おまえはじてんしゃを買ってどうしたい?おれはこうした

スポーツじてんしゃを知らない人に、じてんしゃが欲しいと聴かれたら、おれはこう答えてる。ツイッターで下記の概要を書いて以来、気持ちは変わっていない。

「いまある預金からギリギリ限界まで出せる金額を引き出してじてんしゃ屋さんに行くんだ。
ピッカピカでキラキラな、おまえ好みのじてんしゃがお店で待っている。
きっとおまえはそのじてんしゃを気にいるだろう。でもはやる気持ちを抑えて、値段を確認するんだ。
そのじてんしゃは持ってきた金額をちょっとオーバーする金額のはずだ。あとは追加で預金をおろせばじてんしゃはおまえのモノだ。新しいじてんしゃを手に入れたね、おめでとう!」

……まあ生活資金がどうとかあるかもしれないけど、おおむね間違ってないとは思っている。
ただ鍵とヘルメットと空気ポンプだけは買うのを忘れないように。あとは乗りながらなんとかついてくるさ。

おれが買ったのは八万円の安いルイガノだった。
コンポは8速、アルミフレームなのにフォークは鉄というよくわからないじてんしゃだけど、スポーツじてんしゃを知らなかったおれに、じてんしゃが楽しいことを教えてくれた。
こいつはまともなロードレーサーと比べれば、とてもチープなフレームだ。キラキラで、軽くて乗り心地がよくて速いフレームなんてごまんとある。
だけどこいつは、まともなフレームと部品の規格が共通していた。ロード用に用意されている、軽くて強くて高機能なパーツに組み替えることができた。つまりチープである事を除けば、他のロードまったく同じことができた。
フォークを替え、ペダルを替え、ホイールを替え……気づけばフレーム以外はすべて違うものに交換していた。部品を変えるたびにおれは感動し、こいつに乗ってたくさん走った。
こいつと一緒に近隣の山々を登り、琵琶湖を周り、名古屋から広島まで行き、箱根や乗鞍を越えた。
こいつがいなければ、きっとじてんしゃに乗る楽しさを知る事ができなかっただろう。

おれは、じてんしゃに乗って速く、遠くへ行く事が好きだ。
自分の脚で、1日を費やして、どこまで遠くへ行けるか。
膝を痛めても、息が切れても、ひとつ山を越えれば新しい世界がおれを待っていた。そしてその先にある、新しい世界に思いをはせた。おれはそれがさいこうに楽しかった。こいつがいれば、どこへでも行けるんだって。なんか、そんな。

こいつを買わずに他のじてんしゃを買っていたら、きっと違う遊び方をしていたと思う。一言でじてんしゃと言っても、それぞれ全くちがう遊び方がある。
どういう遊び方ができるか、それはじてんしゃに乗っていれば、必ず教えてくれる。
おまえが気にいったじてんしゃは、どんな遊び方を教えてくれるだろう?
それを知りたければ、いますぐ預金をおろして、じてんしゃ屋さん行こう。おまえのお気に入りが、おまえが来るのを心待ちにしているのだから。
#じてんしゃ #自転車

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?