親子や姉弟の時もあれば、そうじゃない場合もあるとのことで、ちょうどいい年齢の子がその年の安寿と厨子王になり、みんなで町を練り歩くそうです。

ちょうど練り歩いているときに遭遇はできなかったのですが、お祭り終了後、今年の役の子たちが金山公民館に帰ってきたところを少し見ることができました!

正木さんが手に資料を持っている
『安寿と厨子王祭り』について説明する正木さん

ー知る人ぞ知る、『朝日屋』

そして最後に、正木さんおすすめの『朝日屋』さんへ!ブランデーケーキが有名で、他にもお団子やいちご大福、どら焼きなどがあり、どれも絶品です。時期によってラインナップが少し変わり、今日は柏餅が置いてありました!

すると、店主の方が「好きなの選んでいいよ」と言って、特別に全員に1個ずつ柏餅をサービスしてくれました・・・!!

つぶあん、こしあん、味噌あんの3種類から、それぞれ選んで美味しくいただきました!もちもちで、あんが甘すぎず、自転車で走った後の体に沁みわたります。

マップを作っている時から、何度かお店に行っているのですが、いつも楽しくお話してくれて、いつの間にか長話に。団子を買いに来たのか、話しに来たのか・・・。地元の方々からも愛され、このまちのコミュニティを自然と創り出しているんだろうなと思います。

優しい雰囲気の店主
『朝日屋』の店主

店主の方曰く、このお店もあと数年で閉めるとのこと。気さくで優しい店主が作る、絶品和洋菓子。みなさんぜひお早めにお店に行ってみてくださいね!金山の坂を自転車で越えてからいくと、より美味しいですよ~

これにて、ツアーは終了!!ですが、ちょうどお腹が空く時間ということで、申し込みの際に希望した参加者の皆さんと、昼食を食べに行きます!

ー植田の町中華で昼食!

昼食は、植田の大人気町中華『蘭蘭』で予約!各々食べたいものを悩みながら選び、注文しました!餃子、炒飯、醬油ラーメン、担々麺、酢豚、麻婆豆腐などなど・・・どれもボリューム満点でとにかく美味しかった!!やっぱり運動後に食べる方が何倍も美味しく感じます!

パリッと焼目がついた大きな餃子
『蘭蘭』の餃子

その後、植田駅まで戻り、最後にデザートも・・・ということで、駅前にある『bo-shi coffee』さんでソフトクリームやドリンクをいただきました!また、店主の方がミニソフトクリームを全員にサービスしてくれました!濃厚でとっても美味しかったです。ありがとうございました!

2回目の、植田・佐糠・金山ツアーはいかがだったでしょうか!

まさかの物件巡りから始まるという、他では絶対にない新しいツアーになりましたね。前回行けなかった金山エリアも走ることができ、やっとマップに乗っているコースをすべて回ることができました!

今回のレポートは、前回と同じ内容のところは書いていませんので、前回のレポートと合わせて読んでいただくことをおすすめします!!

だんだんと、植田・佐糠・金山の深みにハマっていきますよ・・・

『安寿姫厨子王母子像』の前で記念撮影
『安寿姫厨子王母子像』の前で記念撮影

文章:井上栞里(NORERU?広報)
写真:寺澤亜彩加(事務局)、井上栞里(NORERU?広報)


■『いわき時空散走フェスティバル24春』レポートはこちら


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