おうちの素材で簡単ラクラク。自家製テッコのつくり方
ニンジャ収穫祭in関西やHMC7-特に関西-に参加された方々、ほんとうにおつかれさまでした。
おれ自身はそれらに顔を出しませんでしたが、HMCの企画「ヘッズ・アゲンスト・トーフ」で使われたテッコを作成しました。当日だいにんきだったみたいで、作った者としてうれしいよ、うん。
で、せっかくなので今回つくったテッコの製作工程を以下に書いておきます。正直まだまだやれただろうなって気持ちもあるけど、製作スケジュールと工数から考えて、じゅうぶんにやれたなと思ってる。
つーか毎回ムチャな工数かけるのやめようね、いや俺。
これ見てあなたが「なにか作ってみよう」って気持ちになったなら、ぜひ手を出してみてね。愚痴はでるし睡眠時間はゴリゴリ削られるけど、なんだかんだでたのしいよ。
全体の方向性を決める
おれが何か作るときは毎回「何を目的にどのように作っていくか」って方向性を決めてから製作を行っている。
作り慣れていてノウハウがきっちりとある人ならきっと、そういうものはいらないのだろう。だけど年間に一個二個つくれば上等なおれは、方向性を決めないと製作中にとっちらかって、まとめられなくなっちゃう。
だからべつに紙に書いたりとかはしていないのだけど、何を優先して何を捨てるかを先に決めることにしている。
テッコを作るにあたっては、下記の通り方向性をきめた。
・一週間程度(7〜10日)で完成させる
・製作時間を2〜3時間/日程度にする
・可能な限りあるものを利用する
・だれでも装着できるようなモノを作る
こんかいは納期が短く、また嫁さんや子供にあんまり迷惑をかけられないので、出来映えよりも完成させること、手間を省略することを優先した。また材料入手にお金も時間もかけられないので、なるべく家にあるものを利用した。
あとだれでも装着できる、これ大事。テッコをつけるのが自分じゃなく、不特定多数の誰かである以上、腕の太さや長さにかかわらず、だれでも装着できるようにしないといけないでしょ?
製作工程を決める
方向性が定まったら、次はいつ何を作るかという工程を決めよう。テッコは当初、以下の工程で作るつもりでいた。
・デザイン出し……仕事中に考える
・型紙作り……2日
・材料切り出し……3日
・材料貼り付け……2日
・塗装……2日
これで9日。オーバーラップできる作業と作業できない日を加味すると、これくらいにはなるだろうと踏む。ああ、そういえば夜勤が1日入るんだった。でトータル10日、ギリギリだな。
子供や仕事の都合で俺が作るといいきれない中、手をつけ始める。ダメなら途中でゆんぺっさんに投げよう。他力本願寺。半端に噛んじゃってごめんね。
デザイン出し
テッコをどんな形にしたいか、仕事中や休憩中にちょいちょいとラクガキを書く。
ゆんぺっさんから物理書籍1巻のトーフのタイトル絵(著作権的にアカンと思ったので画像は割愛)のイメージを貰ってたので、空冷エンジンのヘッドがあってーの、そうすると吸排気の管があってーの……とぐだぐだ書いてみる。書いたラクガキの通りに作る必要はまったないので、とりあえず好きに書く。
いざ着手すると技術的、材料的にできないことは出てくるし、今回は「一週間程度で完成させる」の方針があるので、これ作れないなと思った時点でできる内容に置換すればいい。
ついでに今回つかう材料を検討しておく。「可能な限りあるものを利用する」の方針にしたがい、家にある材料を頭に浮かべる。
・ダンボール薄手
・ダンボール普通
・5mmソフトボードの切れ端
・スチレンボード(実際には使用せず)
・マジックテープ
ここで、複雑な手の部分をどうしようかな、今ある材料だと曲面や円形が作りにくいなって、いくつか課題が浮上する。そこどうクリアするかは、手をつけてから考えることにした。
型紙作り
まずは型紙をつくってく。てきとうな厚紙を折って腕に巻きつけて、切った貼ったで形にしていく。
「だれでも装着できるようなモノを作る」の方針から、型紙はガバめに作る。というかどんな素材も厚みがあるので、いざ実製作するとぎゅうぎゅうになることが多い。だから大きめに作るのがベター。フルメンポみたいな、できる限り小さくしたいものがあるならフィッティングは確実にやろう。
切りました。
5mmや10mm単位でざくざく直線を引いて切るという単純仕様。方針外で、ペンくらいは握れるようにしたいって願望が出たので、指は黒い軍手にパーツを貼るという方法で作ることにした。手甲と腕はマジックテープで固定する方式にしようと決める。
このベース部分をもとにして、各所をデコることにした。
この時点でいちどゆんぺっさんに画像を提出。反応よかったので、本製作に入る。
材料切り出し
作った型紙や寸法をもとに、ダンボールをガリガリ切る。
ポイントは、前段取りの型紙つくりをしっかりやること。迷いがあればそのぶん切り出しのスピードが下がるので、型紙つくりのうちになるべく形を詰めておこう。
あとカッターはいいやつを使おうね。ちょっとでも切れなくなったらすぐ刃をかえようね。
切って、
合いを確かめる。 なんか手首側がカスカスだったので斜めに裁断をするなどして調整をする。
ダンボール同士の固定に製本テープを使ってみたけど、これが大正解。強いし薄いし、なにより接着時間がないのがデカい。つぎからもコレつかおう。
デコりの素材も作る。異サイズの正方形を重ねてシリンダーヘッド風にしてみた。こちらの接着は木工用ボンド。
面取りするとなんとなく工業製品ぽくなっていいよね。本当はプラグ穴とかあるといいんだろうけど、時間的に無理だったので省略。あと吸排気のポート接続用の高さが足りないので、ソフトボードを重ねて、高さを作ってあげる。
なんか手首の周りが貧弱なので、もうちょっと追加できないかが課題となるけど、そこはもう貼り付けと平行して作業することにする。
ちなみに今回のテッコ、絵が描けなくて外した方もおったけど、
このような経緯をもっておれが強引に右手で押し通した。シガキさんテッコで絵を描けないのでわ?という根本てきな疑問は考えてはいけない。
材料買い出し(追加作業)
ダンボールだけの造形だと形がのっぺりしちゃうので、デコり用の材料を買う。仕事の帰りにホムセンに行き、目に付いたものを手に取る。
・黒い軍手
・メッシュホース
・塩ビのパイプ
を購入。
あと別途でキンコーズに行った時にチュパックを買い、嫁さんからベビーフードの容器をもらう。トイレットペーパーの芯も貰ったけど強度的に弱くて使わなかったな。いまの芯、ペラペラなんだね。
材料貼り付け
買ってきた材料をどんどんくっつけていく。
手首に円形を組み合わせたパーツをつけて、ボリュームが出るようにしてみた。チュパックとベビーフードの容器を組み合わせたものなんだけど、ダンボールの組み合わせばっかりよりいい感じでしょ。
ダンボールとソフトボード、マジックテープの貼り付けには木工用ボンドを。軍手や、チュパックとベビーフードの容器の貼り付けにはセメダインのスーパーXを使用。
スーパーX、手にくっつくと落とすのすげー大変なんだけど、食いつきがいいし、非溶剤なので重宝する。
デコりの前に合いをチェック。
腕まわりの厚みが薄かったね、今回。でもデコりでなんとかする。ここで作り直す気はすでにない。 メッシュホースと塩ビのパイプでデコり。これもスーパーXで接着。あと固定用のマジックテープも取り付ける。
らしくなってきた。
メッシュホースが暴れるので、針金ハンガーをぶった切って中に突っ込んで処理する。あとちょっと。これが仕上がったのがHMC開催一週間前の日曜日の夜。昼間に好少年と遊んでいたわりには、完成の目処がついた。
塗装
形ができたら、あとは塗り。おれは製作物の塗装に、ドライブラシって手法を使ってる。
ドライブラシはベース色の上に少量の塗料を筆で乗っける塗り方なんだけど、だいたいの工程として、ベース塗り〜下塗り〜本塗りって工程がある。
まずはベースになる黒をテッコ全体に塗る。おれはベースにブラックジェッソを使ってる。隠蔽力が強く、下地処理もしなくて済むのがすごくいい。ただソフトボードはジェッソを吸うので、二度塗りをすること。
塗りました。塗ったら四半日は乾燥した方がいいとおもう。今回はベース塗りしたあと一日乾燥させて、翌日本塗りを実施した。逆に言うと、前日にベース塗りを終わらせないと、翌日の作業の手がとまるってこと。だから眠くてもキリのいいところまでやろうね。
ベースが乾ききったことを確認したら下塗り。半分の長さにした筆に絵の具の原液を少量つけて筆になじませ、カシャカシャと色を乗っける。
そうすると外周から内側にかけてなんかええ感じに色が乗っていくので、適時絵の具を足しながら塗り重ねていく。
下塗りの色は、
・ピストンヘッド……エンシェントシルバー
・排気まわり(メッシュホース)、手首の丸いの……エンシェントゴールド
・その他……エンシェントブロンズ
で塗る。
ピストンヘッドはなんかアルミのイメージ、他は鉄、アクセントで吸気まわりを銅色、手首の丸いのと排気周りを金色にしようと思ったわけ。
下塗りは多めにガシガシ塗る。色が乗ってるなと思っても斜めに傾けるとジェッソの黒が見えることが多いので、メリハリをつけながらしっかり塗る。
そして本塗り。
全体にシルバーを上に重ねる。カドはしっかりと塗る。全体に塗っちゃうとのっぺりするので、下塗りとの重ね方を見ながら中も乗っけていく。手首の丸いのはライトゴールド、これは上手くいった。吸気まわりはオレンジゴールドで塗ったのだけど、ちぐはぐになったので全体に薄くシルバーを重ねて調子を整えた。塗りが失敗したなと思っても、さらに重ねればまとまっちゃうし、ダメならベース塗りなおせば簡単にやり直しができるのもドライブラシのええところ。
完成。腕につけるとボリューム結構あってええかんじやね。
さいごに、一部のマジックテープが短いと思ったのでスーパーXで延長。そして翌日ゆんぺっさんに引き渡し。
じぶんで直接付け方のレクチャーができないので、ゆんぺっさんにつけてもらいながら付け方を教えて、おれの仕事は完了。これで全部おわり!
別れてからまずコンビニでストロングゼロを買ったけどまあうまいことうまいこと!でもすげー酔った。でもお酒おいしい、好き。
ということで、当日は楽しんでもらえたみたい。
固定は手袋とマジックテープを使った方式。腕の裏は解放になってるけど、いろんな人がつけるからあえて解放にした。
描きにくそうだね(他人事)。
かなり外される率が高かったみたいですが、当然だとおもう。
いろんな人につけていただきました。
しかしデザインを別とすれば、10日ちょいであそこまでよく収まったもんだよね。ゆんぺっさんがオープンにしたときに反響あって楽しかったよ。
技術てきにやりたかったことは、むかしドラゴンベインやパープルタコでやりきったから、時間足りなかったなあとはおもうけど、やれることをやれたなって自画自賛している。
おれはコップレやるスタンスとして「その場にいる人に楽しんでもらうことに全力をつくす。あと技術てきにやれることはつくす」ってのがあって、アゴニィもパープルタコもスタンスに従ってやってただけなんだけど、今回のテッコはその延長+ムリのない工数で作ることがやれてよかった。
あとなにより嫁さん。10日間時間をくれてありがとう。あなたのおかげで、夜中に楽しくつくることができました。
まあそんな。諸処おちついたらまたどっかで顔をだすよ、そのときは一緒に楽しんでくれよな。
・画像提供
ししジニー=サン
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