【NORERU?スタッフの紹介Vol.1 】 メカニックマン梅澤和功
NORENAIズによるNORERU?のスタッフに取材してみた企画。
初回は、NORERU?のメカニックマン 梅澤和功さん。です。
北海道出身の彼は自転車に魅了され、自転車とともに人生を歩んできた。
これまでに、東京2020パラリンピック自転車競技日本代表チームのメカニックを担当し、2021年には縁もゆかりもないいわき市へ移住。
彼はどんな道を歩み、なぜNORERU?のメカニックマンに従事することになったのか、取材してきたのでご覧ください。
プロフィール
梅澤 和功(うめざわ・かずよし)
北海道生まれ。NORERU?のメカニック業務担当。東京2020パラリンピック大会 自転車競技日本代表のチームメカニックに従事。札幌市で自転車業界に10年ほど身を置き、日本パラサイクリング連盟の職に従事することに伴い、いわき市に移住。
写真上 撮影:鈴木宇宙
大学まで過ごした札幌時代と自転車との出会い
ー梅澤さんの出身について教えて下さい。
北海道の札幌生まれ、札幌育ちです。
札幌は知っている人も多いと思いますが、都会と自然がちょうどいい感じにミックスされている街で、市としてはかなり広いですね。そんな広々とした北海道の土地で育ったのが関係しているかは分からないですが、おおらかな性格かもしれません。
ー札幌時代はどんな子でしたか?
周りの友人達と一緒にいることが多く、身の回りのモノや人に影響を受けることが多かったです。中学、高校時代は部活が強制じゃなかったので、部活動には入りませんでした。
高校時代にライブハウスで友達のバンド演奏を聴いたのと、たまたま本屋さんで掛かっていたブルーハーツの曲を聞いて感動したのを機に、大学時代はバンドサークルに入り、複数のバンドでドラムを担当していました。
生まれ育った札幌で撮影した自転車からの風景。
ー自転車に興味を持ったきっかけは何かありますか?
自転車は小さい頃から乗っていました。高校に上がる頃、「高校生になったら自転車で学校に通える!」って、喜んだ記憶があります。スポーツ用の自転車に乗りはじめたのは大学生の頃からですね。手持ちの6万円で買ったマウンテンバイクをきっかけに本格的に自転車にハマり始めました。
マウンテンバイクの太いタイヤをだんだん細くしていくと、漕ぐペダルが面白いくらい軽くなり、「これはどこまででも行ける!」と思って衝撃を受けました。そこから完全にハマりましたね。「タイヤを変えるだけでこんなに違うのか」という感じでした。そこから世界が変わりました。
ー大学では何を学んでいましたか?
英米文化学科で英語を学んでいました。そもそも大学で英語を学ぼうと思ったのは、浪人した時に出会った一冊の英語の参考書がきっかけです。その参考書がとにかくわかりやすくて、難関大学の問題をすごく簡単に解説してあったんです。「すごい、わかりやすい!」と思って、英語が一気に楽しくなりました。その参考書がきっかけで英米文化学科へ行くことに決めました。
それで大学4年生の夏休みに、「せっかく4年も英語を勉強したから、最後に何か思い出に残ることをやろう!」と思って、1か月の交換留学プログラムを活用し、カナダに行きました。異文化に衝撃を受けました。
帰国し、いざ大学卒業後の進路を考えたときに、カナダ留学の影響が大きくて、「海外でもっと長く滞在したい」という気持ちで、ワーキングホリデーに行くことに決めました。ワーキングホリデー先は、ニュージーランドに決めました。
海外での生活、そしてパラリンピックのメカニックへの道へ
ーニュージーランド時代はどんな生活でしたか?
半年間滞在したうち、語学学校に通ったり、大学時代からの夢でもあったロードバイクを現地で購入し、ニュージーランド中を走ったりしていました。
語学学校を終えてから、ニュージーランドの南島縦断を自転車で達成しました。一番南の方から自転車で北上し、そこから大体1000キロの道のりを約2週間くらいかけて縦断しました。土砂降りの日もあり、風が強い日もあり大変でした。バックの中の着替えやパスポートがびちょびちょになるような日もありましたね。
ー自転車業界に入るきっかけは何でしたか?
帰国し、たまたま家の近くの自転車屋さんが正社員を募集していたので、「自転車好きだし、自転車だったら英語を使うこともあるだろう」と思って就職しました。それが自転車業界に入るきっかけです。
自転車の販売と修理がメインの仕事で、そこでメカニックの専門的なスキルを学んでいきました。大変なこともたくさんありましたが、好きなことだったから続けられたと思います。
写真:鈴木宇宙
―メカニックの仕事はどういう人に向いていると思いますか?
自転車が好きな人って、2つに分けられると思うんです。
自転車に乗るのが好きな人と、自転車をいじるのが好きな人に。
自転車をいじるのが好きな人は多分、時計とか車とか機械そのものが好きで、機械をいじるのが好きな人だと思います。そういう人はメカニックに向いていますね。
僕の場合は乗ることも好きなので、両方の側面を持っているのは、接客をする上で相手の伝えたいことを汲み取ったり、それぞれの自転車の楽しみ方を理解することに活きている部分かもしれませんね。
―パラサイクリング連盟と関わることになったきっかけを教えてください
2019年の7月、体調を崩したため1年間の休養を取り、2020年11月くらいに、「パラサイクリング連盟のメカニック募集」の話がきました。偶然にも、当時の店長とパラサイクリング連盟のマッサージャーが自転車部時代の先輩後輩だったために、僕のところに話が来ました。
面接を受けて、2021年の年明けには合宿に参加し、2021年の4月には、正式にパラサイクリング連盟と契約を結びました。
東京オリンピック・パラリンピックが2021年にやっていなかったらこんなことにはなっていなかったので、すごい巡り合わせだったなと思います。怒涛の1年でした。2021年は本当に凄すぎました。
東京2020パラリンピック自転車競技で金メダルを取得した杉浦選手と日本代表チーム。左から二番目:梅澤
自転車のお医者さん、「メカニック」の仕事について
―レースと販売店の時ではやる仕事は違いますか?
レーサーの自転車も販売店で売っている自転車も、どちらも同じ部品を使っているので、環境は違えどもやること自体は今までやってきたことと全く同じだなと。僕の場合、実践二回目のレースがパラリンピックでしたが、戸惑うことなく、仕事をこなすことができました。
NORERU?の店内においてある、杉浦選手がパラリンピックで実際に乗っていたスペアバイクのコルナゴの部品も市販の部品と全く同じ部品です。ですので、販売店でもレース会場でも自分がやることは全く変わらないです。
東京2020パラリンピック自転車競技日本代表の杉浦選手が実際に使用したスペアバイク。NORERU?施設内に展示されている。
―メカニックのどこに楽しみを感じますか?
調子が悪いところが直るっていうところが楽しいです。不調が元に戻ったのがはっきりとわかる、そのわかりやすさが楽しいですね。
たまに手ごわい状態の自転車が来ますが、それを直せたときはその分爽快感もあります。
ー自転車に乗る人とのコミュニケーションでは何を心がけていますか?
相手の理解に合わせたコミュニケーションを取るようにしています。
メカニックと乗る人との間に、自転車という機械に対しての理解のギャップがある場合は、「こういうことを伝えたいんだろうな」と、相手の要件や思いを汲み取ってあげる必要があると思います。できるだけ専門用語を使わず、どうやったら伝わるかを考えて話すようにしています。
自転車の使い方を見れば、乗っている人の性格はなんとなくわかります。性格は自転車にも出ます(笑)。
―NORERU?では、どんなことをしていきますか?
主には自転車の整備をしていきます。誰かの自転車が壊れたら整備したり、新車が入ってきたら組み上げをします。ちょっと調子が悪いとか、壊れたので直してほしいとか、そこは気軽に来てください。
多少時間がかかる場合もあると思いますが、そこはできるだけご相談に乗って対応していきたいという気持ちです。販売店やレースなど様々な自転車を見てきた経験があるので、一般車からスポーツ車まで比較的幅広く対応できます。
今後はレンタサイクル設置の準備もしていく予定です。出来れば自分のファンを作っていきたいですね。
―NORERU?にお越しの皆さまに一言お願いします!
自転車に何も異常がなく、みんなが楽しく乗れて、僕の出番がないのが一番だと思います。だけど、何か異変や不具合があったりしたら、相談してください!いや、何かあってもなくてもいいので、気軽にNORERU?に来てください!(笑)
ーNORERU?における梅澤さんは、さまざまな不安を安心に変えてくれる存在だと思いました。「梅澤さんいるから大丈夫だろう」とか、「わからないことも教えてくれるだろう」といった安心感が、いわき全体の自転車乗りの人たち、そして「わたしにもノレル?」と問いかける全ての人々を支えていくのではないでしょうか。
梅澤和功さん、ありがとうございました。
取材:寺澤亜彩加、NORENAIズ 鈴木駿
文:NORENAIズ 鈴木駿
写真:NORENAIズ 松井武郎
【イベント情報】
NORERU?イベント「メカニック教室」開催中!
NORERU?メカニック梅澤和功による「メカニック教室」は毎月第3日曜日に開催しています!概要や予約情報などは、HPや各種SNSにてご覧ください!
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