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わかりません VS 知りません:違いを生徒に説明できますか?
私は学習者との雑談で「週末は何をしますか?」という質問をよくします。
その際に「知りません」という方が結構いらっしゃいます。
「まだ、わかりません」がより自然な回答かと思いますが、英語だとどちらも「I don't know」なので説明が難しいです。
説明が難しい
知りません:I don't know. (知識として知らない)
わかりません: I don't understand(理解できない)
という訳もありますが、前述の「週末は何をしますか」「わかりません」の説明にはしっくりきません。
真面目な生徒がぴったりくる説明をしてくれた
Genki1でレッスンをしている生徒で、おそらく私の生徒史上一番、教科書を隅から隅まで読んでいる方がいらっしゃいます。
その方に「夏休みはなにか予定がありますか」と聞いたことがあります。すると、2、3秒考えてから「わかりません」とおっしゃいました。そして、「この場合は、『知りません』じゃなくて『わかりません』がいいんですよね」とおっしゃったのです(英語でしたが)。
そして、その理由についてGenkiの第7課の「表現ノート」で説明を読んだとおっしゃるのです。
その説明によると、「わかりません」は「本来知っているべき答えを知らない際に使う」ものだそうです。そして、「知っているべき、事前に考えておくべき答えを知らない際に『知りません』を使うと失礼に聞こえる」との説明があります。まさにその通りです!
週末の予定を聞いて「知りません」と言われて不自然に感じるのは自分の予定なのに他人事のように「知らない」というからなのです。
教科書は隅から隅まで使い倒す
Genkiを3年以上使っていて、文法説明などは結構読み込んでいるのですが、おまけのようについている「表現ノート」などはいつも飛ばしていてまともに読んでいませんでした。
Genkiに限らず、各課に文法事項などとは直接関係ない日本文化、地理や定型表現などに関する、補助情報のような記載がある日本語の教科書は多いです。
Genkiの場合は「Useful Expressions(便利な表現)」「Expressions Notes(表現ノート)」「Culture Notes(文化ノート)」として、学習者が疑問に思いがちな表現(家族の呼び方、「遅い」と「遅く」の違い)、日本に関する基本的な知識(代表的なお祭り、地理など)が紹介されています。
改めて読んでみると、こうしたところに書いてある情報は結構使えるものが多いです。
以下のような質問が出て、さっと答えられなかったら、該当ページを一緒に読んでみると、学習者も納得できる答えが見つかるかもしれません。
「昨日の夜は遅い寝ました」はなぜ間違っているか(Genki第8課 表現ノート)
「好きな色は何ですか」「赤いです」はなぜ間違っているか(Genki第9課 Useful Expressions)