花譜 不可解弐Q1 ライブレポ 仮想現実は虚構ではない
限界まで高められた仮想現実は、現実を超える
2020年10月10日、バーチャルシンガー花譜の2ndライブ「不可解弐Q1」が開催された。
会場はバーチャルライブハウス「PANDRA」
この地球ではないどこかで起きた出来事をレポートしていく
少女降臨
ライブは祭壇の遺跡のような場所で花譜のポエトリーで始まる。タイトルも「少女降臨」だ。
ライブタイトルのコールがエコーし、ライブ会場へと映像が切り替わる。
現れたのは花譜を中心とし、それぞれ透過スクリーンに映されたバンド隊
「不可解な未観測情景」
こう歌い出した1曲目は「不可解」
1stライブ「不可解」の終盤で初披露されたライブと同名の楽曲からのスタート
「花譜です!不可解弐Q1盛り上がっていきましょう!」と2曲目「Re:HEROINES」
そして勢いをそのままに
「聴いてください!『過去を喰らう』!!」
アップテンポな花譜の人気曲「過去を喰らう」へとノリノリで繋げた
「改めまして花譜です」と最初のMC、現実のライブ会場でみなさんとお会いしたかったけれども、私らしくバーチャルな空間からお届けすることになりましたとしっかりと伝えてくれた。
「私の好きな歌を歌うよ」
カバーパートでは3曲を披露
地獄先生/相対性理論
真夜中のサイクリング/岡村靖幸
深海のリトルクライ/sasakure.UK
ゲスト・コラボパート
「未確認少女進行形」にゲストとのアナウンス
バックダンサーとして登場したのはまさかのVALIS
次の楽曲は春猿火をゲストに「命に嫌われている」
花譜もラップパートに挑戦
次はテレビ番組のOPとして歌った霜降り明星 粗品の「サンパチスター」
可愛らしいドット調の映像が目を引いた
そして次のゲストとして登場したのは
親分 Kizuna AI
見事なトークで会場を盛り上げるだけでなく完璧なデュエットで魅了
さらにヰ世界情緒がゲストに登場
傘村トータremixの「雛鳥」を二人で美しく歌い上げた
初期曲で終わりへ
デュエットの「雛鳥」から続けて「心臓と絡繰」そして最後の曲として「糸」を披露
ライブは一度幕を下ろした
御伽噺
花譜と理芽が登場し「御伽噺」
続けて「痛みを」
そして完全新曲「メルの黄昏」を披露
バラードパート
衣装を「青雀」に着替え
新曲「彷徨い」
美しいアニメーションをバックに詩を歌う
「景色」「アンサー」とバラードを続け、人の琴線に触れる花譜の歌を歌った
花譜バンド
バンドメンバーの紹介をして突入したのは「危ノーマル」
The バンドサウンドな新曲「モンタージュ」も初披露となった
衣装を「隼」に変え、「戸惑いテレパシー」「私論理」
特殊歌唱用形態「金糸雀」
新衣装「金糸雀」がここで御披露目
語彙力53万で解説をし、「畢生よ」
そして理芽が登場し「まほう」を二人で歌う
一瞬暗転し、四人分の影が現れた
「言霊」の文字が大きく映される
花譜、理芽、猿春火、ヰ世界情緒の4人の歌声が合わさった
それは祈り
「愛よ、言霊となって世界を救って」
またね
制服に着替えて
新曲「帰り道」
カンザキイオリさんによる花譜へのインタビューで出来た曲を丁寧に大切に歌う
最後のMCで花譜は、すきな歌を歌わせてくれること、生活の一部にしてくれること、応援してくれることへありがとうとみんなへ愛していると伝えてくれた
そして最後はいつもの挨拶
「花譜でした、またね」
発表、予告
エンドロールの後に待っていた発表は新アルバム発売、Chevio AI 「可不」、そして予告アニメーションで幕を閉じた。
バーチャルと現実が逆転した世界
今回の不可解弐Q1はバーチャルであることにこだわりぬかれたライブであった。
花譜やゲストたちの質感、ライブ会場、スクリーンで参加したバンド隊…
まさに別世界との中継であった。
バーチャルを追求した結果、仮想現実は確かに存在している、そして現実と逆転することができると教えてくれた。
仮想現実は決して虚構ではない確かに現実なのだ。
「不可解」がVtuberライブの特異点と呼ばれることも多いが、まさしく今回の「不可解弐Q1」もまた違った特異点であると言える。
また、モーションタイポグラフィーや背景動画・アニメーション含めて、クリエイターの祭典のようなライブでもあった。神椿という実験場を経験したクリエイターが躍進していくことは想像に難くない。
そしてこれは「Q1」であり「Q2」も予定されている。
それが現実のライブハウスで開催されるのか、バーチャルで行われるのかはまだわからないが、今から非常に楽しみである。
「Q」とは何か?「A」はどのように返せばいいのか?
まだまだ謎が多い
まもなく活動2周年を迎える「花譜」
一人の幼い少女もVtuber界にとってはいなくてはならない存在となっている。
より一層花開き、彼女のかける「魔法」が今後も広がり続け、多くの人とそのキセキを観測できることを願っている。